冠動脈

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心臓を前から見た図。右冠動脈および左冠動脈の前部の下行枝を示す。

冠動脈(かんどうみゃく、coronary artery)は、大動脈起始部のバルサルバ洞に端を発し、心筋酸素を供給する動脈のことである。冠状動脈とも言う。

概要[編集]

冠動脈は、心臓の上にのように乗っている血管(動脈)である。心臓を取り囲むようにして走っており、主に右冠動脈(Right coronary artery; RCA)、左冠動脈前下行枝(Left anterior descending coronary artery; LAD)、左冠動脈回旋枝(Left circumflex coronary artery; LCX)であり、特にLADとLCXに分かれる前の冠動脈を左冠動脈主幹部(Left main trunk; LMT or LM or MT)と呼ぶ。

  • 右冠動脈(RCA)は洞房結節房室結節右心室、心臓の後壁および下壁を栄養している。
  • 左冠動脈前下行枝(LAD)は心室中隔、心臓の前壁、心尖部を栄養している。
  • 左冠動脈回旋枝(LCX)は心臓の左側壁、左後壁を栄養している。

これらの各枝の栄養領域についてはある程度の個人差があり、右冠動脈優位型(60%)、左冠動脈優位型(30%)、左右均衡型(10%)の3つのパターンに大別される。

心臓はと並んで、人体の中でも酸素の需要が多い臓器の1つである。もし冠動脈で動脈硬化を起こして、冠動脈の狭窄や閉塞が起こると、心筋へ十分な酸素が供給できなくなって重篤な疾患(虚血性心疾患)に陥る場合がある。

血液の流れ方の特徴[編集]

冠動脈は、他の動脈と違い、心臓の収縮期にその血流は減少し、拡張期に血流が流れる、という性質を持つ。これは、

  • 心筋収縮により血管が圧迫され循環抵抗が増すこと。
  • 大動脈からのバックラッシュで戻って来た血液が、閉じた大動脈弁に遮られ、冠動脈に流入してゆく。

などの理由による。なお、後者の理由により、心臓弁膜症(大動脈弁閉鎖不全症)や大動脈の動脈硬化は、うっ血性心不全へと至りやすい。

関連項目[編集]