人四依

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人四依(にんしえ)とは、大乗経典の涅槃経に説く、仏滅後の末世(すなわち末法)に正しく依るべき4種の人をいう。四種人ともいう。法四依を受持する凡夫と声聞衆(須陀洹・斯陀含・阿那含・阿羅漢)のこと。ただし涅槃経ではこの4種人をただの凡夫・声聞と見ず菩薩と見る(後述)。

  1. 凡夫ではあるが、出家してなお煩悩を持ちながらも仏より聞いた所説を自ら正しく解し、他にも分別宣説する人で、よく菩薩の方便所行秘密の法を知る人。
  2. 仏より聞いた法を書写受持し読誦して他のために説く人で、これは須陀洹(すだおん)及び斯陀含の位にあっても菩薩にして、すでに受記(近い将来に仏と成ることを約束する)を得た人。
  3. 正法を護持する人と正法を宣説する人を分別し得る人で、阿那含の位にあっても、すでに受記を得て間もなく成仏する菩薩と名付く。
  4. 自ら煩悩を断じて自在に智慧を得て、仏道を成ぜんと大願を発せば何時でも成仏することのできる人で、これを阿羅漢というが実は如来と何ら異なるところはない。

これらの4種人が、仏亡き後の帰依処であると説いている。先の法華経では声聞衆に記別を与えたものの、声聞衆が菩薩、また如来・仏と同一視した記述はないが、涅槃経の記述は、法華経の説を更に推し進めたものである。涅槃経は仏の所説の中で最終最後にして、それまでの大乗・小乗といった論争を止揚すべく、これらの諸問題を乗り越えて、これまで説いている教えを最終的にすべて融和せんとする目標から編集記述されたものであることは特筆すべき点である。

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