交響曲第52番 (ハイドン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

交響曲第52番ハ短調 Hob.I:52は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン交響曲ランドンは1771年から1773年ごろの作品とする[1]。ウェブスター(James Webster)によると1771年ごろの作品である[2]

概要[編集]

ハイドンは生涯に10曲の短調の交響曲を書いたが、そのうち半数の5曲が1768年から1772年までの5年間に集中している。第52番もその中の1曲で、いわゆる「シュトルム・ウント・ドラング」期のハイドンの短調交響曲の中でもとくに燃えるような感情を爆発させている[1]

ホルンの使い方が風変わりで、両端の楽章(第1・第4楽章)では高音のC管のホルンとE♭管のホルンを1本ずつ使用する[3]のに対し、中間楽章では低音のC管のホルンを2本使用する。とくに高音のC管のホルンの鋭い音はこの曲の激しさの表現に貢献している[4]

編成[編集]

ファゴットの独立したパートのある楽譜と、そうでないものがある。おそらく独立したファゴット・パートは後から加えたものだろうという[2]

曲の構成[編集]

第1楽章 Allegro assai con brio[編集]

44拍子。第1主題はユニゾンで開始する。対照的な変ホ長調の第2主題は付点つきリズムを持って第1ヴァイオリンに現れる。展開部ではヘ短調で偽の再現部が現れる。

第2楽章 Andante[編集]

ハ長調38拍子、ソナタ形式弱音器をつけたヴァイオリンによって主題が演奏され、急なフォルテや半音階的進行が随所に見られる。ホルンは再現部ではじめて登場する。

第3楽章 Menuetto: Allegretto - Trio[編集]

短調のメヌエット本体に対し、トリオでは同じ主題がハ長調で演奏される。

第4楽章 Finale: Presto[編集]

22拍子、ソナタ形式。第1・第2ヴァイオリンだけで静かにはじまり、長調に転じた後に管楽器が加わってフォルテに達する。

脚注[編集]

  1. ^ a b 音楽之友社ミニスコアのランドンによる解説
  2. ^ a b デッカ・レコードのホグウッドによるハイドン交響曲全集第7巻のウェブスターによる解説、1996年
  3. ^ 当時はナチュラルホルンしかなかったため、短調の交響曲では異なる管長のホルンを使うことで対応した
  4. ^ デッカ・レコードのドラティによるハイドン交響曲全集、ランドンによる解説

参考文献[編集]

  • 『ハイドン 交響曲集V(50-57番) OGT 1593』音楽之友社、1982年。(ミニスコア、ランドンによる序文の原文は1963年のもの)

外部リンク[編集]