人相占い

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人相学の本の挿絵(19世紀)
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人相占い(にんそううらない)または人相学観相学(かんそうがく、英語: Physiognomy)とは顔相、骨相、体相など、人体のつくりから性格や生涯の運勢を割り出す占いまたは学問の一種である。西洋と東洋のそれぞれに伝統がある。現在は人相といえば、ほとんどが顔相のことを指す。

歴史[編集]

西洋[編集]

ヨーロッパでは古くから人相学の研究が盛んに行われ、古代ギリシャではヒポクラテスアリストテレスプラトンなどが古代西洋人相学の基礎を築いたと言われる。アリストテレスの門人(ペリパトス派)は『人相学』を著した。18世紀にはスイスラヴァーターがそれまであった多くの文献をまとめた『人相学断章』を著した。またドイツクレッチマーなどは現代科学の側面から人相を研究した。

東洋[編集]

中国における人相占いは「相人」「相人術」と呼ばれ、「術数学中国語版」の下位分野にあたる[1]。相人術の歴史は古く、漢代には既に存在した。1970年代には、漢代当時の相書(相人術の書物)『木人占』が、馬王堆漢墓から出土した[1]

日本で最も古い相書とされるものは室町時代天山阿闍(てんざんあじゃ)著の『先天相法』である。江戸時代前期の元禄時代にはアジアから大量の相書が輸入され、民衆の間に人相学が広まった。この頃から浮世絵などで人物の性格を表すのに人相学が使われるようになった。江戸時代後期には水野南北が一家を成した。明治時代には目黒玄竜子が熱心に研究し、二代・目黒玄竜子は人相学を体系付けたと言われる。

内容[編集]

顔相といっても顔のつくりだけを見るのではなく、表情、眼鏡のかけ方、化粧まで見る。大きな意味でその人そのものを見ると言ってよい。ヘアースタイルを見ることは少ない。人相学の大原則として、

  • 栄養質
  • 筋骨質
  • 心性質

というものがある。栄養質とは女性に本質的なもので、男性の中にどれだけ女性的な要素が含まれているかを見る。筋骨質とは名前からも分かる通り男性に本質的なもので、女性の中にどれだけ男性的な要素が含まれているかを見る。心性質とは知能の程度を表す。全体的な傾向として上がり気味だと筋骨質、下がり気味だと栄養質が入っていると言える。

各部分[編集]

観相学における顔の各部の名前

は大きく三つに分け、それぞれの部分で人生を見るとされる。額から上を上停と言い、年齢的には25歳ごろまでを表す。心性質がよく出、先祖のこと、育ち、信仰心などが分かるとされる。中停は25歳から45歳ごろまでを指し、その人の意思の強弱、決断、実行力などを表す。筋肉質が主となるところ。下停は老年時代で、家庭のこと、三停五管をいうものがある。

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額の形は一歳までのものがその人本来のもので、幼児期に多少変わっても大人になると元に戻る。左右に広がる形のものは長男長女の相、丸っこいものは三男四男の相とされる。長男でも丸っこいものは長男向きでなく、最上部の天中といわれる部分に大きな穴がある人は先祖の悪い因縁を受け継いだ人という。

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顔相においては非常に重要視される。の形がどうであれそれらを合わせても判断は4割程だが、目のみでもおよそ7割の判断が出来るといわれている。顔相では眼尾のことを魚尾黒目のことを黒睛白目のことを白睛瞳孔のことをという。目頭にある肉球を怒肉と言うがこれ自体は判断で特に用いない。白目の色、目の上がり方下がり方、眼光等を見るわけだが、このうちで最も判断が難しいのが眼光である。ガラス球のような光だと性欲が強いなどというが、これは相者によって判断が異なる場合が多い。白目は厳密に言うと純白ではなくやや黄色がかった色が健康とされる。

東アジアでは重瞳は貴人の相とされ、『関八州古戦録』巻三には、「金骨(世俗を超越した風格)の相」として記述が見られる。

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鼻は顔相だけでなく人類学などでもよく取り上げられるが、鼻は気候風土と密接に関係しているといわれる。長い鼻は寿命が長いが、高い鼻は高慢で攻撃的になりやすいなどと言われる。鼻の長さは顔の長さの三分の一が標準であるが、日本人は鼻が短い傾向にあるので三分の一より少し短い位が標準とされる。鼻と性生活の関係は一般に言われる通りあるとされ、鼻にホクロや傷があると性機能が不十分であると言われる。特に鼻が長ければ性欲旺盛とされるわけではない。

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福耳と呼ばれる、耳たぶが大きくて分厚い形をしている、金運・幸運に恵まれる人相がある。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 大野, 裕司『戦国秦漢出土術数文献の基礎的研究』北海道大学出版会、2014年、29-30;120。ISBN 978-4832968028

関連書籍[編集]

関連項目[編集]