交響曲第28番 (ハイドン)

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交響曲第28番イ長調 Hob.I:28は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン1765年に作曲した交響曲

概要[編集]

交響曲第28番から31番までの4曲は、自筆原稿から1765年に作曲されたことが判明している[1]。この中で28番の自筆原稿は部分的に他と異なる種類の紙を使っており、またエントヴルフ・カタログ(草稿目録)上では31番・29番とは別のインクで下に書かれていることから、他の曲よりも遅れて作曲されたと考えられる[2][3]

編成[編集]

曲の構成[編集]

第1楽章 Allegro di molto[編集]

3/4拍子。一見6/8拍子とみまがうような「ターータタタ」のリズム音型が一貫して展開され、独特の拍節感、リズム感を持っている。ベートーヴェンに通じる手法である。再現部でイ短調で独奏オーボエが主題を歌うのが印象的。

Haydn-Symphony-28-I-bar1-4.png

第2楽章 Poco Adagio[編集]

ニ長調、2/4拍子、ソナタ形式。弦楽器のみで演奏される。弱音器をつけたヴァイオリンの主題は、レガートスタッカートの交替により動きをもって進行する。

第3楽章 Menuet - Trio. Allegro molto[編集]

ヴァイオリンの隣同士の弦(E線の開放弦とA線)を移動して同音を交互に弾く弦楽器独自の書法(バリオラージュ)が利用された珍しいメヌエット。同様の技法をハイドンはときどき使用しており、交響曲第45番の終楽章プレストに出現するほか、「蛙」の愛称で知られる弦楽四重奏曲作品50の6番(Hob.III:49)の終楽章がよく知られる。

トリオは弦楽器のみのイ短調で狭い音域をうろつきまわるような旋律。第29番のトリオほどではないが、何かが欠けたような異様な音楽になっている。

第4楽章 Finale: Presto[編集]

6/8拍子、ソナタ形式。結果的に第1楽章と似た動機が使用されているがすっきりとした小規模なソナタである。

脚注[編集]

  1. ^ 大宮(1981) 表p.4
  2. ^ 音楽之友社ミニスコアのランドンによる序文
  3. ^ デッカ・レコードのホグウッドによるハイドン交響曲全集第4巻、ウェブスターによる解説、1990年

参考文献[編集]

  • 大宮真琴『新版 ハイドン』音楽之友社〈大作曲家 人と作品〉、1981年。ISBN 4276220025
  • 『ハイドン 交響曲集III(28-40番) OGT 1591』音楽之友社、1982年。(ミニスコア、ランドンによる序文の原文は1965年のもの)

外部リンク[編集]