八雲立つ

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  1. 出雲」の枕詞古事記に記載されている、日本最古の和歌八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」にもつかわれている。
  2. 樹なつみによる漫画作品。本項で詳述。

八雲立つ
ジャンル ファンタジー
漫画
作者 樹なつみ
出版社 白泉社
掲載誌 LaLa
レーベル 花とゆめコミックス
発売日 1992年10月19日
発表期間 1992年 - 2002年
巻数 単行本:全19巻
文庫本:全10巻
OVA
監督 望月智充
シリーズ構成 坂本郷
キャラクターデザイン 楠本祐子
アニメーション制作 スタジオぴえろ
製作 バンダイビジュアル
スタジオぴえろ、エアーズ
発売日 1997年
話数 全2話(上・下巻)
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八雲立つ』(やくもたつ)は、樹なつみによる日本漫画作品。

概要[編集]

白泉社刊行の月刊少女漫画雑誌『LaLa』に、1992年から2002年まで連載された。単行本全19巻、文庫本全10巻。1997年度、第21回講談社漫画賞受賞作品。1997年に全2巻のOVA、1997年と1999年には計7枚のドラマCDも製作された。

あらすじ[編集]

東京に暮らす普通の大学生七地健生は、ある日大学の先輩から頼まれた舞台取材同行のアルバイトで島根県・維鈇谷村(いふやむら)にある道返神社(ちがえしじんじゃ)を訪れる事になり、折角の機会だからと家族に持たされた代々七地家に伝わる飾太刀をこの神社に奉納しようと思いやってくる。

この時、道返神社では次期宗主である布椎闇己の為の秘祭・神和祭(かんなぎさい)が行われていた。本祭の夜、意図せず禁域に迷い込み、祭りの最終儀式を覗いてしまう七地。その眼前で、闇己は宗主の証である神剣・迦具土(かぐつち)を前宗主の海潮から受け取り、そしてある使命を告げられる。その使命とは、1700年もの間布椎家が代々封印を守ってきた古代出雲族の怨念を昇華させる為、戦時中の混乱に乗じて道返神社より盗まれた残り6本の神剣を集める事だった。そして新宗主最初の命として、海潮は闇己に自らの首を刎ねるよう命じて…。

登場人物[編集]

声の記述はドラマCD&OVA版。

布椎闇己(ふづち くらき)
声 - 関智一
主人公。出雲で代々覡(シャーマン)を務める布椎本家15代目当主。巫覡としての天才的な素質と技術を兼ね備える。“気”を自らに憑依させることができるだけではなく、“念”を取り込むこともできる負の巫覡。居合抜刀術)の達人でもある現役高校生。複雑な出自からか、かなり偏屈な性格であり、他人に対しては人当たりの良い優等生の演技をするか、もしくは毒舌家で無愛想。
寧子と海潮と健生を心の底では大切に思っている。
七地健生(ななち たけお)
声 - 浪川大輔
もう1人の主人公。早稲田大学経済学部に通う教師志望の大学生。闇己との縁は異様に深く、彼の神剣及び巫覡の素質を持つ人物探しに付き合う。闇己より5歳上。お人好しで気が優しい。
巫覡の素質は皆無だが、それ以上に鍛冶師としての資質はある。

布椎家・七地家[編集]

布椎海潮(ふづち うしお)
声 - 有本欽隆
布椎本家前当主であり闇己の養父。闇己に敬愛されている人格者。
布椎寧子(ふづち やすこ)
声 - 桜井智
闇己より3歳上の姉で、父親は海潮。弟以上の酒豪。巫覡。弟を身内としてでなく、男として愛している。
布椎蒿(ふづち こう)
声 - 石田彰
闇己の従兄弟で、関東布椎家(分家)の次期頭領。巫覡。夕香に惚れる。
布椎世裡(ふづち せり)
声 - 幸田直子
布椎分家の野城上家出身。闇己と寧子の母親。海潮と結婚していながら、眞前と不倫関係に落ちた。
野城上脩(のきがみ おさむ)
声 - 辻谷耕史
世裡の弟で、古武術の師範。模範的な常識人であり、蒿からは敬愛されている。世裡との関係から闇己には疎むような態度を取られているが、その闇己も、心の中では脩に一目置いている。
七地夕香(ななち ゆうか)
声 - 今井由香
健生の妹。闇己や蒿と同年。今時の女子高生でミーハーな性格。闇己の外見に惚れる。彼女も巫覡であり、布椎家で修行を始める。

忌部家とその関係者[編集]

邑見眞前(おうみ まさき)
声 - 井上和彦
海潮の末弟で、闇己の父親。一見人当たりが良いが、息子も含めて他者は全て道具としか思っていない。
アルトゥーロ・楠(アルトゥーロ・くす)
声 - 中田譲治
眞前の右腕的(時に中立的)日系ブラジル人。七地に対して自分の弟の面影を重ねており、彼に普通の生活に戻るよう幾度か忠告をしている。
忌部怜司(いんべ りょうじ)
声 - 上田祐司
熊野・紀斐神社宮司の息子。
忌部剡弐(いんべ せんじ)
怜司の弟。兄とは双子並みに外見が似ている。霊的な才能を持たない事もあってか、父や兄に比べて思考はまともであり、同世代の蒿達と打ち解ける。霊感を全く感じず撥ね退ける事の出来る特異な才能の持ち主。
忌部親露(いんべ ちかつゆ)
熊野・紀斐神社宮司。怜司と剡弐の父親。
紀埜五十鈴(きの いすず)
紀斐神社の主筋にあたる、紀埜家最後の末裔。巫覡として高い能力を備えている。
小岩井しをり(こいわい しをり)
声 - 小谷伸子
狐憑きと呼ばれる、身寄りの無い孤独な少女。不幸な生い立ちを送っていたところに七地と出会い、彼に気持ちを寄せるようになるが、事故のような形で他人に重傷を負わせた負い目から眞前と行動を共にする。

葛岐家・宗像家[編集]

葛岐佐那女(かつらぎ さなめ)
瀬戸内海・斎島の葛岐家三姉妹の長女。のちに眞前に心酔し、彼のために働く。
次女…安柘(あつみ),三女…澪胡(みおこ)
宗像海都波(むなかた みつは)
瀬戸内海・鳴雲島(斎島の隣島)に祖父と二人で住む美少年。巫覡であり、布椎家に身を寄せる。

その他[編集]

江馬充(えま みつる)
声 - 真殿光昭
健生の友人であり、大学の先輩。

【古代編】[編集]

甕智彦(ミカチヒコ)
声 - 子安武人
東出雲の王子だが、母親の身分が低い事により西出雲に送られた刀鍛冶師(かぬちし)。健生の先祖と思われる人物。
真名志(マナシ)
声 - 保志総一朗
西出雲の巫覡。闇己の先祖と思われる人物。
己貴(ナムチ)
甕智彦の異母兄。大国主。醜い跡目争いを繰り広げる兄弟達の中で唯一、真に甕智彦を案じている。
素戔嗚スサノオ
声 - 真殿光昭
西出雲の王。
スクナ
声 - 浅川悠
素戔嗚の従者。
須勢理姫(スセリヒメ
己貴の妻となる蛇神。

七本の神剣[編集]

古代出雲の時代、鍛冶師・甕智彦が覡・真名志の為に打った7本の神剣。長く維鈇谷にある素戔嗚の怨念を封じた結界を守っていたが、戦時中迦具土を除いて盗み出された。

用語[編集]

覡(シャーマン)
神と人の間に立ち、神をその体に依り憑かせ神の意を伝える半神人。男に非ず女に非ず人間に非ず、況や神に非ず、又何れでもある化身の者。巫覡そのものが一種のであり、神剣に気(大自然のエネルギー)を取り込む事で、念を昇華したり、祝寝(うけいね)を見たり、他者に幻想を見せる事ができる。
凶悪な念を依り憑かせる強力な巫覡を、負の覡と呼ぶ。自分の力の源(神剣)を作る鍛冶師に手を出す事はできない。
神剣
巫覡の力の増幅器となる鉄剣。強力な霊力を秘め、巫覡が気を憑依させる時の必須アイテム(相手の『念』が弱い時は、日本刀などを水で清めたもので代用可能)。多少の霊能力を持つ者が使えば、他者の病を治したり憑き物を祓う程度の事はできる。
主に人間の怨念から生み出される負のエネルギー。普通の拝み屋程度では対処できず、巫覡が神剣で斬って昇華する事が唯一の対抗手段となる。通常長い年月が必要とされるが、条件が揃えば短時間で『念』に転化する。
『気』や『念』が好む特殊な力場の事。
鍛冶師
本作においては巫覡の為の『神剣』を作り上げる神職の者。巫覡の魂を、神剣に封じて火で焼ける。『念』を昇華させる事はできない。鉄を司る鍛冶師は、鉄の音によって念を寄せ付けない。これらの特性からしばしば最強の存在と呼ばれる。
次元の穴
あらゆるエネルギーを吸収する次元の亀裂。作中では出雲の『入らず山』と熊野の『入ラズ森』に存在し、繋がっている。聖、不浄の両極端を嫌い、それらを結界とする事で安全に通過する事ができる。

書誌情報[編集]

単行本[編集]

文庫本[編集]

OVA[編集]

八雲立つ OVAは、上下巻構成。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

「はるかなる慟哭」
作詞 - 田久保真見 / 作曲 - 濱田金吾 / 編曲 - 須藤賢一 / 歌 - 石塚早織

サウンドトラック[編集]

  • 『八雲立つ OVA オリジナル・サウンドトラック』 (バンダイミューシ、1997年11月21日発売) AYCM-586

ドラマCD[編集]

新音盤物語 全二巻、音盤物語 全五巻。発売元はエアーズ/バンダイ・ミュージックエンタテインメント 、挿入歌は『a Myth〜神話〜』『永遠に』(唄:石塚早織)。

新音盤物語 巻之壱 黒不浄の郷・古代編 神問ひ(前編)[編集]

〜黒不浄の郷〜
〜古代編 神問ひ(前編)〜

新音盤物語 巻之弐 天邪鬼来たりて・古代編 神問ひ(後編)[編集]

〜天邪鬼来たりて〜
〜古代編 神問ひ(後編)〜

音盤物語 巻之壱[編集]

音盤物語 巻之弐 若宮祭[編集]

音盤物語 巻之参 鬼哭の辻・綺羅火(古代編)[編集]

〜鬼哭の辻〜
〜綺羅火(古代編)〜

音盤物語 巻之四 隻眼稲荷・七人御先[編集]

〜隻眼稲荷〜
〜七人御先〜

音盤物語 巻之五 衣通姫の恋[編集]

外部リンク[編集]