交響曲第76番 (ハイドン)

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交響曲第76番変ホ長調 Hob.I:76は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン1782年に作曲した交響曲

作曲の経緯[編集]

当時、ハイドンはイギリスで高い名声を誇っていた[1]。ハイドンをロンドンに招こうとする交渉は1780年代はじめにもあり、ハイドンはロンドンでの演奏旅行のために1782年に76番から78番までの3曲の交響曲を作曲したが、このときのロンドン行きは実現しなかった[2]。このため、この3曲は「イギリス交響曲」とも呼ばれる。後のロンドン交響曲にくらべるとずっと小規模である。

演奏旅行が中止された後、1783年にハイドンはパリの楽譜出版者であるボワイエ(Charles-Georges Boyer)にこの3曲を売り、1784年にはロンドンのフォースターにも売った[3]

1976年にはロバート・シンプソンが自身の交響曲4番変ホ長調でこの曲を引用した[4]

楽器編成[編集]

編成表
木管 金管
フルート 1 ホルン 2 ティンパニ 0 第1ヴァイオリン
オーボエ 2 トランペット 0 第2ヴァイオリン
クラリネット 0 ヴィオラ
ファゴット 2 チェロ
コントラバス

[5]

曲の構成[編集]

  • 第1楽章 Allegro
  • 第2楽章 Adagio, ma non troppo
  • 第3楽章 Menuetto & Trio: Allegretto
  • 第4楽章 Finale: Allegro, ma non troppo

演奏時間は約23分。

もっとも特徴があるのは変ロ長調の第2楽章で、「cantabile」と書かれた弦楽のみによる穏やかな旋律が3回にわたって変奏曲風に演奏され(最後の1回は管楽器も加わり、カデンツァ風の部分を持つ)、その中間に短調の曲が2つはさまるロンド形式をしている。最初の短調の部分は管楽器を主体とした静謐な音楽、第2の短調の部分は全奏による非常に激しい曲になっている。

注釈[編集]

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  1. ^ 大宮(1981) p.100
  2. ^ 大宮(1981) p.181
  3. ^ 音楽之友社のミニスコアのランドンによる序文
  4. ^ アントニー・ホヂソン(1976). The Music of Joseph Haydn: The Symphonies. ロンドン: The Tantivy Press p. 103
  5. ^ アントニー・ヴァン・ホーボーケン (1957). Joseph Haydn: Thematisch-bibliographisches Werkverzeichnis. Mainz: B. Schott's Söhne. p. 848.

参考文献[編集]

  • 大宮真琴『新版 ハイドン』音楽之友社〈大作曲家 人と作品〉。ISBN 4276220025
  • 『ハイドン 交響曲集VIII(74-81番) OGT 1596』音楽之友社、1982年。(ミニスコア、ランドンによる序文の原文は1966年のもの)

外部リンク[編集]