人間大砲

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1887年のフランスのポスター
1877年の人間大砲とザゼル

人間大砲(にんげんたいほう、英語: human cannonball act)は、サーカスなどで行われる曲芸の一つで、曲芸用に作られた大砲から、人間を打ち出し、予め想定された落下地点に置かれた水平に張られたネット、もしくは緩衝用のマットになどに着地させるものである。

歴史[編集]

最初にこの技が演じられたのは1877年で、ロンドンロイヤル・アクアリウムで14歳の少女、「ザゼル」(本名、Rossa Matilda Richter)によって演じられた[1]。カナダ人の曲芸師で興行者のウィリアム・レーナード・ハント(芸名、グレート・ファリーニ)がバネ式の大砲を発明した。その後もザゼルはサーカス・ツアーで演じたが、発射のためにゴムを用いた大砲は、飛距離が短く、ザゼルが失敗して背中を痛めた後、演じるのをやめた。

1920年代になって、アメリカのサーカス団のオーナーのザッキーニ(Ildebrando Zacchini)が圧縮空気を使う大砲を発明し、息子に人間大砲を演じさせた[2]。ザッキーニ一家は後に、有名なサーカス団、リングリング・ブラザース(Ringling Brothers)のサーカス殿堂(Circus Hall of Fame)に殿堂入りした[3]

現在までの人間大砲で飛行した距離の記録は2011年のミラノで、スミス(David "The Bullet" Smith Jr.)59.05mを飛行したものであるとされ[4]、120 km/hの速さで打ち出されたことになり、最高23mの高さに達したと推定される。同名の父親(David "Cannonball" Smith Sr.)は2002年にミネソタで61.06mを飛んだと主張している[5]

サーカスでは視覚の効果を出すために火薬を使って、砲声や白煙を発生させる演出が取られる。危険な曲芸でこれまで30人以上が死亡しており、2011年にもアメリカでネットが壊れて死亡事故が発生した[6]

参考文献[編集]

  1. ^ Human cannonball”. Dictionary.com. 2012年8月14日閲覧。
  2. ^ Trigger man behind human cannonball dies”. Sarasota Herald-Tribune. 2012年8月14日閲覧。
  3. ^ Ildebrando Zacchini”. Find A Grave. 2012年8月14日閲覧。
  4. ^ www.guinnessworldrecords.com”. 2012年7月25日閲覧。
  5. ^ Human Cannonball Show”. 2012年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月9日閲覧。
  6. ^ “'Human cannonball' killed in Kent stunt show”. BBC News. (2011年4月26日). http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-kent-13189254