個物 (哲学)
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個物(こぶつ、英:particular,individual)は、形而上学における具体的な存在。普遍と対比される[1][2]。個物はしばしば具体的な時空的存在と見なされ、性質や数のような抽象的存在とは対置される。ただし、抽象的個物(トロープ)を認める理論もある。たとえばソクラテスは個物である(プラトンの師であるソクラテスはただ一人であり、たとえばクローンによって彼を「複製」しようとしても、それは新たに別個の個物を導入することになるだけで、同一のソクラテスを増やすことにはならない)。これに対して赤さは個物ではない。というのも、それは抽象的であり、多重に例化されるからである(例:自転車、リンゴ、ある女性の髪がいずれも赤い)。唯名論では、普遍は存在せず、万物は個物だとされる。この立場では、ある時点における「普遍」は、個物の集合に等しい。
概要
[編集]シビル・ウォルフラム(英語版)は次のように述べる[3]。
ある種の用語は、最適な定義に合意がないとき、哲学者たちによっておおまかな意味理解のまま使われることがある。普遍の問題の解決案を定式化する際に、「個物」という語が、「抽象的な普遍としての『赤さ』」に対して、あるリンゴの赤さという個別の事例を指すために用いられることがある。
「個物」という語はまた、アリストテレス的な「個別的実体」の近代的同義語としても用いられる。この意味で使うとき、「個物」は空間的・時間的かどうかにかかわらず、あらゆる具体的(個体的)存在を意味し得る。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ↑ Honderich, Ted (2005). "particulars and non-particulars". The Oxford Companion to Philosophy. Oxford University Press.
- ↑ Craig, Edward (1996). "Particulars". Routledge Encyclopedia of Philosophy. Routledge.
- ↑ Sybil Wolfram, Philosophical Logic, Routledge, London and New York, 1989, ISBN 0-415-02317-3, page 55.