凶悪 (映画)

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凶悪
監督 白石和彌
脚本 高橋泉
白石和彌
原作 新潮45編集部編
『凶悪 -ある死刑囚の告発-』
製作 鳥羽乾二郎
十二村幹男
赤城聡
千葉善紀
永田芳弘
齋藤寛朗
製作総指揮 由里敬三
藤岡修
出演者 山田孝之
ピエール瀧
リリー・フランキー
池脇千鶴
音楽 安川午朗
撮影 今井孝博
編集 加藤ひとみ
製作会社 日活
ハピネット
フラミンゴ
カズモ
ディーライツ
配給 日本の旗 日活
公開 日本の旗 2013年9月21日
上映時間 128分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 2億円強[1]
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凶悪』(きょうあく)は2013年日本映画ノンフィクションベストセラー小説『凶悪 -ある死刑囚の告発-』(新潮45編集部編、新潮文庫刊、ISBN 4101239185)を原作とした社会派サスペンス・エンターテインメント映画[2]であり、白石和彌監督の初の長編作品[3]でもある。

原作は、実際に起きた凶悪殺人事件「上申書殺人事件」を基に、獄中の死刑囚が告発した殺人事件の真相を新潮45編集部が暴き、首謀者逮捕に至るまでを描いた犯罪ドキュメント[2]であり、2009年の文庫化で10万部を超えるベストセラーとなった他、2011年12月にはフジテレビ系バラエティ番組『奇跡体験!アンビリバボー』で紹介された[2]

第37回モントリオール世界映画祭フォーカス・オン・ワールド・シネマ部門に出品されることが決まった[4]

2013年12月6日から8日にかけてアメリカ合衆国・ロサンゼルスで開催されたLA EigaFest 2013で招待作品として上映された[5]

ストーリー[編集]

スクープ雑誌「明潮24」に東京拘置所に収監中の死刑囚・須藤から手紙が届く。記者の藤井は上司から須藤に面会して話を聞いて来るように命じられる。藤井が須藤から聞かされたのは、警察も知らない須藤の余罪、3件の殺人事件とその首謀者である「先生」と呼ばれる男・木村の存在だった。木村を追いつめたいので記事にして欲しいという須藤の告白に、当初は半信半疑だった藤井も、取材を進めるうちに須藤の告発に信憑性があることを知ると、取り憑かれたように取材に没頭して行く。

キャスト[編集]

  • 藤井修一 - 山田孝之: スクープ雑誌「明潮24」の記者。モデルは『新潮45』編集部の宮本太一
  • 須藤純次 - ピエール瀧: 死刑囚。元暴力団組長[6]
  • 木村孝雄 - リリー・フランキー: 「先生」と呼ばれている不動産ブローカー。
  • 藤井洋子 - 池脇千鶴: 藤井の妻。認知症の姑の介護に疲れ果てている。
  • 牛場百合枝 - 白川和子: 被害者の妻。夫・悟の殺害を木村たちに依頼。
  • 藤井和子 - 吉村実子: 藤井の母。認知症。
  • 五十嵐邦之 - 小林且弥: 須藤の舎弟。須藤に心酔している。
  • 日野佳政 - 斉藤悠: 木村から須藤に託された舎弟。
  • 田中順子 - 範田紗々: 日野の交際相手。
  • 佐々木賢一 - 米村亮太朗: 須藤のムショ仲間。須藤を裏切って殺される。
  • 遠野静江 - 松岡依都美: 須藤の内縁の妻。
  • 牛場悟 - ジジ・ぶぅ: 牛場電機設備の経営者。借金まみれの呑んだくれ。
  • 芝川理恵 - 村岡希美: 「明潮24」編集長。藤井の上司。モデルは当時の『新潮45』編集長の中瀬ゆかり
  • 森田幸司 - 外波山文明: 森田土建社長。木村の共犯。事故で植物状態に。
  • 牛場利明 - 廣末哲万: 悟の娘婿。舅の殺害を木村たちに依頼。
  • 福森孝 - 九十九一: 木村の共犯。身寄りのない老人を探して木村に紹介。
  • 牛場恵美子 - 原扶貴子: 悟と百合枝の娘。利明の妻。

スタッフ[編集]

作品の評価[編集]

冷酷な不動産ブローカー役を演じたリリー・フランキーは、ほぼ同時期に公開された『そして父になる』では暖かな家庭の父親役を演じており、演技の振れ幅が話題となった[7][8]

興行収入[編集]

興行通信社が2013年9月24日に発表した全国映画動員ランキングによれば、全国78スクリーンで公開され、土日2日間の成績は動員24,543人、興収33,687,500円を記録し、初登場8位となった[9]。また、公開から11日で興収が1億円を超えたことが発表された[10]。2014年2月時点で2億円強の興収となり、年を超えてロングラン上映された[11]

受賞[編集]

海外映画祭[編集]

ロサンゼルスで開催されている「LA EigaFest 2013」にて招待作品として上映された。

DVD/ブルーレイ[編集]

「キャストバージョン」と「原作バージョン」の2種類のオーディオコメンタリーを収録したDVDとブルーレイが2014年4月2日に発売(レンタル版には未収録)[29]。「キャストバージョン」には山田孝之ピエール瀧リリー・フランキー、白石和彌監督が、また「原作バージョン」には原作者の宮本太一、記事掲載時の編集長だった中瀬ゆかり、白石和彌監督が参加し、それぞれ撮影時の苦労話や記事発表当時の様子が語られている[29]

参考文献[編集]

  1. ^ キネマ旬報」2014年2月下旬決算特別号 200頁
  2. ^ a b c 小松芙未 (2012年11月28日). “実話小説「凶悪」が映画化 故・若松監督の弟子・白石和彌のメガホンで”. シネマトゥデイ. http://www.cinematoday.jp/page/N0048143 2013年1月29日閲覧。 
  3. ^ 小松芙未 (2013年1月29日). “山田孝之×ピエール瀧×リリー・フランキーで実話「凶悪」映画化”. シネマトゥデイ. http://www.cinematoday.jp/page/N0049766 2013年1月29日閲覧。 
  4. ^ 市川遥 (2013年7月12日). “山田孝之×ピエール瀧×リリー・フランキー『凶悪』がモントリオール世界映画祭に正式出品!”. シネマトゥデイ. http://www.cinematoday.jp/page/N0054731 2013年7月12日閲覧。 
  5. ^ LA EigaFest2013 FilmLine-Up"The Devil's Path 凶悪"”. LA EigaFest2013. 2015年9月26日閲覧。
  6. ^ “山田孝之:週刊誌記者に 若松監督の愛弟子と主演映画”. 毎日新聞. (2013年1月29日). http://mainichi.jp/sponichi/news/20130129spn00m200016000c.html 2013年1月29日閲覧。 
  7. ^ “「凶悪」「そして父になる」で見せるリリー・フランキーの“振れ幅”が話題”. 映画.com. (2013年9月26日). http://eiga.com/news/20130926/12/ 2013年10月22日閲覧。 
  8. ^ “話題の映画2作登場のリリー・フランキー その落差に衝撃 ”. マイナビニュース. (2013年10月22日). http://news.mynavi.jp/news/2013/10/22/265/ 2013年10月22日閲覧。 
  9. ^ “『怪盗グルー』続編が首位デビュー!『凶悪』『エリジウム』も初登場【映画週末興行成績】”. シネマトゥデイ. (2013年9月25日). http://www.cinematoday.jp/page/N0056713 2013年9月25日閲覧。 
  10. ^ “「凶悪」の白石監督、興収1億円突破に「お客さんを信じて良かった」”. 映画.com. (2013年10月3日). http://eiga.com/news/20131003/13/ 2013年10月3日閲覧。 
  11. ^ 「2013年 日本映画・外国映画業界総決算」、『キネマ旬報(2月下旬決算特別号)』第1656号、キネマ旬報社2014年、 200頁。
  12. ^ 第5回TAMA映画賞”. 第23回映画祭TAMA CINEMA FORUM. 2013年10月14日閲覧。
  13. ^ 映画『凶悪』新藤兼人賞2013【金賞】、白石和彌監督が受賞!”. CINEMA TOPICS ONLINE. 2013年11月18日閲覧。
  14. ^ “白石和彌監督「攻め時が来た」若松イズム意識…報知映画賞”. スポーツ報知. (2013年11月28日). http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20131128-OHT1T00012.htm 2013年11月28日閲覧。 
  15. ^ “ピエール瀧、役柄ピタリ!肩書は「無職です」…報知映画賞”. スポーツ報知. (2013年11月28日). http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20131128-OHT1T00013.htm 2013年11月28日閲覧。 
  16. ^ “池脇千鶴「え、何事?」また「タナボタ」で助演女優賞…報知映画賞”. スポーツ報知. (2013年11月28日). http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20131127-OHT1T00264.htm 2013年11月28日閲覧。 
  17. ^ 2013年日本映画個人賞”. 第35回ヨコハマ映画祭. 2013年12月7日閲覧。
  18. ^ 2013年日本映画ベストテン”. ヨコハマ映画祭. 2013年12月7日閲覧。
  19. ^ “「脱力役者」リリー助演賞/映画大賞”. 日刊スポーツ. (2013年12月10日). http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp1-20131210-1229362.html 2013年12月10日閲覧。 
  20. ^ 2013年 第87回キネマ旬報ベスト・テン「日本映画ベスト・テン」”. KINENOTE. 2014年1月9日閲覧。
  21. ^ 2013年 第87回キネマ旬報ベスト・テン「個人賞」”. KINENOTE. 2014年1月9日閲覧。
  22. ^ 第37回日本アカデミー賞優秀作品発表!”. 日本アカデミー賞公式サイト. 2014年3月7日閲覧。
  23. ^ “第68回毎日映画コンクール発表!『舟を編む』が日本映画大賞”. シネマトゥデイ. (2014年1月21日). http://www.cinematoday.jp/page/N0059819 2014年1月21日閲覧。 
  24. ^ “高崎映画祭:最優秀作品賞、森崎監督「ペコロスの母に会いに行く」最優秀監督賞に是枝氏/群馬”. 毎日新聞. (2014年1月18日). http://mainichi.jp/area/gunma/news/20140118ddlk10200116000c.html 2014年1月21日閲覧。 
  25. ^ “助演男優賞のピエール瀧「特殊効果の」役者に…ブルーリボン賞”. スポーツ報知. (2014年1月23日). http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20140123-OHT1T00023.htm 2014年1月23日閲覧。 
  26. ^ ムービープラス・アワード 2013”. ムービープラス. 2014年1月26日閲覧。
  27. ^ 「映画芸術」2013年日本映画ベストテン&ワーストテン決定!!”. 映画芸術 (2014年1月17日). 2014年1月28日閲覧。
  28. ^ “第23回東スポ映画大賞が決定!たけしのエンタメ賞特別賞にはタモリ”. 東京スポーツ. (2014年1月27日). http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/228268/ 2014年1月29日閲覧。 
  29. ^ a b “「凶悪」オーディオコメンタリーで、原作者らが当時の裏話を濃密に語る”. 映画.com. (2014年3月12日). http://eiga.com/news/20140312/10/ 2014年3月14日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]