分散型ソーシャル・ネットワーク

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分散型ソーシャル・ネットワーク (ぶんさんがたソーシャル・ネットワーク、英語: distributed social network) または連合型ソーシャル・ネットワーク (れんごうがたソーシャル・ネットワーク、英語: federated social network) は、異なる運営者に分権化・分散化されているソーシャル・ネットワーキング・サービスである。複数のソーシャル・ウェブサイトの連合として構成されており、各サイトのユーザーは連合内の他のサイトのユーザーと通信をすることができる。社会的観点から、公益企業であるソーシャルメディア英語版と比較をすることができる。

分散型ソーシャル・ネットワークに参加するソーシャル・ウェブサイトは、互いに通信をすることができ、連携することができる。サイト間の通信には分散型ソーシャル・ネットワークのためのプロトコルによって行われる。分散型ソーシャル・ネットワークのためのソフトウェアは移植可能なものが一般的なので、様々なウェブサイトに簡単に採用することができる。分散型ソーシャル・ネットワークは、複数の中央集権型ソーシャル・ネットワークのアカウントやアクティビティを管理するために使用されるソーシャルメディア管理システムとは対照的である。

幾つかのソーシャル・ネットワーキング・サービスの提供者は、追加されたウィジェットアドオンを通じて提供される、様々なウェブサイトに配布可能なプロバイダ固有のサービスを説明するためにこの用語を使用している。アドオンを通じてこの機能はユーザーのウェブサイトに実装される。

ソフトウェアとプロトコルの比較[編集]

分散型ソーシャル・ネットワークのプロジェクトでは、一般的にソフトウェアかプロトコル或いはその両方を開発する。一般的にソフトウェアはフリーかつオープンソースであり、プロトコルはオープン標準である。

分散型ソーシャル・ネットワークを実現するための技術としては、OAuthOpenIDなどの認証プロトコル、OStatusActivityPubなどの分散型ソーシャル・ネットワークのためのプロトコル、XRDS英語版ファイル、Portable Contacts英語版プロトコル、Google Wave Federation Protocol英語版XMPPOpenSocialXFN英語版hCardなどのマイクロフォーマットAtomなどのオープン標準のものが利用されている[1]

歴史[編集]

電子フロンティア財団は分散型ソーシャル・ネットワークを、「インターネットユーザーの手に制御と選択を合理的に取り戻すことができる」ものであるとして支持しており、中央集権型ソーシャル・ネットワークを利用しているユーザーに対して「セキュリティと匿名性を保護するためのより良いサービスと運営者を選んでいる間は、ソーシャル・ウェブサイトで行動主義を行いなさい」と述べている[2]

W3Cはソーシャル・ウェブアプリケーションの相互運用性に関する標準を開発するために、2014年7月に新たな社会活動を開始した[3]

採用・運用されている主なサービス[編集]

脚注[編集]

  1. ^ David Recordon (2008年10月9日). “"Blowing Up" Social Networks by Going Open”. 2019年1月10日閲覧。
  2. ^ An Introduction to the Federated Social Network”. Electronic Frontier Foundation (2011年3月21日). 2019年1月10日閲覧。
  3. ^ W3C Launches Push for Social Web Application Interoperability”. W3C (2014年7月21日). 2019年1月10日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]