入江聖奈

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入江 聖奈 Boxing pictogram.svg
個人情報
生誕名入江 聖奈
フルネーム入江 聖奈
国籍日本の旗 日本
生誕 (2000-10-09) 2000年10月9日(21歳)
鳥取県米子市
身長164 cm (5 ft 5 in)
スポーツ
競技ボクシング
階級 フェザー級
所属 日本体育大学
特徴 右オーソドックス
獲得メダル
オリンピック
2020 東京 フェザー級
ASBCアジアU22選手権
2022 タシケント フェザー級
AIBA世界ユース選手権
2018 ブダペスト フェザー級

入江 聖奈(いりえ せな、2000年(平成12年)10月9日 - )は、日本の女子アマチュアボクシング選手である。鳥取県米子市出身[1]日本体育大学在学中。

2021年開催の東京オリンピック ボクシング 女子フェザー級 金メダリスト。日本女子ボクシング界初の金メダル受賞者[2]

来歴[編集]

市立義方小学校[3]2年生の時に読んだ小山ゆうの漫画『がんばれ元気』の影響で米子市内唯一のボクシングジム「シュガーナックルボクシングジム」に入門[1]。ジムの会長である伊田武志に指導を受けた。

市立後藤ヶ丘中学校では陸上部に所属していた。800m走を専門とし、1年時に全国中学駅伝に出場した[1]

県立米子西高校からボクシングに専念した。1年時に並木月海に敗れるも、2、3年の全日本女子選手権(ジュニア)を連覇した[1]。国際大会でも2018年世界ユース選手権にて銅メダルを獲得した[4]

2019年、日体大へ進学した。同年の世界選手権日本代表に選ばれ、本戦では準々決勝に進出した[5]が、ネスティー・ペテシオに敗れベスト8で終わった(ペテシオは金メダル獲得)[6]

12月8日、東京オリンピックアジア・オセアニア予選日本代表を決めるボックスオフで全日本チャンピオン晝田瑞希を下し代表を手にした[7]

2020年3月の予選では準々決勝でペテシオに4-1判定で勝利し、2012年ロンドン大会より採用された女子ボクシングで日本勢の出場第1号となった[6]。決勝まで進むが、2018年世界選手権優勝の林郁婷英語版に敗れ準優勝[8]

2021年、東京オリンピックボクシング女子フェザー級日本代表として出場。7月24日、エルサルバドルヤミレト・ソロルサノ英語版に判定勝ちし、五輪のボクシング女子初の日本人選手として初勝利を収めた[9]。また、準々決勝はルーマニアマリアクラウディア・ネクタ英語版を3-2の僅差の判定で勝利し、この時点で日本ボクシング女子選手史上初のメダリストが確定した。また、準決勝でイギリスカリス・アーティングストール英語版に3-2の判定で勝利した[10]。8月3日、決勝でフィリピンのネスティー・ペテシオを5-0の判定で破り金メダルを獲得した[11]。日本女子アマチュアボクシング選手として史上初の金メダリストであり、また全種目を通じて鳥取県出身選手では史上初の金メダリストとなった[11]。同年11月の全日本選手権フェザー級では3年(2大会)ぶり2度目の優勝を果たした[12]

2022年1月、ウズベキスタンの首都タシケントで開催されたアジアU22選手権の女子フェザー級で金メダルを獲得し、本大会の女子最優秀選手にも選ばれた[13][14]

東京オリンピック ボクシング 女子フェザー級において金メダルを獲得した功績をたたえ、2022年3月29日、鳥取県米子市の米子市役所前に記念のゴールドポスト(第79号)が設置された(ゴールドポストプロジェクト[15])。

人物[編集]

好きで蛙の飼育や蛙に関する品物の収集をしている他、休日には蛙の観察などに出かける[16][17][18][19]。実家では「ジャイ子」と名付けたツノガエルを飼っている[3]。東京オリンピックでの金メダル獲得後、鳥取県から県民栄誉賞と県スポーツ最高栄冠賞の授与を受けた際には、併せて鳥取砂丘の砂で作られた蛙がデザインされたメダルも贈呈された[20]。日体大卒業後は蛙関連の職種に就きたい願望を持っている[17]

日体大では心理学のゼミに所属し、「浮気の境界線」について研究する[3]

蛙以外の趣味はYouTube観賞やゲームなどインドア派で、東京オリンピックの選手村にもNintendo Switchを持ち込んだ。ほか、海外遠征時には必ずカップ麺を持ち込み、中でも日清焼そばUFO一平ちゃんを好む[21]

漫才コンビ「ガンバレルーヤ」のまひるの母と入江の母親が少女時代から親友同士だったため、まひると入江の二人も幼い頃から交友関係がある[22]

小・中学校の同級生に飛込競技選手の三上紗也可がいる[1][3][23]

ボクシング競技は大学4年時の全日本選手権までで区切りをつけ、卒業後は競技を続けない意向を示している[24]

「聖奈」という名前はF1ドライバーのアイルトン・セナに由来する[21]

大学の在学中の先輩に瀬川紗代がいる[25]

死ぬまでに日本で一番高いところでバンジージャンプを飛びたいという希望を持っている[26]

2022年7月17日に行われた「関東大学女子トーナメント」では、日体大内部の事情で本来のフェザー級より2階級上のライトウエルター級で出場。上限の63キロに届かない61キロで出場するものの、日体大の主将としてチームを総合優勝に導いた[27]

戦歴[編集]

受賞歴[編集]

  • 鳥取県県民栄誉賞(2021年)[20]
  • 鳥取県スポーツ最高栄冠賞(2021年)[20]
  • 米子市市民栄光賞(2021年)[28]
  • 紫綬褒章(2021年)[29]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e “ボクシング女子・入江聖奈、日本を金で埋め尽くせ!「金メダル空白県」に栄光の輝きを”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2020年12月9日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2020/12/09/kiji/20201208s00021000593000c.html 2021年1月30日閲覧。 
  2. ^ 東京五輪女子ボクシング金・入江聖奈に「セブンルール」密着”. 産経ニュース (2022年1月18日). 2022年1月18日閲覧。
  3. ^ a b c d “入江聖奈(いりえ・せな)ってこんな子 日体大では心理学のゼミ「浮気の境界線」について研究/BOX”. サンスポ. (2021年8月3日). https://www.sanspo.com/article/20210803-LWP5JRVH5JMHDMX3ANE4M3YQOY/?outputType=theme_tokyo2020 2021年8月4日閲覧。 
  4. ^ “宇佐美正パトリックと入江聖奈が銅”. ボクシングモバイル. (2018年9月1日). https://boxmob.jp/sp/news/index.html?nid=22306&n=1 2021年1月30日閲覧。 
  5. ^ 【世界女子選手権】並木月海・入江聖奈が準々決勝へ進出!”. 一般社団法人日本ボクシング連盟 (2019年10月9日). 2021年1月30日閲覧。
  6. ^ a b “入江聖奈、女子ボクシング五輪1号!宿敵の世界女王に判定勝ち「一番うれしい」”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2020年3月10日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2020/03/10/kiji/20200310s00021000156000c.html 2021年1月30日閲覧。 
  7. ^ “女子ボクシング五輪予選代表決定戦:フライ級は並木月海、フェザー級は入江聖奈、ライト級は濱本紗也が予選進出”. オリンピックチャンネル. (2019年12月8日). https://olympics.com/ja/news/女子ホクシンク五輪予選代表決定戦-フライ級は並木月海-フェサ-級は入江聖奈-ライト級は濱本紗也か予選進出 2021年1月30日閲覧。 
  8. ^ “女子フェザー級決勝 入江聖奈、劣勢ばん回できず完敗で準V”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2020年3月12日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2020/03/11/kiji/20200312s00021000062000c.html 2021年1月30日閲覧。 
  9. ^ “入江聖奈、歴史的1勝!日本女子ボクシング五輪初出場で初勝利”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2021年7月24日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2021/07/24/kiji/20210724s00021000526000c.html 2021年8月3日閲覧。 
  10. ^ “「黄金」の輝き見えた 女子ボクシング・入江聖奈の銀メダル以上が確定!ペテシオとの決勝は3日”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2021年7月31日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2021/07/31/kiji/20210731s00021000393000c.html 2021年7月31日閲覧。 
  11. ^ a b “入江聖奈がフェザー級で金メダル ボクシング女子で日本選手初”. 毎日新聞. (2021年8月3日). https://mainichi.jp/articles/20210803/k00/00m/050/074000c 2021年8月3日閲覧。 
  12. ^ “五輪金の入江聖奈は“75秒殺”で全日本2度目のV 課題のボディーも決めた「0・5歩前進」”. スポニチアネックス. (2021年11月28日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2021/11/28/kiji/20211128s00021000342000c.html 2021年11月28日閲覧。 
  13. ^ “入江聖奈が五輪後初の国際試合で優勝 圧勝でU-22アジア選手権制す”. デイリースポーツ. (2022年1月29日). https://news.yahoo.co.jp/articles/593d840add0b705cad2c34b774b582a279c1e1e9 2022年1月31日閲覧。 
  14. ^ 日本ボクシング連盟Twitter2022年1月30日”. Twitter. 日本ボクシング連盟 (2022年1月30日). 2022年1月31日閲覧。
  15. ^ ゴールドポストプロジェクト”. 首相官邸 オリンピック・パラリンピックレガシー推進室. 2022年6月6日閲覧。
  16. ^ 【東京五輪】ボクシング入江聖奈選手 金メダル獲得会見 ノーカット版”. YouTube. 【公式】日テレNEWS (2021年8月3日). 2021年8月3日閲覧。
  17. ^ a b “ボクシング女子・入江聖奈、金メダル獲得直後にケロリと引退表明「カエル関連で就職できたら」”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2021年8月3日). https://hochi.news/articles/20210803-OHT1T51118.html 2021年8月3日閲覧。 
  18. ^ 【入江聖奈Ver.】女子ボクサーのオフの過ごし方【東京五輪代表】”. YouTube. 女子ボクシングガールズ【キトウビログ】 (2021年4月28日). 2021年8月3日閲覧。
  19. ^ “五輪女子ボクシング・入江 大好きカエルパワーで金獲り!特製グッズで地元鳥取も応援”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2021年8月1日). https://www.sponichi.co.jp/society/news/2021/08/01/kiji/20210801s00042000134000c.html 2021年8月3日閲覧。 
  20. ^ a b c “入江聖奈選手 金メダルおめでとう! : 鳥取県”. https://www.pref.tottori.lg.jp/299033.htm 2021年8月19日閲覧。 
  21. ^ a b “入江 女子フェザー級金王手!カエル好き20歳が歴史をカエル、3日決勝もカエル作戦”. Sponichi Annex. (2021年8月1日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2021/08/01/kiji/20210801s00021000139000c.html 2021年8月4日閲覧。 
  22. ^ "ボクシング入江 幼なじみのガンバレルーヤまひると十数年ぶり再会 鳥取県のイベントで同席". Sponichi Annex. スポーツニッポン新聞社. 19 November 2021. 2021年11月19日閲覧
  23. ^ “三上 紗也可(飛込)|TOKYO2020大会”. 日本体育大学. https://www.nittai.ac.jp/olympic/tokyo/athlete/olympic/mikami.html 2021年8月4日閲覧。 
  24. ^ “ボクシング金メダルの入江聖奈、“誤解”受け改めて説明「『引退』は今すぐではなく…」”. Sponichi Annex. (2021年8月3日). https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2021/08/03/kiji/20210803s00021000580000c.html 2021年8月4日閲覧。 
  25. ^ FUJI BOXING・ダブル日本タイトルマッチ FODプレミアムでLIVE配信”. 産経ニュース (2021年12月7日). 2021年12月7日閲覧。
  26. ^ 入江聖奈 人生で達成したい〝新たな夢〟はバンジージャンプ「日本一の場所で」”. 東京スポーツ (2022年6月29日). 2022年6月29日閲覧。
  27. ^ 入江聖奈 日体大主将でVも…まさかの2階級アップに「効かないし重たいし、もう無理」”. 東京スポーツ (2022年7月17日). 2022年7月19日閲覧。
  28. ^ <東京五輪>入江選手「恩返しできた」”. 読売新聞. 2021年8月21日閲覧。
  29. ^ 『官報』第250号、令和3年11月4日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]