再現性

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再現性(さいげんせい、: reproducibility)とは、実験を繰り返したときに一貫した結果が得られる程度[1]

概説[編集]

再現性というのは、何らかの実験繰り返したときに、一貫した結果が得られる程度を指す概念である[1]

例えば(あくまで 「例えば」であるが)ある科学雑誌Nに、科学者Pによって発表された ある科学論文に「対象XをxグラムおよびYをyグラム用意して(Cという条件や手法を用いて)aという温度まで加熱するという実験を行ったら、Mという物質がmグラム生成した。」などと書かれていた場合に、(別の実験者Qが)XやYを同量用意し、Cやaを当該論文と全く同一になるようにして実験を行った場合に、Mという物質がmグラム生成する結果が得られたのは、何回中何回なのか(100回中96回なのか、100回中10回なのか、100回中0回(1回も再現しなかった)なのか、という程度を示す概念である。(また、Mという物質がmグラムでなく、nグラム生成し、論文とは何パーセント異なる量で生成したのか、何割程度異なる量でしか生成しなかった、というような程度も指しうる)

また再現性というのは(上記のような、まったく同一の条件での再実験を指すばかりでなく)、実験で得られた結果が ただの人為的な産物(たまたまある測定のやりかたを選んだことによって生じてしまった人為的な産物)にすぎないかどうか確認するために、同一測定対象をあえて異なった条件下で測定する、というような場合も含みうる。[2][3]

関連する概念に「replication複製可能性」があり、サンプル・研究手順・データ分析手法に違いがあるとき、少なくとも類似しているが同一でない結果を、独立して達成する能力を意味する[要出典][4][5]。再現性と複製可能性は共に「科学的手法[注釈 1]」の主要な信念である[4][6]。再現された測定値は、研究者によって提供された生データやコンピュータ・プログラムに基づいていてもよい[4]。再現性というのは、メタサイエンス英語版において重要なテーマである[4][7]。対立概念は、事象が再現しないことであり「一回性」「再現不可能性」などと呼ばれる[要出典]

異なる実験から得られた値が、同様の再現性のある実験の説明と手順にしたがって得られたとき、「commensurate(相応する[注釈 2])」という[4][8]。特定の実験的値は、異なる場所・異なる人物により複製された標本で測定された値または観測値に高い一致度がある場合、すなわち、実験値が高い精度を持つと判断できる場合に、「再現性がある」と言う[4][9]。どちらも再現性の重要な特徴である[4]

科学における不正行為の増加と再現性の検証の必要性の増加

科学における不正行為は増加する傾向にあり、科学者が ねつ造した内容(本当は実験で起きていないことを、あたかも起きたかのように装って書いた、ただの嘘の内容)を科学雑誌で発表することは増えてきているので、科学論文に実験のことが書かれていてもそれを言葉通りに信用するわけには全くいかず、その実験が本当に行われ、本当に論文に書かれている通りの結果を生むのか、ということを(論文投稿者以外の第三者たちが)確かめる必要性は次第に増してきている。2009年には科学者の2%が、少なくとも一度は(自身が)《研究のねつ造》(=科学における不正行為の一種)を行い、科学者の14%は そのようなねつ造を行った人を個人的に知っていることを認めた[10]

2016年に行われた 1500人の科学者を対象にした調査によれば、70%の研究者が他の科学者の実験の再現に失敗した(つまり、再現性が無く、第三者から見て論文内容に《科学における不正行為》の疑いが高まっている状態)。(さらに深刻なことに)50%の研究者は自身の研究の再現にも失敗している。[11](つまり、《科学における不正行為》に関して非常に怪しく、それどころか、そもそも本人が最初から実験を行っておらず、はじめからただのデタラメを書いた論文を科学雑誌に投稿した可能性が高い、ということ)。 

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ ただし、理想的な手法は、研究する領域や分野によって、少なからず異なる。
  2. ^ 訳注:対応する和訳を発見できなかったため、英名を併記。和名は単なる直訳。

出典[編集]

  1. ^ a b Oxford Dictionaries "reproducibility" 1.1
  2. ^ JCGM 100:2008. Evaluation of measurement data – Guide to the expression of uncertainty in measurement, Joint Committee for Guides in Metrology, (2008), http://www.bipm.org/utils/common/documents/jcgm/JCGM_100_2008_E.pdf 
  3. ^ Taylor, Barry N.; Kuyatt, Chris E. (1994), NIST Guidelines for Evaluating and Expressing the Uncertainty of NIST Measurement Results Cover, Gaithersburg, MD, USA: National Institute of Standards and Technology, https://www.nist.gov/pml/nist-technical-note-1297 
  4. ^ a b c d e f g Reproducibility - 07:18, 9 May 2019
  5. ^ Leek, Jeffrey T; Peng, Roger D (February 10, 2015). “Reproducible research can still be wrong: Adopting a prevention approach”. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 112 (6): 1645–1646. arXiv:1502.03169. Bibcode2015PNAS..112.1645L. doi:10.1073/pnas.1421412111. PMC: 4330755. PMID 25670866. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4330755/. 
  6. ^ F., Repko, Allen (1959). Interdisciplinary research : process and theory. Szostak, Rick (Third ed.). Los Angeles. ISBN 9781506330488. OCLC 936687178. 
  7. ^ Metascience: Reproducibility blues” (英語). Nature. pp. 619–620 (2017年3月29日). doi:10.1038/543619a. 2019年5月9日閲覧。
  8. ^ Definition of COMMENSURATE”. Definition of Commensurate by Merriam-Webster (2019年1月9日). 2019年1月9日閲覧。
  9. ^ Subcommittee E11.20 on Test Method Evaluation and Quality Control (2014), Standard Practice for Use of the Terms Precision and Bias in ASTM Test Methods, ASTM International, ASTM E177, http://www.astm.org/Standards/E177.htm (Paid subscription required要購読契約)
  10. ^ Fanelli, Daniele (29 May 2009). “How Many Scientists Fabricate and Falsify Research? A Systematic Review and Meta-Analysis of Survey Data”. PLOS ONE 4 (5): e5738. doi:10.1371/journal.pone.0005738. PMC: 2685008. PMID 19478950. http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0005738. 
  11. ^ Baker, Monya (26 May 2016). 1,500 scientists lift the lid on reproducibility. 533. pp. 452–454. doi:10.1038/533452a. http://www.nature.com/news/1-500-scientists-lift-the-lid-on-reproducibility-1.19970?WT.mc_id=SFB_NNEWS_1508_RHBox. 

関連項目[編集]