交響曲第47番 (ハイドン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

交響曲第47番ト長調Hob.I:47は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン1772年頃に作曲した交響曲。第3楽章の特徴から「パリンドローム(回文)」の愛称でも呼ばれる。

概要[編集]

交響曲第45番交響曲第46番、および本曲の3曲は自筆原稿によって1772年の曲であることが判明している。いわゆるシュトルム・ウント・ドラング期が最高潮に達した年の作品で、この曲も多くの革新的な要素や対位法的な工夫を含む。

第3楽章の逆行メヌエットがもっとも有名であり、ピアノソナタイ長調 Hob.XVI:26 の第2楽章にも転用されている[1]。しかし、第1楽章再現部の短調による開始、第2楽章の二重対位法を使って書かれた変奏曲、最終楽章のジプシー風の倚音の多用からホルンの不協和音への展開など、ほかの楽章も創意に満ちている[2]

編成[編集]

  • 演奏時間:約24分(楽譜の指定どおりすべてを繰り返した場合の概算)

曲の構成[編集]

第1楽章 (Allegro)[編集]

4分の4拍子。行進曲風の弾むような付点リズムをもった第1主題(2台のホルンが二度で音をぶつけあう)と、対照的な3連符による第2主題からなるソナタ形式。再現部では第1主題がト短調で再現された後、すぐに長調で第2主題が再現される。

第2楽章 Un poco adagio, cantabile[編集]

ニ長調、4分の2拍子。弱音器をつけたヴァイオリンにはじまる独特の拍節を持つ主題が変奏曲風に展開していく。

変奏曲形式の緩徐楽章は後のハイドンが多用するが、この曲で初めて現れる[3](従来はソナタ形式が普通、なお最終楽章では交響曲第72番交響曲第31番などですでに変奏曲を使用している)。

第3楽章 Menuetto al Roverso - Trio al Roverso[編集]

メヌエット主部とトリオはいずれも前半と後半に分かれるが、後半は前半を逆行させる(自筆原稿には前半しか書かれていない)。主部では前半で1拍めだけがフォルテ、残りがピアノの箇所があるため、後半では3拍めがフォルテになり、逆行していることがわかりやすくなっている。

Al roverso symfonie 47 Haydn.png

上の楽譜はメヌエットの主部の冒頭と最後である。回文となっているのがわかる。

第4楽章 Finale: Presto assai[編集]

2分の2拍子、単一主題のソナタ形式。目まぐるしい強弱、転調などが特徴的。提示部は弦楽器ではじまるが、途中から急に短調に転じてジプシー風の音楽になり、全休止を経てふたたび最初の主題が出現する。展開部は短いが派手な転調を含む。

脚注[編集]

  1. ^ 大宮真琴『新版 ハイドン』音楽之友社〈大作曲家 人と作品〉、1981年、表33。ISBN 4276220025
  2. ^ 音楽之友社ミニスコアのランドンによる解説
  3. ^ Sisman (1990) p.340注127

参考文献[編集]

  • Sisman, Elaine (1990). “Haydn's Theater Symphonies”. Journal of the American Musicological Society 43 (2): 292-352. JSTOR 831616. 
  • 『ハイドン 交響曲集IV(41-49番) OGT 1592』音楽之友社、1982年。(ミニスコア、ランドンによる序文の原文は1967年のもの)

外部リンク[編集]