交響曲第5番 (ハイドン)

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交響曲第5番イ長調 Hob.I:5は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン交響曲。初期の交響曲のひとつであり、自筆楽譜は残っていないが、フュルンベルク・コレクションに信頼性の高い筆写譜が残っていることから、エステルハージ家以前、ボヘミアのモルツィン伯爵に仕えていた時期(1757年-1760年ごろ)の作品と考えられる[1]

アダージョの緩徐楽章から始まり、4つの楽章が同じ調性を持つ、いわゆる教会ソナタ型の交響曲である。ハイドンは主に初期に同様の交響曲を何曲か書いている(11番18番(ただし3楽章)、21番22番34番49番)。

最初期のハイドンの交響曲には珍しく、第1楽章でホルンのコンチェルタンテ的な書き方がされている[1]。A管ホルンによる名人芸を含んでおり、その最高音はA5に達する[2](第1楽章の再現部と第3楽章のトリオ)。

編成[編集]

曲の構成[編集]

第1楽章 Adagio, ma non troppo[編集]

24拍子、ソナタ形式。ヴァイオリンによってのどかな主題が始まるが、すぐに高音のホルンが呼応する。再現部では冒頭からホルンが活躍し、非常に高い音に達する。最後の短いコーダでもホルンが出現する。

第2楽章 Allegro[編集]

34拍子、ソナタ形式。ヴァイオリンの第1主題はオクターブ上昇で始まる風変わりなリズムの繰り返しからなる。対照的になめらかな第2主題は第1ヴァイオリンのみによって演奏される。展開部でも第1主題のリズムが繰り返される。再現部は第1主題が低音楽器で始められ、それを第1ヴァイオリンが1拍遅れで追いかける。

Haydn-Symphony-5-II-bar1-8.png

第3楽章 Minuet - Trio[編集]

メヌエット主部は普通の曲だが、フォルテとピアノの交替が印象的である。トリオではホルンとオーボエが交替で旋律を演奏し、ここでもホルンの高音が聞かれる。

第4楽章 Finale: Presto[編集]

22拍子、ソナタ形式。ごく短い、忙しいフィナーレである。

脚注[編集]

  1. ^ a b デッカ・レコードのホグウッドによるハイドン交響曲全集第1巻、ウェブスターによる解説。1993年
  2. ^ 音楽之友社ミニスコアのランドンによる序文

参考文献[編集]

  • 『ハイドン 交響曲集I(1-12番, "A", "B") OGT 1589』音楽之友社、1981年。(ミニスコア、ランドンによる序文の原文は1965年のもの)

外部リンク[編集]