六角精児の呑み鉄本線・日本旅

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六角精児の呑み鉄本線・日本旅
ジャンル 旅番組鉄道番組
出演者 六角精児
ナレーター 壇蜜
エンディング 六角精児バンド「ディーゼル」
製作
プロデューサー 渋谷義人、小池明久
越野政司、菅原健一
藤﨑謙
制作 日本放送協会
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
公式サイト
第1回放送
放送期間2015年4月12日
放送時間日曜 22:50 - 23:49
放送分59分
第2回 -
放送期間2015年8月23日 - 現在
放送時間不定期
放送分59分
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六角精児の呑み鉄本線・日本旅』(ろっかくせいじののみてつほんせんにほんたび、通称:呑み鉄本線、呑み鉄)は、NHK BSプレミアムにて2015年春から放送されている日本のテレビ番組で、鉄道紀行番組。2022年春からはNHK BS4Kでの放送も始まっている。俳優ミュージシャンでもある六角精児の初の冠番組でもある。放送される曜日、時間などは決まっておらず、年に4本のペースで放送されている。年末年始にはNHK総合などで集中的に再放送されることもある。

概要[編集]

鉄道ファンのジャンルとして「乗り鉄」、「撮り鉄」などの言葉は一般的であったが、「呑み鉄」という言葉の知名度を定着させた番組といえる。

呑み鉄とは、酒を飲みながら列車旅を楽しむ意だが、この番組ではそれをさらに広げ、車内で飲むだけでなく、鉄道の沿線にある地酒の酒蔵巡りや、訪れた地の居酒屋で酒を飲みながら地元の人と語らう。鉄道、そして音楽を愛する旅人・六角精児が、日本各地のローカル線を1泊2日で一人旅をする[注釈 1]。 その土地土地で育まれた日本酒焼酎、時にはワインウイスキー酒蔵を訪ね、地酒を(主に試飲で)味わい、列車の中では缶ビールを片手に風景を愛で、時折廃線になった鉄道遺産を訪ねる。

民放バラエティー系の鉄道、旅番組にあるような「○千円以内で旅をしろ」とか「タクシーはダメ」とかの、いわゆるTV的におもしろくするためのルールなどは一切なく、普通の旅人と同じような感覚で、六角精児が好きなところで列車に乗り、好きなところで降り、気の向くままに旅をする。なので鉄道の沿線に見たい物(主に廃線になった鉄道遺産など)があれば、タクシーやバスも積極的に使う。これは六角精児本人が自動車の免許を持っていないため[1]に、普段の鉄道旅でもそうしているからである。天気が良く、朗らかな気候で、バスもタクシーもないときにはひたすら歩くこともある[注釈 2]

番組内で使用する音楽へのこだわりが強く[2]、列車走行シーンなどで使われる音楽はすべて六角精児がセレクトした曲である。カントリーフォークブルース系のギターサウンドの曲が多いのが特徴。特に番組の初期はライ・クーダー下田逸郎、そして六角精児バンドが定番だった。列車走行シーンで使われる曲はBGM(バックグラウンドミュージック)というサブ的な扱いではなく、鉄道旅を盛り上げる主役として扱われる。そのため曲がかかっている時には列車の走行音が消されていることも多い。洋楽、邦楽、メジャー、インディーズを問わずそのシーンに合う曲をこだわって使っている[3]

BGMにこだわりがあるため著作権の問題で長年DVD化されていなかったが2021年7月に第1弾から第21弾までをコンプリートした7枚組のDVDが発売された[4]。ただ著作権クリアできない楽曲(主に洋楽)に関しては別の曲に差し替えられている。

旅をする路線は基本は、単線非電化路線が多い。これは六角精児が電車よりも気動車ディーゼル動車)のエンジン音や振動に、より鉄道旅の旅情を感じるからで、番組のテーマ曲として使われている六角精児バンドの曲も「ディーゼル」である。

ナレーションは、「好きな俳優は六角精児」と言う[5]女優タレント壇蜜が担当し、比較的出演者の年齢層が高くなりがちな番組を華やかにしている。本放送の翌月に再放送されることが多い[注釈 3]。番組名は「呑み鉄本線」で「本線」とついているが、旅する路線はJR線の「本線」よりも、「支線」や「私鉄」、「第三セクター」が多い。

番組の放送時間は59分だが、2022年3月放送の「がんばれ東北・三陸鉄道を呑む!」と2022年7月放送の「サンライズ&四国の鉄道を呑む!」の回は89分で放送された。

出演者[編集]

六角精児
1962年生まれ。鉄道音楽をこよなく愛するこの番組の唯一の旅人である。劇団扉座の中心俳優として舞台やドラマで活躍する傍ら、ギャンブルに溺れ借金を作ってしまう20 - 30代を過ごす[6]。「ギャンブル以外の趣味を持たなければ身を滅ぼす」と、子どもの頃から好きだった鉄道を改めて趣味にすることを誓い、それ以来、時間ができれば鉄道に乗り、旅をしていた[7]。鉄道の廃線跡にもロマンを感じ、旅した路線の沿線に廃線跡があれば訪れている。俳優業と並行して音楽活動も行っていて「六角精児バンド」を結成し、下北沢を中心に精力的にライブ活動を行っている。オリジナル楽曲の中には六角精児が作詞、作曲を手がけた曲もある。2014年に自主製作でアルバム「石ころ人生」を発表。番組のメインテーマとなっている曲「ディーゼル」は「石ころ人生」収録曲である。番組挿入曲として特に人気の高い曲「お父さんが嘘をついた」は六角精児が作詞、作曲を手がけた曲である[8]。2017年にはこの番組がきっかけで尊敬するシンガーソングライターの下田逸郎とコラボレーションしたアルバム「六角精児と下田逸郎 唄物語 緑の匂い」をリリースしている[9]。2019年12月18日には六角精児バンドのセカンドアルバム「そのまま生きる」を、2022年4月20日に六角精児のソロ・カバーアルバム「人は人を救えない」を発表[10]

スタッフ[編集]

  • プロデューサー:藤﨑謙、菅原健一
  • 構成:北村のん
  • ディレクター:中田一宏
  • リサーチ:新井和明、清水達也
  • カメラ:岸正浩、福田良弘 ほか
  • 照明:三枝誠 ほか
  • 音声:ワサンタ・グナティラカ、奥村敬一、定別當公理ほか
  • 編集:安藤麻衣子、尾身雄紀
  • 音響効果:岡重宏 ほか
  • デザイン:谷脇もも

番組で使用した【六角精児オススメの】音楽[編集]

  • 六角精児バンド:アルバム「石ころ人生」より 「ディーゼル」「お父さんが嘘をついた」「愛のさざなみ」「ほんとうの歌」「はやく抱いて」
  • 六角精児バンド:アルバム「そのまま生きる」より 「(臨)ディーゼル」「私はオルガン」「人は何で酒を飲むのでしょう」「サヨナラなんて柄じゃない」「何万年」
  • 六角精児:アルバム「人は人を救えない」より 「各駅停車」 「やつらの足音のバラード」「お前の町へ」
  • 六角精児と下田逸郎:アルバム「唄物語 緑の匂い」より「漂々」「緑の匂い」「劇的列車」
  • 六角精児と松井玲奈:「花は咲く」(走れ!サンテツバージョン) ※NHKの東北応援番組企画にて非売作品
  • 下田逸郎:「漂々」「緑の匂い」「君のも愛」「揺蕩」「たおやかな沈黙」「弓矢のように」「美らフクギの林から」
  • ライ・クーダー(Ry Cooder):「I Got Mine」「Always Lift Him Up」「Strike!」「How Can You Keep Moving」
  • 内田勘太郎:「Keibin」
  • 濱口祐自:「妙法の夕ぐれ」
  • ニッティー・グリッティー・ダート・バンド(Nitty Gritty Dirt Band):「ミスター・ボージャングルス」
  • シュガーパイ・アンド・ザ・キャンディマン(Sugarpie And The Candymen):「レディ・マドンナ」
  • 高田恭子:「みんな夢の中」
  • かまやつひろし:「どうにかなるさ」
  • 植木等:「笑えピエロ」
  • ベン・ソリー(Ben Sollee)
  • ダニエル・マーティン・ムーア(Daniel Martin Moore)
  • ギリアン・ウェルチ(Gillian Welch)
  • マーク・ノップラー(Mark Knopfler)
  • ヘロン(heron)
  • マリア・マルダー(Maria Muldaur)
  • ボブ・ディラン(Bob Dylan)
  • ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)
  • ザ・バンド(The Band)

放送回リスト(内容詳細)[編集]

初回放送 サブタイトル 六角精児が降りた駅(降りた順) 旅した路線名 訪れた鉄道遺産など 訪れた酒蔵(最寄り駅)
2015年
1 4月12日 のと鉄道を呑む!
  • のと鉄道の廃線になった区間
    (穴水駅 - 蛸島駅)をバスで移動し、
    蛸島駅へ
  • 数馬酒造(旧・宇出津駅)
  • 宗玄酒造(旧・恋路駅)
2 8月23日 夏・山形鉄道を呑む![11]
  • 山形交通・高畠線の旧・高畠駅へ徒歩で行き
    高畠石で造られた駅舎を見たり、
    静態保存されている車両を見る
  • 樽平酒造(西大塚)
  • 鈴木酒造店・長井蔵(長井)
3 12月5日 秋・留萌本線を呑む![12]
  • 函館本線の旧線で廃駅になった
    神居古潭駅へバスで移動し
    静態保存されていたSL3両や駅舎を見る
  • 翌年、廃止が予定されていた
    留萌 - 増毛間をじっくり味わう
2016年
4 4月9日 春・小湊鉄道いすみ鉄道を呑む!
5 8月7日 夏・根室本線花咲線)を呑む!
6 11月30日 秋・指宿枕崎線を呑む!
  • 大山甚七商店(宮ヶ浜)※焼酎
  • 田村合名会社(山川)※焼酎
  • 薩摩酒造・明治蔵(枕崎)※焼酎
2017年
7 3月5日 冬・津軽鉄道弘南鉄道を呑む!
  • 鳴海醸造店(黒石)
8 4月12日 春・島原鉄道を呑む!
  • 島原鉄道の廃線になった区間
    島原外港 - 加津佐駅間をバスで
  • 山崎本店酒造場(島原)
9 8月23日 夏・石勝線(夕張支線)を呑む![13]
  • 北海道旅客鉄道石勝線(千歳 - 新得)
  • 同・石勝線・夕張支線(新夕張 - 夕張)
    ※夕張支線は2019年4月1日付けで廃止
  • 廃止が予定される夕張支線を堪能
  • かつての運炭鉄道、
    大夕張鉄道線の廃線跡へタクシーで
10 11月29日 秋・三江線を呑む![14]
  • 廃線まで半年を切った三江線を
    まぶたに焼き付ける旅
  • 池月酒造(宇都井)
2018年
11 2月18日 冬・野岩鉄道会津鉄道を呑む![15]
  • 廃線跡は特になし
  • 東京から最も近い秘境駅
    男鹿高原駅を楽しむ
  • 国権酒造(会津田島)
  • 宮泉銘醸(会津若松)
  • 鶴乃江酒造(会津若松)
12 4月28日 春・予土線土佐くろしお鉄道を呑む!
  • 無手無冠(土佐大正)※焼酎
  • 文本酒造(窪川)
13 8月18日 夏・釧網本線を呑む![16]
14 12月1日 秋・天竜浜名湖鉄道を呑む![17]
2019年
15 2月23日 冬・肥薩線くま川鉄道を呑む![18]
  • 松の泉酒造(あさぎり)※焼酎
  • 高田酒造場(あさぎり)※焼酎
  • 松下醸造場(湯前)※焼酎
  • 大石酒造場(湯前)※焼酎
  • 寿福酒造場(人吉)※焼酎
  • 繊月酒造(人吉)※焼酎
16 5月18日 春・九頭竜線長良川鉄道を呑む![19]
  • 南部酒造場(越前大野)
  • 布屋 原酒造場(美濃白鳥)
  • 小坂酒造場(美濃市)
17 8月24日 夏・石北本線を呑む![20]
18 12月18日 秋・近江鉄道信楽高原鐵道を呑む![21]
  • 中澤酒造(五個荘駅)
  • ヒトミワイナリー(八日市) ※ワイン
  • 美冨久酒造(水口城南駅)
2020年
19 2月12日 冬・日南線を呑む![22]
  • 小玉醸造(飫肥駅) ※焼酎
  • 京屋酒造(油津駅) ※焼酎
  • 井上酒造(榎原駅) ※焼酎
20 4月24日 春・京都丹後鉄道を呑む!
  • 京都丹後鉄道宮福線(福知山 - 宮津)
  • 京都丹後鉄道・宮舞線(宮津 - 西舞鶴)
  • 京都丹後鉄道・宮豊線(宮津 - 豊岡)
  • 加悦鉄道で使用された列車が
    展示された加悦SL広場へ
    ※加悦SL広場は2020年3月末で閉鎖
EX1 8月29日 総集編
21 11月27日 秋、関東鉄道真岡鐵道を吞む!
  • 戦前に茂木 - 長倉間を繋ぐ予定だった
    未成線の国鉄長倉線のあとを歩く
  • 野村醸造(石毛駅・常総市)
  • 須藤本家(友部駅・笠間市)
  • 外池酒造店(益子駅・益子町)
2021年
EX2 3月6日 総集編パート2
22 4月30日 春、秩父鉄道を吞む!
  • 武川駅で貨物専用線の三ヶ尻線
    貨物列車を見る
  • 秩父市で廃線になった貨物専用線を見る
  • 南陽醸造(新郷駅)
  • 武蔵鶴酒造(小川町駅)
  • 松岡醸造(小川町駅)
  • 晴雲酒造(小川町駅)
  • 武甲酒造(秩父駅)
  • ベンチャーウイスキー秩父蒸溜所(皆野駅)
EX3 8月27日 夏の特別編
23 12月17日 秋、宗谷本線を呑む!
  • 美深白樺ブルワリー(美深駅)
2022年
24 3月12日 がんばれ東北・三陸鉄道を呑む!
  • 福来酒造(陸中宇部駅)
  • 菱屋酒造(宮古駅)
  • 浜千鳥(小佐野駅)
  • 酔仙酒造(盛駅)
25 4月30日 春・鳥取の鉄道を呑む!
  • 倉吉からバスで廃線になった倉吉線を訪ねる
  • 太田酒造場(若桜駅)
  • 中川酒造(鳥取駅)
  • ビアホフ ガンバリウス(岸本駅)
26 7月30日 サンライズ&四国の鉄道を呑む!
  • 鳴門の渦潮を見に行って、大鳴門橋の下に
    四国新幹線のために造られたトンネルを発見する
27 9月17日(4K)
9月18日(BSP)
夏・室蘭本線日高本線を呑む!

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 第1回ののと鉄道編と、2022年3月12日放送の三陸鉄道編、2022年7月30日放送のサンライズ&四国の鉄道編のみ2泊3日での旅だった。
  2. ^ 第10回の三江線編の時には口羽駅 - 作木口駅間の7kmあまりを2時間かけて歩いたのが最長。
  3. ^ NHKオンデマンドでは本放送から1年間見ることができる。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]