六本木心中
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「六本木心中」 | ||||
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アン・ルイス の シングル | ||||
B面 | IN PLEASURE | |||
リリース | ||||
規格 | 7inchEP盤 | |||
ジャンル | J-POP、歌謡ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | ビクター音楽産業 | |||
作詞 | 湯川れい子 | |||
作曲 | NOBODY | |||
チャート最高順位 | ||||
アン・ルイス シングル 年表 | ||||
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「六本木心中<WILD VERSION>」 | ||||
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アン・ルイス の シングル | ||||
B面 | MIX'N ROLL (ANNIE'S EDIT MASTER MIX II) | |||
リリース | ||||
規格 | 12inchシングル | |||
ジャンル | J-POP・歌謡ロック | |||
レーベル | ビクター音楽産業 | |||
作詞 | 湯川れい子 | |||
作曲 | NOBODY | |||
チャート最高順位 | ||||
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アン・ルイス シングル 年表 | ||||
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「六本木心中」(ろっぽんぎしんじゅう)は、1984年10月5日に発売されたアン・ルイスの24枚目のシングル。ビクター音楽産業より発売された。規格品番はSV-7432[2]。
背景[編集]
リリース当初はさほど売れなかったが[3]、有線から火が付き[3]、カラオケで根強く支持された。一年以上、ヒットチャートに居座り、演歌のようなロング・ヒットを記録[3]、アンの代表曲のひとつとなった[3]。ロックの楽曲としては珍しいチャートアクションだった[3]。六本木が舞台の楽曲だが、歌詞に「六本木」は出てこない。後述する『夜のヒットスタジオDELUXE』に於ける吉川晃司との今にいうコラボレーションは今日でも伝説的に語られている[3][4][5]。
オリコン発表売上枚数は29.6万枚[1]。初期プレスは「別ジャケット(サングラスなし)・オリジナルバージョン(カウントなし)」とされているが、これは発売から約1ヶ月後の1984年11月9日にジャケットをCM出演時のカット(サングラスあり・ピンクのジャケット)に刷新し、音源もリミックスを施した音源(カウントあり)に差し替えられたため。広く知られているのは刷新後のジャケットのバージョンの方で、後にどちらもCD化されている。
TBSテレビ『ザ・ベストテン』での最高順位は16位で、1982年7月に最高3位を記録した「ラ・セゾン」以来のランクインとはならなかったが、1984年10月17日放送の同番組 ″今週のスポットライト″ コーナーに生出演している(「今週のスポットライト」は、1978年6月「女はそれを我慢できない」以来2度目)。B面曲「IN PLEASURE」は同年発売のオリジナル・アルバム『ROMANTIC VIOLENCE』からのリカット。
前作「薔薇の奇蹟」に引き続き、合同酒精 ″ワリッカ・ハイボールCAN″ CMソングに採用されたが、その際に歌詞の一部が差し替えられた(長い睫毛がヒワイねあなた→長い睫毛が素敵ねあなた)。また、発売からしばらく経過した1985年5月から、テレビ朝日系列火曜深夜ドラマ「トライアングル・ブルー」のオープニングに本曲が使用され、徐々に売り上げを伸ばしていく契機となった。
作詞を担当した湯川れい子は、本楽曲と27枚目のシングル「あゝ無情」のモデルはいずれも吉川晃司としており[6]、「あゝ無情」のサビ部分「サングラス外したら吹き出しちゃうほどあどけない目をしてる」は吉川そのままで、「そんな年下の男に艶っぽく気風のいいアンちゃんを立ち向かわせた形でした」と話している。
評価[編集]
古舘伊知郎は「時あたかもバブル。六本木という街を挿入するだけでウケる。『六本木心中』『曾根崎心中』って、"心中"と"六本木"というミスマッチですよ。後に荻野目ちゃん(荻野目洋子)が『六本木純情派』って曲り出しますけど、やっぱり"純情派"と"六本木"という不思議な感じだし、合わないものを合わせるという、曲のタイトルからバブルの時代を象徴していると思います」と解説している[5]。
夜のヒットスタジオ、アン&吉川コラボ[編集]
デビュー当時、所属事務所の先輩だったアンから大きな影響を受け、アンと姉弟のような関係だった吉川と共に、フジテレビ『夜のヒットスタジオDELUXE』で二人の性行為を連想させる過激なコラボレーションを見せた(1985年10月2日放送。1番を歌唱後、アンが吉川を呼び寄せた)[4][5][6][7][8]。同パフォーマンスが行われた放送回は今日いう「神回」と知られ[5]、当時の視聴者も「アンじゃなきゃ、あんなマネできない」「リハーサルなしで晃司はよくやった」と二人の株を上げた[3]。この日は古舘伊知郎の『夜のヒットスタジオ』(『夜のヒットスタジオDELUXE』)初司会の日で、古舘は「初回で余裕も無くてテンパって、師匠のアントニオ猪木さんにもゲストで来てもらい、頭パニックになって、他のことは記憶が定かじゃないんですが、唯一、アンと吉川のコラボだけは35年以上経った今でも目に焼き付いて離れません。あれは半アドリブ、あと半分は二人だけのちょいとした打ち合わせがあったんじゃないですか。そうじゃないとあんな絶妙ないやらしい行為ともいえることをいやらしく見せない、一体何が起きてるの?みたいなあんなことはなかなか起きないですよね。すごかったよ」「もう曲が始まった時から、アンさんがノリノリで、もう振り付けが、足の運びとか動きとか、腰の振り方がキレッキレなの。そこから歌がバッーと始まった。もうそれだけでも十分見応えがあって、みんな釘付けになって『いい曲だなあ』と思って浸ってるときに、いいところで中段からパァーッと吉川晃司が登場して、赤のパンツ履いて、上のジャケットが金のつづら折りみたいな、昔の映画館の緞帳みたいな、金の刺繡が入ってるようなジャケットがバブルのあの時代、吉川晃司クンの元々水泳で鍛えた素晴らしいスタイルがあって、肩パッド半端じゃないのに、さらに肩パットで広くしてる、遠くから見たらアメフトの選手かと思いました。この素晴らしいフォルムに目の前のアン・ルイスさんが一体何人だか分からない、児雷也みたいな物凄いカツラ、ウィッグ被ってるわけです。カーリーヘアが300倍ぐらいでビッグバンみたいな、もうアン・ルイスさんじゃなきゃ笑っちゃいますよ。それで吉川晃司がアンの後ろに回るんですよ。ピタッと密着するわけですよ。アンは歌を歌い上げてるんですよ。ところが程よきところから吉川晃司がストンストン前後に..これを腰とか言うからいやらしくなるんで、あえて使ってるのは股関節、それから骨盤全体を使いながら...パッコンパッコン...いわゆる海〇体の血流がだんだん盛んになってきて、その実寸を大きく膨らませていく。そういう状態を想起させる動き...間奏流れるところでアンが体位を入れ替えるようにして前に回り込んで、吉川晃司の右の大腿部を両手で囲むようにして...後ろで見ている猪木さんならここから足十字行きますからね。アンはセ〇〇〇界に於ける文化的作業というか、こういうことに興じるプレイはいかがなものかと思わせる例のプレイを想起させるように、吉川晃司の股〇方向に太ももにしがみついているというエクスキューズのもとにフゥッとまさに六本木が心中していくような感じで口元顔を押さえ込んで左右に振れていくんですね。だからこの様式美というのは、決していやらしいというところまでは行かないで、寸止めさせながらなんですね。だから全盛期の前田日明のリングスの試合模様みたいな、本気でやってるんだけど、どこかストリートファイトじゃないからね、みたいなある種の"逃げ"もあるような美しさなんですよ。吉川晃司も全く表情は変わらない。動きはそれだけのことをやりながら表情は変わらない...あの『六本木心中』のジョイントはちょっと二度と無いでしょうね。あの二人の動きはね。もう後ろも騒然としてましたね。アーティスト、ミュージシャンの方はウワーッて盛り上がってましたよ。猪木さんだけは普通に手をたたいてましたけど。猪木さんは微動だにしないっていうか、レスラーが表情豊かにやるっていう時代じゃないですしね。司会としてこれは訂正なりお詫びなりをしなきゃいけないんじゃないのぐらいの危機感がありました。『一部不穏当な動きがありました』とか、言わなきゃいけないのかなと思って、心が分裂しましたね。だけどやっぱりノッてる自分がいました。全然いやらしくないんですよ、何かスポーツな感じがしました。終わって真理さん(芳村真理)がすぐに『カッコいい』と言いましたね。そっち方向にへ包んでいきました。『カッコいい』と言うことで『いやらしい』という良識派も何だか『カッコいい』という風に誘われましたね、僕より百枚上手でしたね。真理さんの『カッコいい』ですべてが完結しました。これは勉強になりましたね」などと解説している[5]。
収録曲[編集]
- 六本木心中 <WILD VERSION>
- 作詞:湯川れい子/作曲:NOBODY/編曲:伊藤銀次
- MIX'N ROLL <ANNIE'S EDIT MASTER MIX II>
- EDIT:KUDO
相川七瀬によるカバー[編集]
「六本木心中」 | ||||
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相川七瀬 の シングル | ||||
初出アルバム『ID:2』 | ||||
B面 |
美しい日々 六本木心中 (dj ajapai remix) 六本木心中 (CMJK Mix) | |||
リリース | ||||
規格 | 12cmCD | |||
ジャンル | J-POP・ロック | |||
レーベル | Motorod | |||
作詞 | 湯川れい子 | |||
作曲 | NOBODY | |||
プロデュース | 織田哲郎 | |||
チャート最高順位 | ||||
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相川七瀬 シングル 年表 | ||||
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「六本木心中」(ろっぽんぎしんじゅう)は、相川七瀬21枚目のシングル。2002年10月9日発売。
解説[編集]
織田哲郎プロデュース作品。
「六本木心中」リミックス2ヴァージョン収録。
「SEVEN SEAS」以来3作ぶりにオリコンチャートTOP10入り。現時点で最後のTOP10入り楽曲。
収録曲[編集]
収録アルバム[編集]
六本木心中
その他のカバー[編集]
- 本田美奈子(1986年2月20日、ライブアルバム『ザ・ヴァージン・コンサート IN BUDOKANライヴ』収録)
- NOBODY(1987年4月6日「DON'T YOU GO」というタイトルで、ライブアルバム『NOBODY LIVE 2』収録、セルフカバー)
- Asia Gang(全編英語版のRoppongi Suicideとしてカバー。That's Eurobeat Vol.25などに収録されている)
- 北出菜奈(2006年7月12日、ミニアルバム『Cutie Bunny ~菜奈的ロック大作戦 コードネームはC.B.R.~』に収録。)
- デーモン小暮閣下(2007年1月24日、『GIRLS' ROCK』に収録)
- SCANDAL - 『R-GIRL's ROCK!』(2010年11月17日)
- 優梨花(2012年11月28日)
- 桑田佳祐(2014年3月12日、ライブビデオ『昭和八十八年度! 第二回ひとり紅白歌合戦』に収録)
- 内田あかり(2014年11月19日、アルバム『エンカのチカラ プレミアム《赤盤》』に収録)
- JUJU(2016年10月28日、アルバム『スナックJUJU 〜夜のRequest〜』に収録)
- 民謡ガールズ(2018年11月28日、シングル「ミライ」(ガールズ盤)に収録。)
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脚注[編集]
- ^ a b スージー鈴木 2017, p. 171.
- ^ “Ann Lewis – 六本木心中”. Discogs. 2022年10月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「【ROCK】 白いアメ車を乗り回すアンさんの私生活はもっちろん大ノリ!」『週刊明星』1985年12月5日号、集英社、167頁。
- ^ a b KIKKAWA KOJI QUARTER CENTURY ANNIVERSARY 吉川晃司デビュー25周年記念特別座談会('09年3月号)
- ^ a b c d e アン・ルイスさんと吉川晃司さんの「六本木心中」忘れられない話。2人が歌唱中にまさかの行為。昭和の伝説 古舘Ch - YouTubeチャンネル
- ^ a b 『週刊アサヒ芸能』2011年11月17日号、徳間書店、62-65頁
- ^ “かつて隆盛の歌番組 生放送では仰天ニュースが続々発生”. NEWSポストセブン. 小学館 (2022年7月9日). 2021年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月2日閲覧。
- ^ 六本木心中、素直になれなかった80年代とリアルにヤバかったゼロ年代
参考文献[編集]
- スージー鈴木『1984年の歌謡曲』イースト・プレス〈イースト新書〉、2017年2月。ISBN 978-4-7816-5080-7。