六番目の小夜子

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六番目の小夜子
著者 恩田陸
発行日 1992年7月
発行元 新潮社
ジャンル SFホラーファンタジー
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 新潮文庫
ページ数 312
コード ISBN 4-10-123411-6
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六番目の小夜子』(ろくばんめのさよこ)は、恩田陸小説作品及び、それを原作として製作されたテレビドラマNHKドラマ愛の詩)。

新潮社の第3回ファンタジーノベル大賞で最終選考まで残った。この作品は恩田陸の初作品である。ドラマ版ではオリジナルキャラを登場させたり、舞台高等学校から中学校に変更するなど小説とは一味違った展開が成されているが、「小夜子」・「鍵」・「文化祭」等、物語の基本部分は共通したものとして展開されている。

シリーズ作品[編集]

1992年新潮文庫から出版、1998年2001年、大幅加筆・単行本化されたものが新潮社より出版。

  • 『六番目の小夜子』 新潮社 新潮文庫 (ファンタジーノベル・シリーズ) 1992年7月 312p ISBN 4-10-123411-6
  • 『六番目の小夜子 -- Number 6』新潮社 1998年8月 257p ISBN 4-10-397102-9
  • 『六番目の小夜子』 新潮社 新潮文庫 2001年2月 339p ISBN 4-10-123413-2

「渡すだけのサヨコ」からの視点として、関根秋の姉・夏を主人公にして、「六番目の小夜子」の4年前の学校を描いた番外編的短編「図書室の海」が、2002年に上梓された同名の短編集に収録されている。

あらすじ[編集]

潮田玲が通う学校には「サヨコ」という不思議な言い伝えがあった。3年に1度、サヨコと名乗る生徒が選ばれて3つの約束(赤い花を生ける・サヨコを演じる・サヨコを指名する)を果たす。それが成功すれば大いなる扉が開かれ、3年後にまた新しいサヨコが現れる。そういわれていた。玲はサヨコに選ばれた幼馴染の関根秋に頼んでサヨコをやらせてもらうことになった。他の誰にもサヨコである事を知られないように。始業式の朝、玲が一つ目の約束を実行しに行くと、戸棚に入っているはずの花瓶がすでに正面玄関に出され、赤い花束が生けてあった。愕然とする玲の耳に鈴の音が聞こえ、その音を追ってみると走り去る女子生徒の後ろ姿が…。玲は慌てて後を追うが、見失ってしまう。さらに、始業式の最中に体育館の照明が落下する事故が起こる。生徒達は「サヨコがやった」と騒ぎ、玲は落下した照明のそばに、赤い花が一つ落ちているのを見つける。そして始業式の後、玲のクラスに「津村沙世子」という女子生徒が転入し、クラスは騒然となる。玲は、一つ目の約束を実行したのは沙世子ではないかと確信し、彼女と”六番目のサヨコ”を賭けてバスケで勝負をする。しかし、途中で沙世子が負傷したため、決着をつけることができなかった。ある日、二年生のテストの満点取得者名が貼りだされ、玲たちはどの教科にも沙世子の名前があることに愕然とする。秋は沙世子が超進学校から公立の学校に転入してきたことに疑問を感じ、選んだ理由を訊ねると沙世子は「呼ばれたから」とだけ答えた。そんな折、玲は「もう一人のサヨコさんへ。鍵を返して下さい」と書かれた手紙を見つけて腹を立て、「そっちこそ、鍵と台本を返して下さい」と書いて沙世子の靴箱に入れる。しかし、「サヨコの正体が知られたとき、本物のサヨコが怒って災いを起こす」という噂を聞き、恐怖に駆られて手紙を取り戻そうとするが既になくなっていた。帰宅後、玲は「日曜の夕方、学校で待つ」という沙世子からの電話があったことを知る。玲を心配して学校に駆けつけた秋は、そこに偶然居合わせた同級生の加藤に「秋がサヨコなのではないか」と言われるが、取り合わずに加藤と別れる。秋は結局二人に会えず、沙世子の家に電話を掛けるが「沙世子はおりません」とだけ言われて切られてしまう。一方、玲は沙世子と対面するが「私も呼び出された」と言われ、唖然とする。沙世子は玲に学校近くの国道で起こった事故のこと、そして事故で死んだ生徒の話を始める。沙世子が何者なのか戸惑う玲に対して、沙世子は言い放つ。「戻ってきたの。私が六番目のサヨコよ」。しかし、二人を尾行していた加藤にその言葉を聞かれてしまう。二人は加藤を口止めするために分かれて彼を追う。加藤は校庭まで戻ってきたが沙世子に追いつかれる。そして…。翌日、加藤が喘息の発作で入院したことを知った玲と秋は、「碑を見て」という加藤の伝言を受け取り、校庭の片隅にある碑に刻まれた文字を見る。そこには「昭和六十三年 津村沙世子 享年十五」と刻まれていた。沙世子は、死んだ津村沙世子の亡霊なのだろうか?

登場人物[編集]

潮田 玲(しおた れい)
ドラマオリジナルの登場人物でありながら、ドラマの主人公を飾る人物。女子バスケ部のホープ。明るく元気で、まっすぐな性格。関根秋に送られたサヨコの鍵を取って六番目のサヨコに立候補する。周囲の人間に恵まれた環境で育ったため、困るとすぐに他人を頼る傾向がある。本人は自分を「どこにでもいる普通の女の子」と称している。同じクラス、同じ部の花宮雅子とは親友。秋とは幼なじみの間柄だったが、津村沙世子と親しくなってからは、やや疎遠になる。沙世子に強いあこがれを抱く。
関根 秋(せきね しゅう)
写真部所属。クールで大人びた性格であり、千葉の予備校でレベルの高いクラスに入るほどの秀才。正当な六番目のサヨコだが、玲の熱意に負けてサヨコの鍵を譲る。心臓の手術をして長期欠席したため、二度目の二年生をすることに。両親は離婚しており、母親と二人暮らし。隣のクラスにいる唐沢由紀夫は弟(由紀夫は父親に引き取られたため、別姓)。昨年のクラスメート・設楽正浩とは仲がいい。沙世子のことを強く警戒している。
小説版では高校3年生で、兄と姉がそれぞれ三番目のサヨコと渡すだけのサヨコを経験している。以前からサヨコに関する知識を持っていたが、自分は無関係だと思っており、正当な六番目のサヨコであった加藤に鍵を託されてからも特に何をするということもなかった。しかし次第に卒業アルバムを調べたり実行委員のマニュアルを見るなど、積極的に調査をし始めた。
津村 沙世子(つむら さよこ)
4月に転入してきた女子生徒。女子バスケ部に入部。成績優秀でスポーツ万能である上に美人。しょっちゅう転校するせいか、積極的に生徒達と馴れ合おうとはしない。もう一人の六番目のサヨコ。自分のことを「特別な力も何もない、只の14歳の女の子」と言っているが、不可能の無い自分の人生に退屈している。校庭外れにある事故死した女生徒の慰霊碑に彫られた名前とは同姓同名、余りにもタイミングが良すぎる編入に多くのサヨコ伝説を知る生徒たちからは疑念の目を向けられていた。
花宮 雅子(はなみや まさこ)
学級委員長。女子バスケ部所属。明るく、しっかり者。しかし責任感が強く、信念を達成するためには何者をも犠牲にすることを厭わない面も持っている。口より先に手が出るほう。サヨコに強いこだわりを持つ。潮田玲とは親友。
小説版では転校してきた沙世子と真っ先に仲良くなった。佐野美香子と沙世子が仲良くなった時にはヤキモチを妬くこともあった。由紀夫に思いを寄せている。
唐沢 由紀夫(からさわ ゆきお)
男子バスケ部所属。秋の弟。自分で自分のことを野生児と言うくらい、あっけらかんとした性格。溝口とは同じ小学校の友人。
小説版では秋とは小学校からの友人で、クラスメイト。雅子のことが好き。サヨコ伝説についてほとんど何も知らなかった。
沢木 容子(さわき ようこ)
小説版のみの人物。女子バスケ部所属。沙世子や雅子と親しい。高橋という彼氏がいる。
設楽 正浩(しだら まさひろ)
秋の元クラスメート。放送部と新聞部に所属。文化祭実行委員長を務めており、サヨコ伝説にも詳しい。秋とともに沙世子の正体などについて話し合っていた。
加藤 彰彦(かとう あきひこ)
ガリ勉の男子生徒で自分の成績のことにはいつも神経をとがらせている。その為、人を傷つけるようなことを平気で言ってしまうこともある。家は、学校の近所にある蕎麦屋。ガリ勉の割に、家の手伝いもよくする様子。喘息もち。
小説版では正当な六番目のサヨコ。沙世子の鍵を奪うために教室を荒らしたりした。しかし心臓発作で入院し、鍵を秋に託す。
黒川 貞雄(くろかわ さだお)
玲たちの担任。教科は理科。自転車通勤している。現在独身。津村ゆりえの教え子であり、沙世子に鍵を送った。
唐沢 多佳雄(からさわ たかお)
秋・由紀夫の父親。唐沢動物探偵事務所・所長。うたごえ喫茶エーデルワイスの常連客。
小説版では秋の父で裁判官。苗字も関根である。大柄で、少々時代錯誤的な一面を持つ。
佐野 美香子(さの みかこ)
玲のクラスにやってきた教育実習生。教科は理科。四番目のサヨコ。信条は「理由のない不思議なんて無い」
小説版では秋に恋心を抱く美少女。秋に告白するも振られ、沙世子の言葉に導かれるがまま部室棟に火を放った。
溝口 祐一(みぞぐち ゆういち)
手芸部所属。いつも編み物をしていて、女の子言葉を使用している。
小説版では柔道部主将で秋のクラスメイト。料亭の跡取り息子で、自宅で忘年会を開いた。クラス企画『うたごえ喫茶 みぞぐち』の発案者で店長もつとめた。

ドラマ[編集]

NHK教育毎週土曜18:00(ドラマ愛の詩)に放送されていたテレビドラマ。英題はSayoko Is Back2000年4月8日から6月24日まで放送。全12回。高い人気を誇った作品で、5回もの再放送が行われ、2001年にはビデオ化、DVD化もされた。また本編の後に本放送時のみミニコーナー「サヨコへの伝言」が放送された(DVD版に特典映像として収録されている)。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

各回タイトル[編集]

  1. なぞの転校生[1]
  2. 亡霊
  3. 見えない敵
  4. 謎のメッセージ
  5. 不思議なうたごえ
  6. 七夕の秘密
  7. 恐怖の文化祭(前)
  8. 恐怖の文化祭(後)
  9. サヨコはここにいる
  10. サヨコの正体
  11. そして扉が開く

放送日時[編集]

  1. 2000年4月8日~6月24日 土曜日 18:00~18:30(ドラマ愛の詩、サヨコへの伝言つき)
  2. 2000年7月24日~29日、31日~8月5日 月曜日~土曜日 9:30~9:59(夏休み集中放送)
  3. 2001年5月3日、4日 9:00~11:57(GW集中放送、6本ずつ放送、新撮コメント映像つき)
  4. 2003年1月4日~3月22日 土曜日 18:00~18:29(ドラマ愛の詩での再放送)
  5. 2003年1月11日~3月29日 土曜日 10:30~10:59[2](前週の再放送)
  6. 2004年12月21日~2005年3月8日 火曜日 19:00~19:29(ドラマ愛の詩での再々放送[3]

また上記のNHK教育での放送のほかに、海外向けにNHKワールドTV(2000年9月18日~23日 22:00~22:59)、またCSミステリチャンネル(2005年5月2日~7月22日、2006年1月1日 1:00~7:00 元旦一挙放送、2006年3月21日~4月5日)でも放送が行われている。

リリース[編集]

DVD[編集]

販売元:ポニーキャニオン、リージョンフリー、各巻4話収録、全3巻、映像特典あり

  1. 六番目の小夜子 第一集 なぞの転校生 2001年1月17日(PCBE-50057)
  2. 六番目の小夜子 第二集 恐怖の文化祭 2001年2月21日(PCBE-50058)
  3. 六番目の小夜子 第三集 伝説は終わらない 2001年3月14日(PCBE-50059)

VHS[編集]

販売元:ポニーキャニオン、各巻2話収録、全6巻、映像特典なし(本編のみ)

  1. 六番目の小夜子 Vol.1 なぞの転校生 2001年1月17日 (PCVE-11285)
  2. 六番目の小夜子 Vol.2 見えない敵 2001年1月17日 (PCVE-11286)
  3. 六番目の小夜子 Vol.3 七夕の秘密 2001年2月21日 (PCVE-11287)
  4. 六番目の小夜子 Vol.4 恐怖の文化祭 2001年2月21日 (PCVE-11288)
  5. 六番目の小夜子 Vol.5 サヨコはここにいる 2001年3月14日 (PCVE-11289)
  6. 六番目の小夜子 Vol.6 伝説は終わらない 2001年3月14日 (PCVE-11290)

DVD、VHSともに全巻購入特典として劇中劇「年文化祭 よびかけ劇『六番目の小夜子』」の音声が収められたCDシングルがあった。

脚注[編集]

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  1. ^ このサブタイトルは、かつて少年ドラマシリーズで放映された作品の名前である(原作は眉村卓の同名小説)。原作者の恩田陸は本作を少年ドラマシリーズへのオマージュとして書いたと明言しており、また番組プロデューサーが恩田の高校時代の同級生ということもあって同枠の後継たるドラマ愛の詩でのドラマ化がなされた。
  2. ^ 3月22日は休止。かわりに3月29日は10:30~11:29に時間拡大し2本放送。
  3. ^ この放送をもってドラマ愛の詩枠はその歴史に幕を閉じた。

外部リンク[編集]