先進運転支援システム

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先進運転支援システム(せんしんうんてんしえんシステム、ADAS: Advanced driver-assistance systems)は、自動車のドライバーの運転操作を支援するシステムである。安全なマンマシンインタフェースによって設計されたADASは、車の安全性、ひいては道路交通の安全性を高める。

日産 リーフ G プロパイロット(先進運転支援システムの一例)

概要[編集]

ADASは、安全でより良い運転のために車両システムを自動化・適応・強化するために開発されたシステムである。安全機能は、潜在的な問題を運転者に警告することにより、またはセーフガードを実施し、車両の制御を代行して衝突を回避することにより、衝突や事故を回避するように設計されている。適応機能は、ヘッドライトの制御の自動化、自動クルーズ制御、自動ブレーキ制御、GPS/交通警報の提供、スマートフォンへの接続、他の車や危険についての運転手への警報、車線制御、死角にあるものを見せるなどの機能である。

ADASには多くの形態がある。いくつかの機能は車に組み込まれているか、オプションとして利用可能である。また、後付けできるものもある[1]。ADASは、自動車用画像処理、LIDARレーダー画像処理コンピュータビジョン車載ネットワークなど、複数の情報源からの入力に依存している[2]。また、車両単体からの情報だけでなく、ほかの車両、または携帯電話やWi-Fiネットワークなどから追加の情報を得ることもできる。

ADASは、車載エレクトロニクス分野で最も急成長を遂げている分野の一つである[3]。車載用安全システムISO 26262などの業界全体の品質基準の採用率が着実に増加しており、イメージセンサの品質基準IEEE 2020[4]やVehicle Information API[5]などの通信プロトコルなど、特定の技術の標準も開発されてきている。

次世代のADASは、3GLTEなどのワイヤレスネットワーク接続の活用(V2N: Vehicle to cellular Network)、ほかの車両との通信(V2V: Vehicle to Vehicle、車車間通信)、歩行者との通信(V2P: Vehicle to Pedestrian)、路端のインフラとの通信(V2I: Vehicle to roadside Infrastructure、路車間通信)などを使用して価値を向上させる[6]。車両対他装置・インフラ等は総称してV2X(Vehicle to Everything)と呼ばれる。

開発[編集]

2014年3月31日、アメリカ合衆国運輸省の国家道路交通安全局(NHTSA)は、2018年5月までに、1万ポンド(4.5トン)以下の全ての新しい車両にリアビューカメラを設置することを義務付けると発表した[7]。この法律は、アメリカ合衆国議会によって"Cameron Gulbransen Kids Transportation Safety Act of 2007"(2007年のキャメロン・ガルブランセン子供交通安全法)と名付けられた。この名前は、父親がバックさせたSUVに轢かれて死亡したキャメロン・ガルブランセン(当時2歳)にちなんで命名された[8]

GMは、2013年のキャデラックATS以降のキャデラックで、振動座席警告を提供している。運転手が高速道路の走行車線から逸脱し始めると、座席の逸脱した方向の側が振動し、運転手に危険を警告する。安全警告座席は、正面に脅威が検出されたときに座席の両側を振動させる[9]。このシステムは、AFIL(Lane Departure Warning)システムの一環として、2006年にシトロエンによって初めて提供された(居眠り運転検知英語版も参照)。

エンジン始動連結装置英語版は、呼気中のアルコール濃度が規定値を上回っている場合にエンジンを始動させないようにする装置である[10]。交通安全のための自動車連合と国家道路交通安全局は、アルコール検知装置を全ての車に設置するためのドライバーアルコール検知システム(DADSS: Driver Alcohol Detection System for Safety)プログラムを実施している[11]

ADASの例[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ US: Mobileye intros smartphone connected driver assistance (ADAS) technology”. Telematics News (2012年1月12日). 2012年1月12日閲覧。
  2. ^ UK: AutoSens 2016 conference bring together ADAS specialists”. Sense Media Group (2016年3月1日). 2016年3月1日閲覧。
  3. ^ Ian Riches (2014年10月24日). “Strategy Analytics: Automotive Ethernet: Market Growth Outlook | Keynote Speech 2014 IEEE SA: Ethernet & IP @ Automotive Technology Day”. IEEE. 2014年11月23日閲覧。
  4. ^ UK: IEEE 2020 - Automotive System Image Quality Working Group”. Sense Media Group (2016年6月8日). 2016年6月8日閲覧。
  5. ^ UK: Vehicle Information Access API”. W3C (2016年6月8日). 2016年6月8日閲覧。
  6. ^ ADAS Definition”. Autoconnectedcar.com. 2012年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月15日閲覧。
  7. ^ NHTSA Announces Final Rule Requiring Rear Visibility Technology | National Highway Traffic Safety Administration (NHTSA)”. Nhtsa.gov (2014年3月31日). 2014年7月15日閲覧。
  8. ^ U.S. DOT Proposes Rear View Visibility Rule to Protect Kids and the Elderly | National Highway Traffic Safety Administration (NHTSA)”. Nhtsa.gov (2010年12月3日). 2014年7月15日閲覧。
  9. ^ Cadillac XTS Safety Seat Alerts Drivers to Dangers”. Media.gm.com (2012年3月27日). 2014年7月15日閲覧。
  10. ^ Lynn Walford @MobiWriter (2014年6月11日). “How ignition interlock devices can stop drunk drivers in their tracks”. TechHive. 2014年7月15日閲覧。
  11. ^ Why are we here? | Alcohol Detection”. Dadss.org. 2014年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月15日閲覧。

外部リンク[編集]