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前原雄大

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
前原 雄大
2019年撮影
基本情報
出身地 日本の旗 日本 東京都府中市
生年月日 (1956-12-19) 1956年12月19日
没年月日 (2025-10-12) 2025年10月12日(68歳没)
プロ入会 1981年
所属団体 日本プロ麻雀連盟
Mリーグ
ドラフト 2018年/3巡目
2018-2021 KONAMI麻雀格闘倶楽部
主な実績
鳳凰位 4期
十段位 5期
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前原 雄大(まえはら ゆうだい、1956年12月19日 - 2025年10月12日)は、競技麻雀プロ雀士である。日本プロ麻雀連盟所属(2022年現在は常務理事)、同団体内での段位は九段。

略歴

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東京都府中市出身[1]。幼少時に母親がたまたま購入してきた『近代麻雀』(竹書房[注釈 1]を読んで競技麻雀に関心を抱く[2]早稲田大学在学中の20歳のときに古川孝次と出会う。

1981年3月に結婚し、雀荘を始める[1]。直前に日本プロ麻雀連盟設立の話があり、数名から入会の誘いを受けるも「自分が麻雀プロに向いていないように考えていた」との理由で断りを入れるが、1981年9月に入り、連盟に研修生制度が創設されるに当たり、研修日初日に研修生になるように言われ参加、3年の研修生生活を経てプロ雀士となる[3]

1989年、月刊プロ麻雀編集部からエッセイ「勝手にしやがれ」の連載を頼まれた際、伊集院静に「雄大」の芸名を付けてもらった[1]。若い頃は非常に攻撃的な性格だったが、伊集院から「男は舐められて一人前」との言葉を得たことで性格が一変し、現在のような社交的な性格になったという。

1995年、鳳凰位を初獲得。

2007~2009年、十段位を3連覇で5度目の制覇となり、永世十段位を贈られている。

2008年には鳳凰位を二度目の獲得。

2012年、A2に降格。

2015年、第31期 A2リーグ2位になりA1に再昇格[4]

2017年、61歳で第33期鳳凰位となる[5]

2018年に行われたMリーグドラフト会議にて、KONAMI麻雀格闘倶楽部から3位指名を受ける。2018年当時、Mリーグ参加選手で唯一の孫持ちであった[6]

2018年、62歳にして第34期鳳凰戦連覇。

2019年、前年度鳳凰位として鳳凰戦決勝に出場。

2021年に配信されたKONAMI麻雀格闘倶楽部感謝祭にて格闘倶楽部からの卒業を発表[7]

体調不良が続き一時はB1リーグ降級となるも後にA1リーグ復帰を果たした。2025年の第42期A1リーグでは9節終了時点で101.7ポイントと上位の成績であったが、2025年9月18日に日本プロ麻雀連盟公式Xアカウントから、体調不良によるA1リーグの出場辞退が連盟会長の森山茂和名で発表された[8]

2025年10月12日死去。10月15日に日本プロ麻雀連盟が公表した。68歳没[9][10]。最後の公式対局は9月27日に行われた第3期達人戦第7節(対局者は白鳥翔沢崎誠荒正義)だった[11][12]

雀風・人物

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  • 雀風は超攻撃型で、鳴きやリーチを駆使して主導権を取ることに重きを置いている。
  • ドラも役もなくペンチャンカンチャンのいわゆる「愚形」でリーチをかけるので、森山茂和会長から「がらくたリーチ」(通称「ガラリー」)と名付けられた[2][13]
  • フリー雀荘での存在感から「歌舞伎町のモンスター」「超獣」「地獄の門番」などの異名を取る。ただし本人は「天国だろうが地獄だろうが、普通偉い人は門番なんかやらない」として、「地獄の門番」というニックネームを嫌っている[6][2]
  • 前原の母親は競技カルタをやっており、優勝した際に前原が「おめでとうございます」と言ったところ、「貴方の言葉は嬉しいけれど、私は優勝するためにカルタをやっているわけではないの。そのことだけは覚えていてね。」と言われた。遺伝子なのかはわからないが前原も鳳凰戦で二度目の優勝を果たした後「鳳凰は大切なものだと思っている。ただ、鳳凰を獲る為に麻雀をやっているわけではない」と述べた[14]
  • 2013年のインタビューでは、篠田麻里子の『「後輩に席を譲れ」と言う方もいるかもしれません。でも、私は席を譲らないと上に上がれないメンバーは、AKBでは勝てないと思います。』というインタビューが心に残っていて、これと同じ気持ちと述べている[15]
  • 佐々木寿人とは公私ともに仲がよく、一見雑だが攻撃型の力強い雀風も似ることから、二人で「チームがらくた」を結成。2015年のトークイベントにて「鳴いたらオリるな」「愚形上等」「放銃万歳」のがらくた三箇条を発表した[1]。人差し指と中指を立てて手を斜め前に掲げるポーズは「がらくたポーズ」というチームがらくたのポーズだったが、後に佐々木と前原が所属したKONAMI麻雀格闘倶楽部の決めポーズに採用されている。また「チームがらくた」では前原が総帥、佐々木が部長と言う肩書きだったため、前原に対して「総帥」という敬称で呼ばれることがある。

勝利ポーズ

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2019年10月22日のMリーグ2019-20シーズン[16]第1回戦終了直後に、天に指を突き上げる勝利ポーズを披露した。麻雀では相手を煽る行為は一般にマナー違反と認識されており、Mリーグの公式戦ルール[17]第7章第5条「カードとその対象」においても、『過度なため息やぼやきなど、相手を惑わす可能性がある言動が度重なる場合』がイエローカードの対象とされているため、勝利ポーズの是非について麻雀界で議論が巻き起こった。Mリーグで赤坂ドリブンズに所属する園田賢は漫画家森川ジョージとの麻雀遊戯BARでの共演時にポーズについて質問され[18]、「個人的な意見としてはあり」と語っている。

2019年11月11日のMリーグ2019-20シーズン第27節[19]第1回戦終了直後、前原が所属するKONAMI麻雀格闘倶楽部のチームメイトである佐々木寿人も同ポーズを行い、その意外性が話題となった。

漫画『北斗の拳』に登場するラオウのポーズに酷似していることから、「ラオウポーズ」と呼ばれMリーグファンから親しまれている。

なお、日本プロ麻雀連盟に所属する猿川真寿はTwitterで、「噂のポーズ 前原さん ラオウの真似じゃなくてしんちゃんの真似だな 去年の誕生日の」[20]と、ツイートするなど、ポーズの出所についてはまことしやかな噂が飛び交っており、現時点で出所は不明である。

前原の死去が報じられた直後の2025年10月16日に行われたMリーグ2025-26開催19日目では初年度から前原とチームメイトだった佐々木寿人と高宮まりが同日連勝。試合終了時には佐々木と高宮が同卓者に断りを入れた上で勝利ポーズを披露した[21][22]

タイトル

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Mリーグ成績

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レギュラーシーズン成績
シーズン チーム 半荘 スコア 最高スコア 4着回避率 連対率 1着率 平均
着順
1着 1

2
2

3
3

4
Pt 平均Pt
2018-19 KONAMI麻雀格闘倶楽部 27 84.8 8/21 3.1 70,600 ―― 0.78 9/21 59.3% 25.9% 2.39 7 ―― 0 8 1 5 0 6
2019-20 KONAMI麻雀格闘倶楽部 20 80.3 11/29 4.0 75,800 5/29 0.8000 8/29 55.0% 30.0% 2.35 6 ―― 0 5 0 5 0 4
2020-21 KONAMI麻雀格闘倶楽部 21 ▲251.8 26/30 ▲12.0 56,100 16/30 0.6190 27/30 42.9% 19.0% 2.76 4 ―― 0 5 0 4 0 8
レギュラーシーズン通算 68 ▲86.7 ▲1.3 75,800 73.5% 52.9% 25.0% 2.49 17 0 18 1 14 0 18
  • 最高スコアは2019-20、1着回数は2025-26から表彰対象
ポストシーズン成績
シーズン チーム
Pt 平均
Pt
最高
スコア
4着
回避率


1

平均
着順
1
1

2
2

3
3

4
2019-20 KONAMI麻雀格闘倶楽部 4 ▲46.4 ▲11.6 43,500 50.0% 50.0% 25.0% 2.75 1 0 1 0 0 0 2
2020-21 KONAMI麻雀格闘倶楽部 3 ▲8.3 ▲2.8 28,600 100.0% 66.7% 0.0% 2.33 0 0 2 0 1 0 0
セミファイナル通算 7 ▲54.7 ▲7.8 43,500 71.4% 57.1% 14.3% 2.57 1 0 3 0 1 0 2
2018-19 KONAMI麻雀格闘倶楽部 7 ▲184.6 ▲26.4 38,800 57.1% 28.6% 0.0% 3.14 0 0 2 0 2 0 3
ファイナル通算 7 ▲184.6 ▲26.4 38,800 57.1% 28.6% 0.0% 3.14 0 0 2 0 2 0 3
ポストシーズン通算 14 ▲239.3 ▲17.1 43,500 64.3% 42.9% 7.1% 2.86 1 0 5 0 3 0 5

著作

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脚注

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注記

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  1. ^ 現存する漫画雑誌とは別の活字誌。

出典

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  1. ^ a b c d 前原雄大「麻雀自由であれ」先人としての誇りと願い Mリーガー列伝(23)”. 麻雀ウォッチ. 2021年3月8日閲覧。
  2. ^ a b c 前原雄大、孫もいるレジェンド・プロ雀士「歌舞伎町のモンスター」の異名”. キンマweb (2019年9月26日). 2025年9月18日閲覧。
  3. ^ 前原雄大 (2016年10月19日). “上級/第114回『強さとは__~ガラリーの原点~』”. 2025年9月19日閲覧。
  4. ^ プロリーグ(鳳凰戦)成績表/第31期 A2リーグ 最終節成績表”. 日本プロ麻雀連盟. 2025年9月19日閲覧。
  5. ^ 瀬戸熊 直樹 (2017年2月17日). “プロリーグ(鳳凰戦)決勝観戦記/第33期鳳凰位決定戦 最終日(13回戦~16回戦)観戦記”. 日本プロ麻雀連盟. 2025年9月19日閲覧。
  6. ^ a b 『熱闘!Mリーグ』(AbemaTV)第16回(2019年2月3日配信)
  7. ^ 前原雄大(インタビュアー:浅井宗次郎)「KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大「卒業」に秘められた思いを告白。「100m歩くのに10分もかかった」盟友・佐々木寿人にさえ明かさなかった満身創痍の3年間」『麻雀“真”情報サイト「マーチャン」』、GJ、2021年7月23日https://g-journal.jp/2021/07/post_239815.html2021年7月25日閲覧 
  8. ^ 日本プロ麻雀連盟 [@JPML0306]「本日、対局予定でありました前原雄大選手が、誠に残念ながら体調の悪化により、鳳凰戦A1リーグの選手の方々に迷惑をかける訳にはいかないと、断腸の思いでA1リーグ出場継続を辞退されました。」2025年9月18日。X(旧Twitter)より2025年9月18日閲覧。
  9. ^ 訃報」(プレスリリース)、日本プロ麻雀連盟、2025年10月15日。2025年10月15日閲覧
  10. ^ 〝レジェンド雀士〟前原雄大さん死去 68歳 9月に体調不良で戦線離脱”. 東スポWEB (2025年10月15日). 2025年10月15日閲覧。
  11. ^ 前田健汰 (2025年10月15日). “麻雀プロの前原雄大さん死去 Mリーグで活躍「これからを任せた」”. 朝日新聞. 2025年10月25日閲覧。
  12. ^ 第3期達人戦~GREAT LEAGUE~第7節 - YouTube
  13. ^ 『麻雀プロMリーガー選手名鑑』竹書房、2018年10月1日、76頁。 
  14. ^ 前原雄大 (2017年2月23日). “上級/第118回『臆病者~Coward~』”. 日本プロ麻雀連盟. 2022年4月29日閲覧。
  15. ^ 前原雄大(インタビュアー:魚谷侑未)「プロ雀士インタビュー/第93回:前原 雄大」『プロ雀士インタビュー』、日本プロ麻雀連盟、2013年4月25日https://www.ma-jan.or.jp/2013/04/25/第93回:前原-雄大-2/2022年4月29日閲覧 
  16. ^ Mリーグ2019 - 本編 - 【10/22】セガサミーフェニックスvsKONAMI 麻雀格闘倶楽部vs EX風林火山vsKADOKAWAサクラナイツ - ウェイバックマシン(2019年12月21日アーカイブ分)
  17. ^ Mリーグとは”. Mリーグ公式サイト (2018年6月12日). 2019年12月21日閲覧。
  18. ^ 【麻雀遊戯BAR】不満爆発w??仕事のこだわり聞いてみた![ゲスト:園田賢プロ、森川ジョージ先生] - YouTube(麻雀遊戯王)
  19. ^ Mリーグ2019 - 本編 - 【11/11】EX風林火山vs KADOKAWAサクラナイツvs KONAMI 麻雀格闘倶楽部vs渋谷ABEMAS - ウェイバックマシン(2019年12月21日アーカイブ分)
  20. ^ 猿川真寿 [@saryuru]「噂のポーズ 前原さん ラオウの真似じゃなくてしんちゃんの真似だな 去年の誕生日の」2019年10月27日。X(旧Twitter)より2025年9月18日閲覧。
  21. ^ 【Mリーグ】KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人が故・前原雄大さんにささげるトップ「ともに戦うような気持ちだった」”. サンケイスポーツ (2025年10月16日). 2025年10月16日閲覧。
  22. ^ 【Mリーグ】KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まりも続いた! オーラス大逆転のデイリーダブル! 「前原さんが思ったのとは違ったかもしれないですけど…」”. サンケイスポーツ (2025年10月16日). 2025年10月16日閲覧。

外部リンク

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