函館市交通局710形電車

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函館市交通局710形電車
721号車
721号車
基本情報
製造所 新潟鐵工所
主要諸元
軌間 1,372 mm
電気方式 直流 600V
最高運転速度 40 km/h
車両定員 90人(うち座席32)
車両重量 14.8t
全長 12,240 mm
全幅 2,342 mm
全高 3,700 mm
主電動機 50kW×2
駆動方式 吊掛式
制御装置 抵抗制御
(単位スイッチ式間接自動加速制御)
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函館市交通局710形電車(はこだてしこうつうきょく710がたでんしゃ)は、1959年に登場した函館市交通局(現在の函館市企業局交通部。函館市電)の路面電車車両である。8000形と同じく函館市電の主力車両である。

概要[編集]

1959年に登場し、1961年までの間に14両が製造された。

車体[編集]

車体設計は700形を元にしているが、東京都電8000形の影響も受けている。前扉は2枚引戸、中扉は片開きの2扉車で、側窓は上窓Hゴム固定、下窓上昇式のいわゆる「バス窓」である。前面及び側面の窓上に方向幕を備えるが、711 - 714の初期に製造された車両には側面の窓上の方向幕は装備されていなかった。ただし、側面の窓上の方向幕は現在使用されておらず、方向幕窓のガラス部分を局章と社番を表記した鉄板に置き換えている車両や、方向幕窓自体を鉄板で溶接し閉塞している車両もある。

登場時の標準塗色は上半部アイボリー、下半部アイスランドグリーンであった。本形式と同様の車体は、800形706形でも採用された。

機器[編集]

制御方式は間接自動制御で、力行3ノッチ、ブレーキ3ノッチが刻まれる。台車は住友金属工業のFS77-A。

製造[編集]

720号車
719号車

14両全車が新潟鐵工所で製造された。

  • 711 - 714 / 1959年5月
  • 715 - 720 / 1960年5月
  • 721 - 724 / 1961年10月

改造[編集]

ワンマン化改造[編集]

全車1967年10月にワンマン化改造を実施した。

暖房取付[編集]

全車1970年10月に灯油燃焼式の暖房を取付けた。

車体更新[編集]

車体更新された711号車(右側)
廃車後に車体から分離された711号車の台車

多数の余剰人員を抱えていた国鉄五稜郭車両所側からの働き掛けもあり、1985年7月に711の車体を大型の前面方向幕を有する軽快電車風の車体へ載せ替える車体更新が行われた。MGCPを交換したほか、暖房機を灯油燃焼式からヒーター式のものに交換した以外は、台車および制御機器類は711の部品がほぼそのまま用いられており、車籍や車番も711のまま引き継がれている。

この711は2010年3月で定期運用を離脱、廃車解体となった。[1][2]

事故[編集]

運用[編集]

超低床車2車両以外の車両と基本的には共通運用である。

特別運行[編集]

2013年6月29日は函館の路面電車が開通してから100年の節目であることから、723号は排4号39号530号9602号とともに『100年間の電車大行進』と題して5両が一列になって全線を練り歩くというイベントに参加した。なお翌日の始発前にも同様の方法で『モーニング電車大行進』が行われた。さらに723号と530号は『臨100系統』として函館どっく前谷地頭間を直行するイレギュラーな運行も行われた。[5]

広告塗装[編集]

函館市電の多くの車両には各種企業などの全面広告が施されている。以下に、710形に現在施されている広告主を示す。[6]なお、724号は函館市電の車両で最初に広告電車化された車両であった。[7]

廃車[編集]

  • 724 / 2018年3月。9604への代替による。[7]現在も構内の奥でパンタグラフなど主要部品を外された状態で留置中。
  • 722 / 2014年3月。9603への代替による。廃車後、函館市西桔梗町の竹田運輸が購入し、社員の休憩場所として活用している。[8][9]
  • 711 / 2010年3月。9602への代替による。同年12月に車庫内で解体された。部品は同型車両の予備部品として使われている模様。[2]
  • 712 / 1994年3月。20023002への代替による。
  • 713 / 1985年5月。
  • 714 / 1979年3月。五稜郭駅前線廃止に伴い余剰で廃車。
  • 717 / 1973年10月。1971年12月の事故で台車を損傷し、台車の購入が目処が立たず廃車。

脚注[編集]

  1. ^ 1000形電車と711号車が引退します Archived 2010年3月30日, at the Wayback Machine.
  2. ^ a b https://yashimai.exblog.jp/15204180/
  3. ^ 北海道新聞 2015年12月29日
  4. ^ 千歳町電停付近で市電が脱線 函館新聞 2015年12月30日
  5. ^ “函館市電の顔が勢揃い、100周年記念イベントレポート- あなたのテーマでディープな函館”. 函館市公式観光情報サイトはこぶら. https://www.hakobura.jp/deep/2013/07/100.html 2018年11月18日閲覧。 
  6. ^ 車両のご紹介(函館市電) | 函館市”. www.city.hakodate.hokkaido.jp. 2019年1月20日閲覧。
  7. ^ a b 市電初の広告電車724号車がさよなら運行 ファン別れ惜しむ / 函館新聞電子版」『函館新聞電子版』。2018年11月18日閲覧。
  8. ^ http://www.ehako.com/news/news2015a/8682_index_msg.shtml
  9. ^ 市電722号 解体一転、保存…竹田運輸が購入 | 2015/3/21 函館新聞社/函館地域ニュース - e-HAKODATE」『e-HAKODATE』。2018年11月18日閲覧。

参考文献[編集]