仲の神島
仲の神島 | |
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所在地 | 日本(沖縄県八重山郡竹富町) |
所在海域 | 東シナ海 |
所属諸島 | 八重山列島 |
座標 | 北緯24度11分42秒 東経123度33分50秒 / 北緯24.19500度 東経123.56389度座標: 北緯24度11分42秒 東経123度33分50秒 / 北緯24.19500度 東経123.56389度 |
面積 | 0.18[1] km² |
海岸線長 | 1.26[2] km |
最高標高 | 102[3] m |
プロジェクト 地形 |
仲の神島(なかのかみしま)は、八重山列島にある無人島である。
概要
[編集]西表島の南西約16kmに位置する[2]。行政区域としては沖縄県八重山郡竹富町字崎山に属し、全島及び周辺海域は西表石垣国立公園の指定区域の一部を構成する[4]。全域が国有地である。
島の周囲は、釣りやスクーバダイビングのスポットとなっている[5]。
名称
[編集]「仲ノ神島」[4][6]、「仲之神島」[7]とも表記される。
また、「なかのうがんじま」[4]、「なかのおがんじま」[8]とも呼ばれ、「仲御神島」[4][8][9]、「仲の御神島」[10]、「仲之御神島」[11]、「仲之御嶽島」[4]等と表記する。国土地理院の2万5千分の1地形図の分図名は「中御神島」とされており[12]、同島に位置する二等三角点も「中御神島」とされる[13][注釈 1]。
方言では「ナカヌオン」、「ナニワン」、「ナリワン」と呼ぶ[4]。ダイバー等からは「オガン」という通称で呼ばれる[5][15]。
地理
[編集]島は、ほぼ東西方向に細長く、東西約1.5km、南北約 0.3km[3]、周囲1.26km[2]。大小2つの丘が連なり、海上からはひょうたん形に見える。島の周囲は崖で、内陸部は草地になっている[3]。島の最高地点は標高102mの中森[13]。東端には北割(にしばり)、西端には天馬崎と呼ばれる岬がある[4][13]。
地質は、新第三紀中新世に形成された八重山層群の砂岩とそれが風化した砂礫質で構成されており、中央部では厚さ1m程度の腐食土が発達している[4]。
生物
[編集]動物
[編集]日本有数の海鳥の繁殖地として知られており、セグロアジサシをはじめ、オオミズナギドリ、カツオドリ、アカオネッタイチョウ、クロアジサシ、エリグロアジサシ、ベニアジサシなど1万羽を越える海鳥が営巣する[3][16]。これらにより1972年(昭和47年)5月15日に「仲の神島海鳥繁殖地」として国の天然記念物に指定されており、島への上陸には環境省の許可が必要である[2][17]。また、1981年(昭和56年)3月31日には、国指定「仲の神島鳥獣保護区」(集団繁殖地)に指定され(面積18ha)[18]、1998年(平成10年)には全域が「仲の神島特別保護地区」に指定されている[19][20]。
日本のオオミズナギドリの繁殖地の多くでは第二次世界大戦の戦前、戦中、戦後の時期に組織的に捕獲が行われ、いくつかの繁殖地では生息数が激減した。本島でもオオミズナギドリを含む海鳥類の組織的採集や、近隣住民によるの入島採取が行われた[21]。
植物
[編集]分布する植物の種類は多くないが、島の中央部ではガジュマルが強い潮風のために匍匐状に生育している[3]。タイワンハマサジは、日本国内では本島のみに分布しており、環境省及び沖縄県のレッドリストでそれぞれ絶滅危惧IA類(CR)に指定されている[22]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “国設仲の神島鳥獣保護区設定計画書”. 環境省. 2024年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月23日閲覧。 - 鳥獣保護区の区域を「仲の神島全域の区域」とするとともに、総面積を「18 ha」(= 0.18 km2)としている。
- ^ a b c d 仲の神島 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ a b c d e “国指定仲の神島鳥獣保護区仲の神島特別保護地区計画書【指定】(環境省案)”. 環境省. 2024年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 「仲御神島」、日本歴史地名大系(オンライン版) ジャパンナレッジ(『日本歴史地名大系』 平凡社、1979年-2002年 を基にしたデータベース)
- ^ a b “西表島・神聖なるオガン 沖縄ダイビング”. Diver Online (2016年12月31日). 2021年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月21日閲覧。
- ^ 東海大学沖縄地域研究センター主任研究員 河野裕美「(47)八重山諸島・仲ノ神島海鳥集団繁殖地を見つめて」『東海大学新聞』2005年7月20日。オリジナルの2006年8月27日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『【お知らせ】北海道で保護されたアカアシカツオドリの放鳥について』(プレスリリース)那覇自然環境事務所、2008年12月12日。オリジナルの2020年8月8日時点におけるアーカイブ 。
- ^ a b “仲御神島(なかのうがんじま)とは?”. コトバンク. 2024年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月21日閲覧。
- ^ 「オオミズナギドリ、釣り針のみ息絶える 名護の海岸で発見」『琉球新報』2015年5月18日。オリジナルの2015年12月18日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『広域監視艇「さきしま」を配備』(プレスリリース)沖縄地区税関、2007年4月25日。オリジナルの2012年8月20日時点におけるアーカイブ 。
- ^ “日本最南端の町”. ぱいぬ島ストーリー. 沖縄県竹富町観光協会. 2017年11月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月21日閲覧。
- ^ “2万5千分1地形図の図名及び区画を定める達(令和5年6月30日 国地達第11号)” (PDF). 国土地理院. 2024年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月21日閲覧。
- ^ a b c “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2014年7月12日閲覧。 - 「基準点検索」の「詳細検索」で検索方法として「基本基準点コード」を選択し「TR23623243402」で検索。
- ^ “離島の高さ”. 国土地理院. 2024年5月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月21日閲覧。
- ^ “オガン(おがん)とは?”. コトバンク. 2021年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月21日閲覧。
- ^ 河野裕美、安部直哉、真野徹「仲の神島の海鳥類」『山階鳥類研究所研究報告』第18巻第1号、1986年、1-27頁。
- ^ 仲の神島海鳥繁殖地 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ “仲の神島鳥獣保護区 鳥獣保護区計画書” (PDF). 2014年7月12日閲覧。
- ^ “仲の神島鳥獣保護区 特別保護地区計画書” (PDF). 2014年7月12日閲覧。
- ^ 『自然環境保全審議会野生生物部会の答申等について』(プレスリリース)環境省、1998年9月29日。オリジナルの2023年6月8日時点におけるアーカイブ 。
- ^ 岡奈理子「オオミズナギドリの繁殖島と繁殖個体数規模,および海域,表層水温との関係」『山階鳥類学雑誌』第35巻第2号、2004年、164-188頁。
- ^ 新城和治; 松村俊一; 比嘉清文; 横田昌嗣『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版 菌類編・植物編 3.4 維管束植物』(レポート)沖縄県、2017年3月、238頁。オリジナルの2024年8月25日時点におけるアーカイブ 。
参考文献
[編集]- “第2次竹富町海洋基本計画” (PDF). 竹富町 (2018年6月). 2023年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月21日閲覧。