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内臓リーシュマニア症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
内臓リーシュマニア症
別称 カラ・アザール[1]、黒熱病[2]、ダムダム熱[3]
Leishmania donovani
発音 Kala-azar: (イギリス: [ˌkɑːlə əˈzɑːr]
概要
症状 発熱、体重減少肝臓と脾臓の肥大[1]
原因 L. donovani, L. infantum[4]
診断法 症状に基づき、血液検査で裏付けられる[1]
合併症 赤血球減少カラ・アザール後の皮膚リーシュマニア症[1]
予防 防虫剤防虫網[1]
治療 リポソーマルアムホテリシンBスチボグルコン酸ナトリウムパロモマイシン[4]
頻度 年間50,000~90,000人[1]
死亡数・ 6,000人 (2019年)[5]
分類および外部参照情報

内臓リーシュマニア症(ないぞうリーシュマニアしょう、: Visceral leishmaniasisVL)または、カラ・アザール: kala-azar)としても知られている、最も重症な形態のリーシュマニア症である[1]

症状には、発熱体重減少赤血球の減少肝臓と脾臓の腫脹英語版などがあげられる[1]。合併症には、カラ・アザール後の皮膚リーシュマニア症などがあげられる[1]。治療しなかった場合の致死率は95%で、毎年推定5万‐9万人が罹患しているが診断もされずに死亡していると見られ、マラリアに次ぐ死亡者数を引き起こしていると見られている。第一選択薬のAmphotericin Bは、副作用が強く、長期間幾度も注射を打たれることとなるため、脾臓の腫れやRK39 rapid testを使用した初期診断と予防が推奨される[6][7]

原因はリーシュマニア 属の寄生虫であり、特にアジアとアフリカではL. donovani、南米や中東ではL. infantumが原因である[2][4]。特定の種類のサシチョウバエによって拡散される[1]。重度の疾患の危険因子には、HIVがあげられる[8]。診断は、症状に基づき、血液検査によって裏付けられる[1]

予防するための取り組みには、サンチョウバエの排除または避けることである[1]。治療には、リポソーマルアムホテリシンBがよく用いられるが、アフリカではスチボグルコン酸ナトリウムパロモマイシンがより効果的であるが副作用もより大きい[4]。また、ミルテホシンが使用される場合もある[4]。一般的に治療を受けなかった場合は死に至る[1]

内臓リーシュマニア症が最も一般的にみられるのは、インド、東アフリカ、ブラジルである[1]。ほとんどの場合が集団発症であり、年間50,000人から90,000人が罹患する[1]。2019年には、約6,000が死亡した[5]。1922年にウペンドラナート・ブラフマチャリ英語版が尿素スチバミンを製造したことにより効果的な治療ができるようになった[9]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Leishmaniasis” (英語). www.who.int. 2019年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月16日閲覧。
  2. ^ a b Burza, S; Croft, SL; Boelaert, M (15 September 2018). “Leishmaniasis.”. Lancet (London, England) 392 (10151): 951-970. doi:10.1016/S0140-6736(18)31204-2. PMID 30126638. 
  3. ^ Nazzaro, Gianluca; Rovaris, Marco; Veraldi, Stefano (1 November 2014). “Leishmaniasis: A Disease With Many Names”. JAMA Dermatology 150 (11): 1204. doi:10.1001/jamadermatol.2014.1015. 
  4. ^ a b c d e van Griensven, J; Diro, E (March 2019). “Visceral Leishmaniasis: Recent Advances in Diagnostics and Treatment Regimens.”. Infectious disease clinics of North America 33 (1): 79-99. doi:10.1016/j.idc.2018.10.005. PMID 30712769. 
  5. ^ a b Visceral leishmaniasis — Level 4 cause” (英語). Institute for Health Metrics and Evaluation (2020年10月15日). 2023年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月16日閲覧。
  6. ^ Kumari, Shobha; Kumar, Vikash; Tiwari, Ritesh Kumar; Ravidas, Vidyanand; Pandey, Krishna; Kumar, Ashish (2022-11-01). “Amphotericin B: A drug of choice for Visceral Leishmaniasis”. Acta Tropica 235: 106661. doi:10.1016/j.actatropica.2022.106661. ISSN 0001-706X. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0001706X22003539. 
  7. ^ The motorcyclist fighting a deadly disease in the African bush” (英語). www.bbc.com (2025年12月18日). 2025年12月21日閲覧。
  8. ^ WHO guideline for the treatment of visceral leishmaniasis in HIV co-infected patients in East Africa and South-East Asia” (英語). www.who.int. 2023年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月16日閲覧。
  9. ^ Saha, P; Chaudhury, A; Maji, AK (July 2021). “Sir U.N. Brahmachari and his battle against Kala-Azar.”. Tropical Parasitology 11 (2): 89–91. doi:10.4103/tp.tp_48_21. PMC 8579769. PMID 34765528. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8579769/.