京都大学11月祭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
京都大学 > 京都大学11月祭

京都大学11月祭(きょうとだいがく11がつさい)は京都大学において例年11月下旬に4日間行われる学園祭。英語での名称は直訳である「November Festival」。略して「NF」、あるいはそのまま「11月祭」と呼ばれることが多い。

概要[編集]

開催場所は大学キャンパスとしては有数の広さを誇る京都大学吉田キャンパス内吉田南構内および本部構内である。そのため学園祭の規模は「関西最大級」と喧伝(けんでん)されることが多いが、入場者数、模擬店の店舗数等の客観的な数値に基づいているわけではなく、単に模擬店の数や1日の来場者数ではこれを上回る大学祭もある。ただし4日間開催されることや、模擬店や音楽イベントだけでなくその他の各種イベントや展示企画も多彩であることも事実である。

運営に係る経費の大半は京都大学11月祭公式パンフレットに掲載される企業広告の掲載料で賄われており、例年、各企業に広告出稿を依頼している。公式パンフレットに掲載されている広告は、大学周辺にある飲食店のものから京阪神地域や東京等にある大企業のものまで多岐にわたっている。また、多くの大学祭は大学祭公式パンフレットを無料で配布しているが、当大学祭は200円の有料販売である。それでも企画が多彩であることなどから有料でも購入する来場者が多い。

ちなみに、京都大学11月祭はその理念として「学生の自主的創造的活動の場」であるとされており、京大生が行う個別の企画(後述する一般企画)単位で企業の協賛を受けることは禁止されている。

なお、11月祭と同時期に吉田キャンパス内北部構内では「北部祭典」という催しが行われる。これは理学部自治会および農学部自治会が開催しているものであり、京都大学11月祭とは別のイベントであるが、公式パンフレットには紹介記事が掲載されている。

11月祭の前日には吉田グラウンド内において京都大学11月祭前夜祭というイベントが開催される。これは京都大学応援団が主催するものであり、北部祭典と同様に11月祭とは独立したイベントであるが、公式パンフレットに紹介記事が掲載されているほか、その運営には事務局が協力している。

運営体制[編集]

11月祭の開催・運営主体は京都大学11月祭全学実行委員会(以下「全学実行委員会」)とされており、当委員会は例年5月下旬に結成される。これは歴史的な経緯から当委員会が単年度組織であるという性格に拠るものであり、年度毎に「第○○回京都大学11月祭全学実行委員会」という名称で組織されている。これとは別に、一サークルとして「京都大学11月祭事務局」(以下「事務局」)という組織が存在する。全学実行委員会と事務局との関係は後述するが、11月祭の運営にあたって実際に活動を行うのは事務局であり、京大生や一般来場者にとっての窓口となるのは事務局である(一般の京大生では全学実行委員会の存在自体を知らない者が大多数である)。

全学実行委員会と事務局との関係[編集]

運営主体とされる全学実行委員会は11月祭にかかる最高意志決定機関としての性格が強く、当委員会で決議された内容をもって事務局が実務に当たる、という構造が長年続いてきた。11月祭ができた当初はこのような二重構造になっていたわけではないが、学生運動が激しかった時期に、全学実行委員会が各学部自治会の政治的抗争の場として利用されてしまったことから、各自治会の影響を受けない中立組織として事務局が設立されたという歴史的経緯がある。また、京都大学当局による公認を受け、「11月祭の開催・運営組織」として正統性があるのは全学実行委員会であって、全学実行委員会が事務局にその権限を委任することによって事務局の活動が権威付けられている。

全学実行委員会の会議は5月下旬と9月上旬の年2回開催されるのが通例であり、通常はその全てに事務局員が出席する。通例の会議では予算および決算の承認(予算は9月、決算は5月)、本年度11月祭の日程の決定(5月)、統一テーマの決定(9月)等がなされている。何らかの問題が発生した場合には臨時の会議が開催されることもあり、近年では後述するミスコン問題、統一テーマ問題等の解決を図るため、臨時会議が開催されることが多くなっている。

事務局[編集]

11月祭に参加する京大生や、一般来場者にとっての窓口となる実働部隊であり、11月祭の運営をほぼ全ての場面で担っている。京大生からは「NF」さんなどと呼ばれることがある。他大学の学園祭実行委員会や、中学高校の文化祭等で見られるような「クラス・学年ごとに一定数が実行委員として集められる」という形式ではなく、他のサークルと同様に新歓活動を行って事務局員を集めている。

11月祭の開催期間中には、11月祭前夜祭を開催する京都大学応援団などの他の学内団体や近隣大学の学園祭実行委員会等からの協力を受けている。

問題点[編集]

全学実行委員会は名目上、「京都大学11月祭の開催を希望する全ての京大生」の参加により成立しているということになっている。しかし、現在では全学実行委員会の広報を一般京大生に対し大々的には行っていないため、実際の参加者は、ほとんどの場合で、各学部自治会幹部および事務局(員)という状態になっている。

しかしながら、第47回11月祭(2005年)において発生したミスコン問題(後述)は社会的にも話題となったこともあり、問題解決の場となった全学実行委員会の存在が一般京大生に知れ渡ることとなった。また、第49回11月祭(2007年)において発生した統一テーマ問題(後述)では、同じく問題解決の場となった全学実行委員会の開催を事務局が積極的に広報していた。

このように、現実として全学実行委員会の存在を一般京大生に知られないようにすることが困難になってきていること、また、京都大学11月祭という多くの京大生が参加するイベントの最高決定機関がその存在さえも広報されないうちに開催されていることの問題点はあるものの、現在、事務局は、学内に設置される11月祭の広報掲示板において全学実行委員会の開催を広報しているのみにとどまっている。

統一テーマ[編集]

11月祭では、例年一つの「統一テーマ」が定められている。統一テーマは一定の受付期間を経た後、京大生による投票が行われる。最多得票を得たテーマ案が全学実行委員会で承認された後、正式に決定される。なお、自分の投稿した統一テーマが採用されても何かしら特典があるというわけではない。強いて挙げれば、公式パンフレットに掲載されたり立て看板に大々的に描かれたりする程度である。すなわち、統一テーマは、高々同事務局をベースとする開催告知に向けた宣伝活動の一環として採択される限りであり、実際に11月祭開催者・参加者一般の意思や出展内容のコンセプトに直ちに反映されるものではない。

批判[編集]

11月祭においては、上述の通り実際には統一テーマに沿った運営や出し物が行われるというわけではないため、統一的なテーマを設定すること自体が疑問であるという意見も存在する。あるいは逆に、「基本的に何でもあり」というのが11月祭のあり方であるので何ら不自然ではない、というような意見もある。

歴代のテーマ[編集]

以下に歴代の統一テーマを示す。全体的に政治的なメッセージが多いが、それは元々11月祭がそのような意見の発露の場であったことに由来する。近年では、京都大学や京大生の特徴的な気風を半ば揶揄するような内容のものが採用される傾向にあるようである。

  • 1959年(第1回) - 戦後派意識の解明
  • 1960年(第2回) - 独占資本主義社会におけるマゾヒズムとサディズムの意識
  • 1961年(第3回) - 仮眠の季節における僕たちのあいさつ
  • 1962年(第4回) - 故郷喪失の時代と僕ら
  • 1963年(第5回) - 噛む時には言葉を考えるな
  • 1964年(第6回) - ああ自然死-このナチュラルなもの
  • 1965年(第7回) - 新しい歴史は僕らの手で せまりくる嵐のなか わだつみの声をのりこえて 真実を求め ともに考え前進しよう 真の学問文化を追求するなかで
  • 1966年(第8回) - 青年よ その眸で真実を見よ
  • 1967年(第9回) - のばそう大学に新しい芽を 築け展がれ人類の知恵 鳴らせ高らかに創造のつのぶえ おしよせる戦火の嵐ふきとばし 進め固めて反戦自由の道
  • 1968年(第10回) - 思索から連帯へ!終章。 永訣の朝-B52。君たちの祖国70年6月23日 友よ 自己と日本解放の日は近い
  • 1969年(第11回) - みずからの手で 新しい大学の創造を 豊かな文化の創造を 京大からの真実の声を そして連帯を 日本の夜明けめざして……
  • 1970年(第12回) - 歴史の試練に応えんとする我ら 失うまい 奔流の中で科学者の目を! いつわりの孤高に別れをつげ 人民の連帯の息吹をだきしめよう 君のその精悍の腕でがっしりと
  • 1971年(第13回) - 闇を裂き 燃えあがる松明 凝視せよ! 今この時 虚飾にまみれた城郭は浮かびあがった 打ち砕け! 友よ湧きおこる怒りをこめて……
  • 1972年(第14回) - 嵐を突き 燃え拡がる変革の炎 歴史に問んとする我ら 研ぎすませ! 理性の目 生きた思考 創ろう! 新しい大学そして科学
  • 1973年(第15回) - 創造の火を! 連帯の輪を! 今こそ君が手に反戦・自由の歌
  • 1974年(第16回) - 今、矛盾の中で叫びが―さて君はどうする 人間不在の危機的現実 その根源と背景
  • 1975年(第17回) - 流れの中 動かざるものを求めて
  • 1976年(第18回) - 燃やそう! 新しい文化の炎を 研ぎ澄まそう!若き知性を 学術文化の奔流よ築け!若者の未来を!
  • 1977年(第19回) - 明日に生きる我ら 未来を信じて突き進め 創れ 学生の心を 築け 学生の文化を
  • 1978年(第20回) - 振りかえれ人類の歴史を みつめよう青年の未来を もどすな歴史の歯車 我らの文化は我らの手で
  • 1979年(第21回) - 今、新しい時代に立ち向かう仲間たちよ 数百年を内蔵する思想を持とうではないか
  • 1980年(第22回) - 友よ! この変革のとき 時代の胎動に耳をすまし 共に奏でよう 希望の交響楽を
  • 1981年(第23回) - 今、戦争と平和の対峙の時 80年代の行く手を示す羅針盤を我らの手に
  • 1982年(第24回) - 草の根も 花も咲いたら ひざまずき ひろひとおがんで むせび泣く 人は昔にゃ戻れないピーピーヒャララ ピーヒャララ
  • 1983年(第25回) - 万声一京 極祭色 騒がぬ民に 盛りなし
  • 1984年(第26回) - 海を、荒れた海を見つめながら 彼女は呟いた 「わたしは誰?」
  • 1985年(第27回) - もうすぐきっと冬になる 騒ぐんだったら 今のうち
  • 1986年(第28回) - えっせん あーす げげっせん よんせん はっせん
  • 1987年(第29回) - 白い乳房の上の11月祭
  • 1988年(第30回) - 裏からのぞけば 見えてくる
  • 1989年(第31回) - 堕落への誘い
  • 1990年(第32回) - ……そして創造-草の根からのルネッサンス
  • 1991年(第33回) - ヤルハ粋狂、 ヤラヌハ卑怯
  • 1992年(第34回) - 人が右なら 私は左
  • 1993年(第35回) - 花も実もある 根も葉もない
  • 1994年(第36回) - 古今東西 有実無題 若気至りて無限大
  • 1995年(第37回) - 我輩は京大生である 理性はもうない
  • 1996年(第38回) - 知と痴の融合
  • 1997年(第39回) - 狂うは一時の恥、狂わぬは一生の恥
  • 1998年(第40回) - 堕落の道も一歩より
  • 1999年(第41回) - 素晴らしき無駄なエネルギー
  • 2000年(第42回) - 無人島ダンス
  • 2001年(第43回) - それはそれ これはこれ
  • 2002年(第44回) - 総長! 京都を占拠致しました!
  • 2003年(第45回) - やっぱ京大やし。
  • 2004年(第46回) - 倒れる時は前のめり
  • 2005年(第47回) - せっかくだから
  • 2006年(第48回) - 溢れる才能の無駄使い
  • 2007年(第49回) - 満喫!モラトリアム。
  • 2008年(第50回) - 単位より大切ななにかを求めて
  • 2009年(第51回) - 失った常識のかわりに
  • 2010年(第52回) - 仕分けできないムダがある
  • 2011年(第53回) - 年に一度の計画発電
  • 2012年(第54回) - NFって、出席点ありますか?
  • 2013年 (第55回) - 京大を、取り戻す。大学の理想、形を物語るのは、学生であります。
  • 2014年(第56回) - 「          」
  • 2015年(第57回) - ばっかお前…俺がついてるだろ!
  • 2016年(第58回) - ぽきたw 魔剤ンゴ!? ありえん良さみが深いw 京大からのNFで優勝せえへん? そり!そりすぎてソリになったw や、漏れのモタクと化したことのNASA✋ そりでわ、無限に練りをしまつ ぽやしみ〜
  • 2017年(第59回) - 戦争に加担した大学から平和を希求する大学へ 軍事研究するヒマがあったら、みんなで肩組んで騒ごうぜ!

広報[編集]

主な広報手段としては、いわゆる立て看板が多用されており、吉田キャンパス西部構内にある事務局のBOX付近で事務局員が立て看板を製作する姿はほぼ1年中見受けられる。最近では公式Webサイトが開設されているのに加え、開催の1ヶ月ほど前から販売される公式パンフレットの他、各教室や大学生協内各食堂にて広報が行われている。

一般企画[編集]

一般学生が主催する企画である一般企画は、模擬店企画、ステージ企画、グラウンド企画、屋内企画、一般講演企画および自主制作演劇企画の、6つの企画種別に分類される。一般企画として参加するためには、事務局の配布する企画申請書を事務局に提出する必要がある。例年7月と9月に数日間ずつ企画申請書受取・提出期間が設けられ、西部構内にて事務局員が対応している。

一般企画の申請は、京都大学の学生でなければ行うことができない。また、模擬店企画および屋内企画のうちカフェ企画については6人以上の京都大学の学生の名前を企画申請書に記載する必要があり、複数の模擬店企画またはカフェ企画の企画申請書に重複して名前を記載することはできない(食品を扱う企画である模擬店企画およびカフェ企画は人気があり、例年出店権の抽選が行われることから、より公正を期するためにそのようにされている)。なお、名義上の主催者が京都大学の学生であればよいため、例えばステージ企画で外部のバンドに演奏してもらう企画を行うことも可能である。

11月祭の期間中、大学の設備や業者の物品を事務局が一括して借り受け、それを各企画に又貸しするという形を取っているため、一部の企画の運営者に対しては保証金による担保が課されており、違反行為等を働いた企画は保証金を没収される(設備や機材等を破損した場合には保証金の額を超える賠償請求をされることもある)。一部の企画種別に対しては、企画運営に対する補助という形で現金援助が行われている(実際に購入した物品の領収書を提示することでその実費(上限額はある)が支給される)。また、企画で使用する物品の斡旋販売が行われている(工具、事務用品等の斡旋販売であり、市中のホームセンター等で購入する場合よりも割高の価格設定がなされている)。食品を扱う企画である模擬店企画およびカフェ企画では、食品を扱う全ての者につき、保菌検査を受けることが義務付けられている。

事務局と企画の連絡・調整は、11月祭前後に数回行われる「企画担当者説明会」において行われ[1]、主に事務局側からの口頭説明や虎の巻と呼ばれる説明書類の配布、申請書類の提出、保証金の納入・返済などが行われる。企画種別により開催回数および頻度は異なるが、11月祭前に2 - 4回、開催後に1回行われるというのが通例である。

ステージ企画[編集]

吉田南構内北西の吉田グラウンド[2]の北西角に建てられる屋外特設ステージにおいて行う企画を指す。ステージ企画はバンド形式(アンプ等の音響機材を使用する企画)とイベント形式に大別され、中でもバンド形式の企画は人気が高く、例年出演団体の抽選が行われる。イベント形式では、アカペラライブ、ダンス、クイズ大会、ヒーローショー等多種多様な企画が行われる。一般企画としてのステージ企画ではなく、事務局が主催し、お笑い芸人や有名バンドを呼んでスペシャルライブを行う際にも、このステージが使われている。

模擬店企画[編集]

吉田南構内および吉田グラウンド内、本部構内の路上にてテント形式で出店される模擬店を指す。食べ物を販売する団体が圧倒的に多いが、制度上は必ずしも食品を扱う必要はなく、過去には模擬店企画として占いが行われた例もある(ただし、食品を扱える企画は模擬店企画およびカフェ企画のみであり、模擬店企画は例年抽選が行われるほど人気であることから、食品を扱わない企画を行おうとする場合模擬店以外の形式で行うことを事務局から要請される。食品を扱わない場合、テント内で開催することを除いては、グラウンド企画として実施する場合と差異がない)。他の企画種別(屋内企画のうちカフェ企画を除く。)が京都大学の学生1人でも開催できるのに対し、模擬店企画は京都大学の学生が6人以上いないと開催することができないが、模擬店が学園祭の花形であること、多くの収入が見込めること等から数多くの団体がその枠に応募する(サークルによっては、模擬店の収入を活動資金に充当しているものもある)。そのため、例年ほぼ必ず抽選により出店権の割り当てが行われるが、大人数を擁する団体の中には当選確率を上げるために多数の応募を行うところもあり、人数によって当選確率が左右されかねない事態に対しては不満の声もある。事務局によれば、抽選の結果、同一団体に2店舗枠以上の割り当てが発生した場合には出店権を一本化するよう要請しているということであり、その結果キャンセルとされる枠も多い。キャンセルされた店舗枠に対しては「追加当選」という形で再度抽選が行われる。また、抽選によって得た模擬店企画の出店権を譲渡又は売買することは禁止されているが、実際には権利売買が半ば公然と行われている。事務局からも権利売買を禁止する旨の立て看板が毎年立てられてはいるが、それ以上の規制強化は行われておらず、事務局側がこの現状をどのように捉えているのかは不明である。

なお、模擬店企画は、一般模擬店企画の他に、洗い皿模擬店企画および一回生模擬店企画に区分される。洗い皿模擬店企画は、京都大学11月祭環境対策委員会の指定する洗い皿を使用しなければならず、環境への配慮という点で協力が求められる。その代わりに、吉田グラウンド内という人通りが多く立地の良い場所が割り当てられる。洗い皿模擬店企画の抽選は一般模擬店企画とは別枠で行われるが、年によって応募数が異なるため、どちらの方が当選しやすいかは断定できない。また、一回生模擬店企画は、学部一回生のクラス単位で実施する模擬店企画であり、企画申請書さえ提出すれば、抽選なしで模擬店企画を行うことができる。

グラウンド企画[編集]

吉田グラウンド、吉田南構内および本部構内の屋外で行われる企画であって模擬店企画以外のものを指す。基本的に短日開催が多く、路上ライブ・パフォーマンス・モニュメント展示等が行われる。企画によっては、雨天時には屋内に場所を変えて行うものもある。

グラウンド企画とは別に、吉田南構内の路上を中心として、フリーマーケット企画が行われる。フリーマーケット企画は事前に企画申請書を提出する必要は無く、京都大学の学生以外の者であっても、スペースが埋まらない限り、当日に11月祭本部に届け出ることによりフリーマーケットを出店することができる。

屋内企画[編集]

本部構内および吉田南構内の屋内で行う一般企画のうち一般講演企画および演劇以外のものを指す。一般的な展示形式の出し物、あるいは屋内喫茶形式の出し物(カフェ企画)がこれに含まれる。

一般講演企画[編集]

屋内の教室で講師による講演を行う企画を指す。京都大学の教員が講師となることもあれば、社会的にも有名な人物が招聘されることもある。

自主制作演劇企画[編集]

吉田南構内の一教室(例年吉田南4号館4共11教室が使用される)を専用の劇場として行われる演劇企画を指す。通常の教室に舞台として平台が設置され、他に音響、照明なども一通り準備される。演劇に関しては比較的初心者であるという団体も多いが(舞台や装置が提供される上、運営側による技術的支援が受けられるため、初心者であっても実施することができる。)、京都大学を含めた京都の大学では演劇が活発であることもあり、プロ並みの上演を行う団体もある。

本部企画[編集]

事務局以外の京大生が主催する一般企画とは別に、事務局が主催する企画全般を指す。古本・古レコード市、映画祭典、ラリー企画、研究室企画などが恒例となっている。著名人を呼んで行う企画としては、本部講演(一般企画の一種である一般講演企画とは別に、事務局が講師を招聘して行う講演企画)とスペシャルライブがある。スペシャルライブは2004年まではミュージシャンによるライブ、2005年以降はお笑い芸人によるライブとなっている。11月祭最終日の夜にはおまつり広場においてフィナーレ(いわゆる後夜祭)が開催され、学内や学外の団体を招いての演奏、ダンスの演舞、ビンゴ大会等がステージ上で行われ、おまつり広場中央部ではキャンプファイアーの点火イベントが行われる。

スペシャルライブのゲスト

歴史と近年の動向[編集]

起源・自治会の影響力[編集]

1947年、京都大学創設50周年祭として、1週間、講演や運動会が開催されたというのが、11月祭の起源と考えられる。ただ、1951年くらいになると、原水爆禁止運動の高まりのなか、大学での政治活動を危惧する大学生と、文化祭を通じて社会に働きかけようとする大学生の二極化が発生し始めたのも事実である。1960 - 70年代になるといわゆる新左翼系学生団体の影響が大きくなり、各学部自治会間での軋轢や事務局との対立などが生じ、一時はその開催さえ危ぶまれた時期もあった。近年では自治会の政治的意図は薄まっているとはいえ、全学実行委員会をはじめ、未だにその影響力は根強く残っている。

京都大学11月祭と原理研究会の関係[編集]

1970年、第12回11月祭において、原理研究会の映画会が、何者かによって妨害を受けるという事件が起こった。その際、原理研究会は、大学や同学会に無断で警察を入構させた。これは、学生自治の理念に反するものであり、11月祭の「自主的創造的活動」に対する妨害になったということで、緊急で実行委員会が開催され、妨害行為を行った者を糾弾した上で警察への抗議が行われたが、原理研究会が警察への抗議に参加しなかったため、この年の11月16日をもって、原理研究会の11月祭からの排除が決定した。

1982年、第24回11月祭の頃になると、原理研究会によって、全学実行委員会の「原理研究会追放決議」の立て看板が破壊されるということがあった。これにより、翌年の原理研究会追放決議は、「立て看板の破壊」に言及するものになった。

京都大学11月祭環境対策委員会の結成[編集]

環境問題の深刻化が指摘され始めた1990年代半ばに、事務局とは別に、京都大学11月祭環境対策委員会という新たな組織が立ち上げられ、特にゴミ問題に対して積極的な活動が行われている。京大生以外にも一般来場者を含めると11月祭に参加する人は非常に多く、開催期間中に排出される廃棄物の総量は膨大なものとなる。これらの廃棄物を極力リサイクルに回し、環境負荷の小さい学園祭を目指そうという試みが行われており、一例としては、模擬店企画の一部と大学生協の協力の下、通常の模擬店で使用される紙の皿ではなく、洗って使える「洗い皿」を使用する店舗が設置された。

ミスコン問題[編集]

第46回京都大学11月祭(2004年)において、「ミス&ミスター京大コンテスト」なる一般企画がステージ企画として行われようとした。この企画の内容が11月祭にて永年守られてきた理念、特に企業協賛の禁止条項に抵触するおそれがあった[3]こと、および一部団体からジェンダーの観点からの疑義が挟まれたことから、開催に対して反対の声が上がった。これを受けて事務局を仲介役としてミスコン企画側と反対派の話し合いが臨時の全学実行委員会等の場にて行われたが、開催日までに議論はまとまらず、結局この企画は中止となった。このため、中止の告知は当日ステージ上にて行われるという異例の経緯をたどることとなった。

一連の議論の中でミスコン企画側が真摯な態度で議論に応じなかったという理由により、11月祭終了後の全学実行委員会における決議において、ミスコン企画団体が京都大学11月祭から追放されるということとなった。追放決議においては、ミスコン企画団体およびその関連団体は、この一連の騒動に関して挙げられている数々の疑義・不明点を明らかにしつつ真摯なる自己批判を行わない限り、再び京都大学11月祭に参加することはできない、とされた。全学実行委員会における決議により追放されたのは、原理研究会[4]に次いで2例目である。本件が起こるまでは臨時の全学実行委員会が開催されるという事態はほとんどなく、また開催直前に企画の中止が決まるという事態も例外的なことであったため、11月祭の歴史の中でも異例の事態であったといえる。

雅(みやび)コンテストの登場[編集]

第47回京都大学11月祭(2005年)では、「雅コンテスト」なる一般企画がステージ企画として登場した。この企画は、企画責任者を始めとして主要者のうち数人が前年度の「ミスコン企画団体」の構成員であって、企画内容も「ミスコン」に近いものであるとの理由により、前年度ミスコン企画団体の「関連団体」であると認定された。そのため、この「雅コンテスト」企画団体が本年度の11月祭に参加しようとするならば上述の通り「真摯なる自己批判」を行う必要があったが、本企画の代表者が全学実行委員会において答弁を行った上で総括を提出したことから、当該行為を行ったものと全学実行委員会にて認められ、この企画は実施されることとなった。

しかし、実際にはその答弁および総括は時間的な問題から簡易的なものであって、正式なものは11月祭後に改めて提出するとの約束が交わされたにも関わらず、11月祭終了後の全学実行委員会において履行されないなど、またしてもその姿勢が問題視されたため、提出された総括等は全て白紙撤回扱いとされ、「雅コンテスト」企画団体についても追放団体であることが確認された[5]

学生部援助減額問題[編集]

2004年に京都大学が独立法人化されたことに伴い、国立大学法人京都大学の経営改革の一環として学生サービスの予算削減が計画され、2005年初秋に京都大学当局から事務局に対して11月祭に対する学生部援助を減額する旨の通告が行われた。それまで事務局は京都大学当局から年間予算の1 - 2割程度に当たる年百数十万円の援助を受けており、通告があまりに唐突であったこと、そして何より11月祭が開催間近だったこともあって、援助減額を受け入れれば運営に支障が出ることも懸念された。

そのため、学生側の主導で全学実行委員会の下に「学生部援助減額問題対策部会」が設置され、「事前の協議がなく、決定は一方的であり、撤回すべきである。」と京都大学当局・執行部に対して主張した。同部会などにおいて学生側と京都大学当局との間で話し合いが行われ、2004年度については当該予算の削減は暫定的に凍結するという確約が交わされた。これ以後、同様の問題が提起されていないことから、現在に至るまで援助は継続されているものと思われる。

統一テーマ問題[編集]

第49回11月祭(2007年)において、いったん確定した統一テーマが破棄され、次点候補が繰り上げられるという事態が発生した。

もともと、上述の手順で決定された統一テーマは「超意欲的ニート」であった。このテーマは全学実行委員会および事務局が関与した正式な決定過程を経たものであったが、決定後、一部学生から本テーマは昨今社会問題化しているいわゆる「ニート」を揶揄するものであり、統一テーマとしては不適切だとする意見が出された。

これを受け、全学実行委員会が開催されたが、そもそも正式な決定過程を経て決まったテーマを取り消すことが許されるのかという点を中心に議論が展開された。途中、自身が関与した先の決定を翻すような発言がなされたり、事務局側は終始一貫して意見を一切表明しない態度を取ったりと、図らずもこれまで批判されてきた全学実行委員会のあり方、および不透明な統一テーマの決定過程についての問題点が浮かび上がった格好となったが、最終的には上述の通り、いったん確定した統一テーマが破棄され、次点候補であった「満喫!モラトリアム。」が繰り上げられ、新たな統一テーマとして広報されることとなった。

脚注[編集]

  1. ^ 自主制作演劇企画のみは「企画担当者会議」という名称であるが実質的に同じ。
  2. ^ 11月祭開催時には「おまつり広場」と改称される。
  3. ^ 11月祭においては、公式パンフレットへの企業広告の掲載を例外として企業協賛は全面的に禁止されている。これは「学生の自主的創造的活動」という観点からの考え方であり、特に学生運動が盛んだった当時の「学生自治」の考えに近い。
  4. ^ 京都大学11月祭期間中に警察を構内に導入したことにより追放の対象となった。これも大学構内に国家権力を導くことは学生自治を脅かすものである、との認識に基づく。
  5. ^ ミスコン・雅コンテストの経緯については、原理研究会とともに、公式パンフレット内に記述がある。

外部リンク[編集]