前島 (岡山県)
前島 | |
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![]() 前島の航空写真。国土交通省 「国土画像情報(カラー空中写真)」を基に作成。 | |
所在地 |
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所在海域 | 瀬戸内海 |
座標 | 北緯34度36分31秒 東経134度11分0秒 / 北緯34.60861度 東経134.18333度座標: 北緯34度36分31秒 東経134度11分0秒 / 北緯34.60861度 東経134.18333度 |
面積 | 2.4 km² |
最高標高 | 136.5 m |
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前島(まえじま)は岡山県瀬戸内市牛窓町のすぐ沖合に位置し東西に細長い面積約2.42k㎡の離島である[1]。「緑島」とも呼ばれ、美しい松林などの自然林が残り、島全体が国立公園に指定されている[2]。
概要[編集]
前島は、人口183人[3]外周約8kmの島で、牛鬼伝説を残す。古名を塵輪島(ちりわじま)という[4]。 岡山の牛鬼伝説の塵輪鬼に由来している[4]。気候的には瀬戸内海気候で温暖で雨が少なく、年間降水量1,220mm、年平均気温15.7℃。尾根部は比較的緩やかだが海岸部は急傾斜が多く、砂浜は少ない。東部に136.5mのピークがあり、地質は花崗岩が島の基盤で、西部は花崗岩である。低地には沖積層が分布し山頂から西の海岸付近まで砂岩、礫岩が多く分布する。土地の利用形態は島の東西で大きく異なる。東部は山林が多く、西部は傾斜の緩い場所を中心に耕作地となり、冬季はキャベツ、白菜、夏季にはカボチャなどが多く栽培されている。民家は西部を中心に集中し、フェリーの発着する港は西端にある。西部は耕作地が多いため森林は断片的に残されているにすぎず、植生はコナラ、クスノキ林などが中心。海岸付近の急傾斜地ではウバメガシ林が多くなる。東部ではアカマツ林が大部分を占め、谷筋にはコナラ林も見られる[1]。
産業[編集]
主な産業は、観光、漁業で民宿、ペンションなどが多い。島内には商店は1軒もなく、数台の自動販売機があるのみ[2]。農業も盛んで、カボチャ、スイカ、メロン、キャベツなどが栽培されている[5]。
観光[編集]
海水浴など夏のレジャーのほか、シーカヤックや釣りなどマリンレジャーや遊歩道やサイクリングコースが整備され、アウトドアスポットになっている[2]。前島にあるアマモの森が島の宝100景[6]に選ばれている。
島内[編集]
石切丁場跡[編集]
徳川秀忠・家光の時代における大阪城の再建の際、前島は石垣に使用する粗粒花崗岩の採石場であった [7] [8]。 採石は島内の4か所で行われ、割石の形跡が見られる大阪城築城残石群などの石切場跡が現在も残っている [9]。
カリヨンハウス[編集]
島の東端には自然の中で行う体験活動やコミュニケーション活動、会議や研修、勉強会などが行える、牛窓研修センター「カリヨンハウス」がある[10]。
唐琴の瀬戸[編集]
牛窓の本土との間の海峡は唐琴の瀬戸と呼ばれる。唐子瀬戸、牛窓峡、牛窓瀬戸とも呼ばれる。風光明媚な名勝地として古書、詩歌に登場している。 唐琴という名称はその海峡で三韓国(新羅)の王子唐琴が討ち死にしたことに由来する[11]。
サンビーチ前島[編集]
島の中央南に位置する海水浴場とキャンプ場。営業期間は、ゴールデンウィークと7~8月[12]。
お大師堂[編集]
1928年(昭和3年)11月上棟。邑久南八十八カ所五十五番札所。智勝庵とも称される。境内には牛神様と、古いお地蔵様2体の石像がある[13]。岡山市西片岡にある札所の同番[14]。
吉田神社[編集]
1841年(天保12年)に京都の吉田神社を勧請。境内末社に稲荷社と犬神大明神がある[13]。
その他[編集]
- 展望台
- 石切り場付近に設けられた展望台は夕日の名所とされ、「日本の夕陽百選」にもなっている。
- 大鯨供養塔
- 明治16年(1883年)6月に鰯の大群を追って牛窓の沖浦に現れた鯨を、十数隻の船による二日一晩かけ銛で弱らせ網で捕獲した。鯨は解体して、上肉中肉を仲買人に売り、下肉の腹部と内臓から油を取り、粕を肥料にし、骨を御堂の浜に葬った[15]。
- 小森神社
- 地神を祀る[13]。
ギャラリー[編集]
ロケ地[編集]
映画[編集]
- 『愛しき日々よ』1984年(昭和59年)[16]
- 『U・F・O ~Ushimado's Fantasutic Occurrence~ うしまどの、ふしぎなできごと』2014年(平成26年)[16]
- 『君と100回目の恋』2016年(平成28年)[16]
テレビ番組[編集]
CM[編集]
- 『スターツコーポレーション』2010年(平成22年)、前島フェリー乗り場にて撮影[16]
- 『サントリーオールフリー』2015年(平成27年)、サンビーチ前島にて撮影[16]
所在地[編集]
岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓。
交通アクセス[編集]
- JR赤穂線邑久駅下車、牛窓行バスで約20分。
- 牛窓からフェリーで5分[2]。
※前島フェリーは、客室はバリアフリーとなっており、高齢者や車椅子でも乗船できる。フェリーは朝6時頃から夜10時まで、1時間に約2本が運航されている[2]。
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脚注[編集]
- ^ a b 岡山理科大学 - 岡山県前島の植生
- ^ a b c d e 岡山県旅ネット
- ^ 平成17年国勢調査より
- ^ a b 巌津 政右衛 『岡山の島』日本文教出版、1978年。
- ^ 日本離島センター/編 『SHIMADAS 日本の島ガイド 第2版』日本離島センター、2004年、284-285頁。ISBN 4-931230-22-9。
- ^ 島の宝100景 アマモの森
- ^ 牛窓町史編纂委員会 『牛窓町史 通史編』牛窓町、2001年、371-375頁。
- ^ 岡山理科大学『岡山学』研究会 『瀬戸内海を科学する Part.1』吉備人出版、2013年、27-30頁。
- ^ 岡山県の歴史散歩編集委員会 『岡山県の歴史散歩』山川出版社、2009年、81-82頁。
- ^ 牛窓研修センター「カリヨンハウス」
- ^ 刈屋栄昌 『牛窓風土物語』日本文教出版、1973年。
- ^ “前島フェリー”. 一般社団法人瀬戸内市緑の村公社. 2018年11月11日閲覧。
- ^ a b c 牛窓町史編纂委員会(編) 『牛窓町史 民俗編』牛窓町、1994年、838-839頁。
- ^ 『邑久郡大師霊場 南巡り北巡り八十八ヵ所順拝の探訪』邑久町公民館内邑久町郷土史クラブ、1981年。
- ^ 刈屋栄昌 『牛窓風土物語 続』日本文教出版株式会社、97~100頁。
- ^ a b c d e f g “ロケ実績 せとうちフィルムコミッション 瀬戸内市観光協会”. 瀬戸内市観光協会. 2018年11月11日閲覧。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
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外部リンク[編集]
- うしまどストーリー - 牛窓町観光協会
- 前島フェリー
- 岡山観光WEB: 前島 - 岡山県観光連盟