人生相談

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人生相談(じんせいそうだん)とは、人生上の「悩み」や「迷い」に関して相談すること。またそれにアドヴァイスやヒントを与えること。

一般における人生相談[ソースを編集]

一般的に「人生相談」と言えば、相談する人間が自分の人生上の諸々の問題について語り、それに対してどう対処するとよいのかについて、アドヴァイスヒントを求めることであり、また相談相手がそうしたアドヴァイスやヒントを与えることである。

人生相談では一般的に、相談相手はそれぞれの立場から、是非善悪を判断したうえで行動を指示したり、ものの考え方のヒントを与える。従って人生相談は基本的に、もっぱら心理的な治癒を目指す心理カウンセリングとは異なっており、またもっぱら法律上の対処を目的とした法律相談とも異なっている。例えばレイプ被害の女性の悩みであれば、精神的ケアの部分がカウンセリングであり、被害者として法的にとれる対処法の選択肢を教えたり弁護士として具体的な法的な手続きを請負い法的な手続きを進めようとするのが法律相談であり、それらとは別の、今後どのように生きてゆくかヒントを与えたり具体的に指示したりするのが人生相談である。

これらには基本的には明確な区別があるのである。心理カウンセリングでは、善悪をカウンセラーの個人的立場から断定して具体的な行動の指示を与えるようなことはできるだけ避けるので、異なっている。心理カウンセラーは、ケアをするためにはカウンセリングでは人生相談はしてはならない、という指導を受け、そういったトレーニングを受けて専門家になっているという事実がある、と言えばよりよく分かるだろう。ただし例えばの原因などは、職場や家庭における交遊関係あるいは金銭上のトラブルが原因であることが往々にあるので、人生相談と医療・法律相談の境界は明瞭には割り切れない問題でもある。人生相談の相談相手が、相談者の悩み(問題)の種類を判断して、各分野の専門家である弁護士や心理カウンセラーなどに相談してみることを勧めることはありうるのである。

人生相談の相手(回答者)として選ばれるのは一般に、年上の人物であり、直接面談する場合は、親族上司聖職者などが一般的である。このほか、電話による電話相談がある。また、読者・視聴者などに相談や回答の内容が公開される新聞テレビラジオ雑誌などにおける人生相談コーナーなども存在する[1]

人生相談の相談内容として最も多いのは、統計的に言えば、おおまかな分類では「人間関係[2]」や「金銭問題」である。他に多い内容としては仕事(や勉学)、健康病気)である。そしてそれらの問題が相互に絡みあっていることも多い。

いのちの電話[ソースを編集]

いのちの電話(いのちのでんわ)とは、孤独な中で自身の悩みについて相談する相手がいない者に対して、電話により匿名で相談に応じる慈善活動、もしくはその団体。

1953年イギリスロンドン聖公会司祭チャド・ヴァラーChad Varah)が始めた自殺予防のための電話相談に端を発する活動。

日本国外の例[ソースを編集]

日本における《いのちの電話》[ソースを編集]

日本の《いのちの電話》は、自殺を考えるほどの深い悩み・辛さを抱え、誰にも相談出来ずに孤独のうちにある人々の話との対話を電話で行っており[1]、また自殺予防の活動を行っている。全国に電話が配置されており[2]、半数ほどは24時間受け付けている。匿名での相談が可能であり、秘密を厳守してくれる。ボランティアによる活動であり、無料で相談することができる。

日本における最初の活動事例は、(旧西)ドイツ人の女性宣教師ルツ・ヘットカンプの提唱で1971年に設立された「東京いのちの電話」。電話相談は1971年10月1日より開始。1973年厚生省(当時)より社会福祉法人に認可された。1977年には日本いのちの電話連盟が結成され、協力団体の拡大に努めている。

開設当初は「自殺予防」という趣旨が伝わらず、自殺に関する相談はほとんど存在しなかった。現在でも直接自殺に関係する相談は全体の10%以下である。

日本語の他に英語スペイン語ポルトガル語での相談窓口も存在する。電話相談が活動の中心であるが、自殺予防に関する講演などの啓発活動も行っている。

「いのちの電話」は日本いのちの電話連盟の登録商標であり、「いのちの電話」を名乗るサービス・団体は《日本いのちの電話連盟》の承諾を得る必要がある。

なお、電話はフリーダイアルであることは稀で、たいていの場合発信者側の負担になる。そのため長時間や複数回にわたる通話は、電話代が非常に高額となることがある。特に借金を苦に自殺しようと考えている際は、さらなる金銭的負担を増やすことになるので、その点には注意が必要である。団体によっては、特定の日のみフリーダイヤルという場合もある。

人生相談番組[ソースを編集]

ラジオ[ソースを編集]

一般人向け[ソースを編集]

1965年、「ラジオというメディアを使い、人々の悩みや苦しみといった迷いを解決しよう」という当時のニッポン放送の編成マンと、開始当時の単独提供スポンサーであったライオン油脂の営業マンとが手を組み、現在も続く長寿番組『テレフォン人生相談』を始める。この番組は各専門家と番組パーソナリティとのやりとりを加え、いかに自らの心を開かせるかの真剣勝負で放送している。ラジオの人生相談番組はその後、TBSラジオが『ズバリ快答!テレフォン身の上相談』を開始。文化放送は『ダイヤル相談 幸せのアドバイス』(1967年1983年)を放送。どの番組とも日中の昼間、さまざまな問題事にまつわる助言などを流し、現在も高い聴取率を稼いでいた。また2007年度からは、同じTBSラジオで、浅草キッド司会による『全国おとな電話相談室』をも始めている。

若者向け[ソースを編集]

1995年秋、ニッポン放送制作の若者向け人生相談番組『ドリアン助川の正義のラジオ!ジャンベルジャン!』が作られた。相談内容も若者にふさわしく、いじめ・病気・恋愛・SEXなどがあったが、なかでも自殺が圧倒的だった。こういった問題にパーソナリティ自らが語りかける、いわゆる「トークラジオ」形式が人気を呼び、番組の支持率も高かった。メインパーソナリティ降板・番組終了に伴い、後継番組の『福山雅治のオールナイトニッポンサタデースペシャル・魂のラジオ』で人生相談コーナーを設けた時期もあったが、しばらく若者向けラジオ人生相談番組は空白となる。2005年秋から2009年3月まで、『ヤンキー先生!義家弘介の夢は逃げていかない』を放送。こちらは自殺などの社会問題ももちろん取り上げるが、メインとなっているのは若年からの結婚問題やいじめなどである。

社会人向け[ソースを編集]

2014年4月5日、TBSラジオが会社企業などの職場働くサラリーマンオフィス・レディー(OL)等といった社会人企業人向けに、新しい電話相談番組を編成した。それが2015年1月期現在も放送中の『週末お悩み解消系ラジオ ジェーン・スー 相談は踊る - LET'S SO DANCE! - 』である。この番組は、会社内・企業内などの職場で発生した「職場いじめ」・「職場喧嘩」・「パワーハラスメントなどの異性同志による暴力行為問題」・「セクシャルハラスメントといった異性の痴漢行為問題」などの相談問題に、司会進行役のパーソナリティー・DJらが自ら語り合い、職場内のモヤモヤとした悩みや苦しみなどを、一気に片付けて解決しようと企画された、社会人・企業人といった職業人向けにオンエアしている電話相談番組なのだ。

小中学生向け[ソースを編集]

TBSラジオ『全国こども電話相談室』やNHKラジオ第1放送夏休み子ども科学電話相談』といった小学生中学生向けの電話相談番組に、こうした悩み事についての相談が寄せられることもあるが、小中学生対象の人生相談番組は長らく編成されていなかった。2008年秋、『全国こども電話相談室』に代わって始まった『全国こども電話相談室・リアル!』(2008年10月~2015年3月)では、恋愛・いじめ・家庭環境などの相談内容について、パーソナリティのほか、相談者と同年代の子役を交えて議論した。

テレビ[ソースを編集]

テレビでは民放テレビの朝8時台 - 9・10時台や、昼3時のワイドショー番組で同様のコーナーが編成されていたが、日本テレビで放映されていたみのもんた司会の昼の情報番組『午後は○○おもいッきりテレビ』のテコ入れ策として始めた「ちょっと聞いてョ!おもいッきり生電話」(一部地域を除く)のコーナーが1989年春に開始されブレイクし、テレビにも人生相談ブームが起きるようになった。これに刺激されて、TBSでは『快傑熟女!心配ご無用』が90年台半ばより放送され、テレビ朝日も『ホットライン110番』を90年代前半期に一時期放送していた。2004年以降は、同じくTBSの『ズバリ言うわよ!』やフジテレビの『幸せって何だっけ 〜カズカズの宝話〜』などの細木数子出演の人生相談番組が高い人気を獲得した。

脚注[ソースを編集]

  1. ^ このうち雑誌の「人生相談」では、相談に乗ることそのものよりも、個性的な相談員の奇抜な回答を読者が楽しむことが目的となっている場合もあり、過去には星一徹(実際に回答を考えていたのは梶原一騎)やアントニオ猪木が相談員となった例があった。
  2. ^ 例えば、家族・親族の人間関係(との関係 、との関係、親子の不仲 など)、恋愛関係、職場や学校での人間関係、など

外部リンク[ソースを編集]