傾斜計

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

傾斜計(けいしゃけい)は、傾斜を測定する測定器である。広義には水準器も含む[1]

対象物は人[2][3]、人口構造物[4]、地盤など[5]

分類[編集]

地震工学分野や地質分野に於いて傾斜計は4種類に分けられることがある。

Schluter の考案によるもの。
天秤型で、天秤の支点近くにその重心を置くと、その天秤の振動の周期がほとんど無限になり、地盤の変動(傾斜)に鋭敏に反応するという性質を利用したものである。支点の近くに鏡を設置し、離れた所から望遠鏡で鏡に映じる像を観測すると、地盤の傾斜に伴う鏡の相対的な回転によって、地盤の傾斜角が測定できる。
Davidson, Darwin 両者によるもの。
短い棒の下端に錘をつるし、その棒の両端をそれぞれ長さ 4.5m および 0.5m の糸でつるす。地盤がこの棒に対して直角の方向に傾斜すると、吊り糸が等しくないために、棒はねじられる。したがってそのねじられた角度を棒に取り付けられた鏡で読み取ると、地面の傾斜角が算出される。簡単な方法でありながら地盤の傾斜角を 1/2000 sec くらいまで測定できる。
水平振り子を利用するもの。
構造は水平振り子地震計と同じである。水平振り子は特に地面の傾斜には敏感であるから、 1/1000 sec 以下の傾斜角まで測定できる。多くの人々によって考案され、石本巳四雄の傾斜計もこの種であった。ガリッチン地震計と同じ種類で、ただしすべては水晶製で、温度の変化による伸縮の影響を取り除いてあった。
水準器を利用したもの。
長い円筒の中に水を入れ、地中に水平に埋め、地盤の傾斜によって円筒の両端の水準面の上下の変化を測定し、これによって地面の傾斜角を測定する。この種で優秀なものはマイケルソンのもので、長さ約 150 m 、直径 15cm の鉄製の円筒を地下深さ約 2 m に水平に埋め、半分ほど水を入れ、両端の水面の変化を光の干渉を利用して精密に測定する。これによれば地盤の傾斜を10万分の1 sec 以下まで測定し得るという。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 崔成日, 高橋和也, 堤正臣, 佐藤隆太「5軸制御マシニングセンタの傾斜回転軸位置決め精度測定方法の開発 : ロータリエンコーダと水準器を使った傾斜計の開発」『精密工学会誌』第73巻第9号、精密工学会、2007年9月、 1040-1045頁、 doi:10.2493/jjspe.73.1040ISSN 09120289NAID 110006420370
  2. ^ 妹塚裕行, 安部信子, 中村和夫, 甲斐之尋「矢状面レントゲン画像とデジタル傾斜計での姿勢評価」『九州理学療法士学術大会誌』九州理学療法士学術大会2019、日本理学療法士協会 九州ブロック会、2019年、 15-15頁、 doi:10.32298/kyushupt.2019.0_15NAID 130007760764
  3. ^ 和田直樹, 山本澄子「若年者と比較した高齢者の座位から歩行までの動作の特徴:─骨盤と体幹の動きに着目して─」『理学療法科学』第36巻第1号、理学療法科学学会、2021年、 21-28頁、 doi:10.1589/rika.36.21ISSN 1341-1667NAID 130007990238
  4. ^ 藤生慎, 大原美保, 目黒公郎「遠隔建物被害認定システムのための写真撮影アプリケーションの開発」『生産研究』第65巻第4号、東京大学生産技術研究所、2013年、 453-457頁、 doi:10.11188/seisankenkyu.65.453ISSN 0037-105XNAID 130003384399
  5. ^ 鹿熊英昭「地震観測のセンサ(<特集>地震予知と精密工学)」『精密工学会誌』第71巻第11号、精密工学会、2005年11月、 1330-1334頁、 doi:10.2493/jjspe.71.1330ISSN 09120289NAID 10016765608