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内核

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
地球内部における地震波の伝播速度の違い(IASP91モデル)。地下2,900キロメートル (km) 及び5,100 km付近で伝播速度が急激に変化している。

内核(ないかく、: inner core)とは、地球の内部の層の一つ。

概要

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のうち、中心に近いものを言う[1]。地球の中心部を占め、地下およそ5,100キロメートル (km) から6,400 kmに位置し、固体であると考えられている。

内核は、地球の中心にある半径約3,500 kmの核のうち、中心の半径約1,200 kmの部分である[1]。地球の最深部であるため構造は良くわかっていないが、ニッケルなどからなる固体であり、不均質で球対称ではないと推測されている。内核の温度は5,000ケルビン (K) から6,000 Kと推定されるが[1]、この様な高温にもかかわらず圧力が360ギガパスカル (GPa) 以上と極めて高いため、鉄が固体として存在していると見られている内核は外核の冷却によって鉄が固化し落下してできたもので、現在も成長中であると考えられている[2]

内核は独立して回転していると考えられているが、詳細は分かっていない[3]

地球内部の構造は掘削して調べることは不可能なため、地球内部における地震波の伝播速度のデータから数理モデルを構築する手法によって推定されている[3]。地震波の伝播速度は地下2,900 km及び5,100 km付近で急激に変化しており、内部構造の違いを表していると推測される。このことは、1936年デンマーク地震学者インゲ・レーマンが発見したため、内核と外核の境界面はレーマン不連続面と呼ばれている。なお、地震波にはP波S波があるが、このうちS波は液体内を伝わらないので、地下2,900 kmから5,100 km(外核)は液体で、地下5,100 km以上(内核)は固体であると考えられている。

外核が液体であるため、探査機を沈降させる構想もある[4][5]

脚注

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  1. ^ a b c 東京工業大学; 独立行政法人海洋研究開発機構地球内部ダイナミクス領域; 財団法人高輝度光科学研究センター地球中心部の物質を突き止める -内核と同じ超高圧高温環境で実験-』(PDF)2010年10月14日。オリジナルの2014年3月13日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20140313181040/jamstec.go.jp/ifree/j/topics/pdf/20101015.pdf2014年3月13日閲覧 
  2. ^ コアのダイナミクス”. 東京大学理学部地球惑星物理学科. 2014年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月13日閲覧。
  3. ^ a b 地球の内核、逆回転し始めた可能性 英科学誌に論文”. www.afpbb.com. 2023年1月25日閲覧。
  4. ^ コアのはなし”. AIST(産総研). 2013年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月10日閲覧。
  5. ^ 中島善人. "Core Project; 固体惑星深部の直接探査計画." 物性研究 57.4 (1992): 540-586.

関連項目

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外部リンク

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