兼愛交利

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兼愛交利(けんあいこうり)とは、中国春秋時代の末期から戦国時代の初期にかけて、諸子百家のなかで墨家を大成した墨子が唱えた倫理説。儒教批判を含んでいる。

概要[編集]

墨子は、「天下の利益」は平等から生まれ、「天下の損害」は差別から起こるという前提に立ち、孔子による、にもとづく家族や長たる者のみを強調する差別的な愛(別愛)、限定的な愛(偏愛)であるとして批判し、自他の別なく全ての人を平等に、公平に隔たりなく愛すべきであるという博愛主義を唱えた。これが「兼(ひろ)く愛する」、すなわち「兼愛」である。兼愛は結果的に互いの福利を増進することとなるのであり、そのことを「交利」と呼んでいる。こうして墨子は、互いに互いの利益を考え、実践することから道徳が成り立つことを説いた。