亡国のイージス2035 〜ウォーシップガンナー〜

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亡国のイージス2035 ~ウォーシップガンナー~
ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション2
開発元 コーエー
発売元 コーエー
発売日 2005年7月21日
対象年齢 CERO: A
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亡国のイージス2035 ~ウォーシップガンナー~』 (Boukoku no Aegis 2035: Warship Gunner) は、2005年株式会社コーエーより発売された、福井晴敏作の小説『亡国のイージス』の30年後の世界を題材にした海戦アクションゲームである。

ゲームシステムの類似性や「ウォーシップガンナー」という副題など、同社の鋼鉄の咆哮シリーズと多くの共通点を持つが、鋼鉄の咆哮シリーズには含まれない。

概要[編集]

鋼鉄の咆哮シリーズのゲームシステムではあるが、設計システムや描画エンジンは刷新されている。なおストーリー上、駆逐艦以外は操作できない。また、登場人物は原作に登場する者からその親族が登場し、プレイヤーが操作する艦名もいそかぜである。

亡国のイージスの続編という位置付けだが、特典として映画版の予告編を収録した「映画館」と、映画版のストーリーや登場人物、そしてGOSOHといった用語の解説を収録した「劇場資料館」があるのを考えると、本作は小説版ではなく映画版の続編と考えるのが妥当である。しかし、劇中で浅生浩二が主人公宮津直基を「反乱艦長の血筋」と評しているので、小説版の設定も反映されている(宮津弘隆がいそかぜの艦長なのは小説版。映画版では副長である)。


ストーリー[編集]

いそかぜ反乱事件から30年の月日が流れた2035年。21世紀初頭に顕在化した大規模テロリズムが産んだ対テロ戦争は、世界に終わり無き紛争をもたらした。その中で行き過ぎたナショナリズムが戦争の根源であると認識した世界各国は、大国が主導するのではなく、EUのような連合国家が等分に存在するべきという画期的な発想の転換に至り、複数の連合勢力が誕生。世界は争いから脱却し、人類は新たなる目標として世界連邦の樹立を目指し始める。

かつては夢物語でしかなかった世界連邦。しかし高度なネットワーク社会が構築され、その恩恵を当たり前とする世代の台頭によって今やそれは大いに現実味を帯びていた。国家や民族の垣根を越えて1つになりゆく人類。だが、誰もが皆同じ望みを抱いている訳ではなかった・・・。

海上自衛隊の呉基地が襲撃され、最新鋭護衛艦ブイ・ウェッブ艦が強奪された。犯人は日本政府に対し千里馬(チョンリマ)艦隊司令「ホ・ヨンファ」を名乗り、「我が艦隊が保有するミサイルの弾頭は、通常にあらず」という声明を送る。ダイス元局長の渥美大輔は、ブイ・ウェッブ艦仕様に改装されたいそかぜによる追撃部隊を編成。その新いそかぜの艦長は反乱事件首謀者の甥宮津直基であった…。

登場人物[編集]

宮津直基(みやづ なおき)(声優:田中秀幸
いそかぜ艦長。階級は二等海佐。42歳。男性。日本国籍。
防衛大学を首席で卒業した、優秀な海上自衛官であるが、宮津弘隆の甥であるため、海上自衛隊上層部はその存在を持て余していた。しかし、渥美に拾われる事で冷や飯食いの閑職から第一線へと引き上げられ、海上自衛隊の作戦基準に囚われない独自の裁量で動ける権限を与えられた。
渥美大輔(あつみ だいすけ)(声優:掛川裕彦
ダイス特別顧問。74歳。男性。日本国籍。
元局長で、いそかぜ反乱事件の際は内事本部長として工作員による作戦を指揮した。現在では特別顧問という裏方ながら、頭脳や影響力は健在で、千里馬艦隊だけでなく、方針が定まらぬ日本政府にすら存在を疑問視されている宮津たちを陰ながらサポートする。
若い時とは異なり和服姿がよく似合う老人。そのため直基からは尊敬を込めて「渥美翁」と呼ばれている。
浅生浩二(あそう こうじ)(声優:島田敏
いそかぜ副長。階級は三等海佐。35歳。男性。日本国籍。
昼行灯で仕事能力はあるがやる気がない。そのため様々な部署をたらいまわしにされていたが、千里馬艦隊との戦いでは「怠慢=死」であるため力を発揮する。
真面目だが時に無謀な手段に出る直基に反論する事もあったが、共に戦う中で信頼を深める。
菊政聡美(きくまさ さとみ)(声優:冬馬由美
いそかぜ通信長。階級は二等海尉。25歳。女性。日本国籍。
仕事には真面目だが頭が固く、他人の不正を見逃せない性格。それ故上司に煙たがられて閑職に回された、組織の中で生きるのが不得意な人。いそかぜ着任後も不真面目な浅生と衝突する事がしばしば。
ジェフリー・スタンフォード(声優:郷里大輔
アメリカ海軍第8艦隊司令。階級は中将。45歳。男性。アメリカ合衆国国籍。
ブイウェッブ艦奪還のためいそかぜと一時共同戦線を張る。自軍至上主義や階級主義に染まり、命令を絶対視する一方で他国や他国軍を馬鹿にし、直基たちいそかぜクルーを見下している。また、敵対勢力を容赦なく叩く性格で、劇中ではこれに抗議した直基に対し「君に軍人とは気概は無いのか?君の叔父弘隆のような、一国を相手にするほどの」と言い放った。それ故直基からは「童話の愚かな王様」、リーからは「典型的ハリウッド軍人」と評された。
リマ(声優:佐藤朱
謎の少女。
システムLが起動するのと時を同じくして、航海中のいそかぜに突如現れた少女。直基以外に認識される事は無く、彼以外誰も姿や声に気付かない。
シャルルXII世(じゅうにせい)(声優:青野武
ロシュフォール社会長。87歳。男性。フランス国籍。
表の顔はEU有数のコングロマリット会長だが、その正体はかつて欧州各国を支配した王侯貴族の末裔からなる王政復古勢力の頂点に君臨する「王」で、ブルボン王朝の正当な後継者と名乗る。巨大な財力と直率する私兵軍隊、そしてEU当局内のシンパを率いて世界を国家や民族の線引きがされたかつての姿に戻そうとする。
リー・チュイリィエン(声優:鈴木麻里子
アメリカ中央情報局エージェント兼アメリカ海軍将校。階級は少尉。28歳。女性。アメリカ合衆国/中国国籍。
千里馬艦隊の中枢にいる人物で、ヨンファの片腕。また、優れた技術者でもある。
彼女の生い立ちは劇中はっきりと語られないが、両親と共に何らかの理由で中国からアメリカへと亡命した事が、彼女自身の発言から推測できる。
ホ・ヨンファ(声優:置鮎龍太郎
千里馬艦隊司令。
今回の事件の首謀者。30年前に死亡したいそかぜ反乱事件の首謀者「ホ・ヨンファ」を名乗り、ヨンファと同様の声明を日本政府へ発するが正体は不明。

ブイ・ウェッブ艦[編集]

2035年時点での最新鋭艦である可変兵装型護衛艦。名称の「VE-WEBV」はVariable Equipment : Weapon, Engine and Bridge Vesselの略で、設定は福井晴敏自らによる物である。その実態は、実在のスタンダード・フレックスの要領で、武装のみならず、艦橋や機関までも含めた船体の主要部位がモジュール化され、自由自在に配置を変更する事が可能となっており、船体各部を組み替える事によって、多種多様な状況に対応できるという仕様。いわば『鋼鉄の咆哮』シリーズで使われてきた設計システム「HLG」に作品内世界での設定を付与した物であると言える。

劇中ではいそかぜの他に、千里馬艦隊が強奪した海上自衛隊の「くにつかぜ」「たかまがはら」「よもつかぜ」、米海軍第8艦隊所属の「テネシー」「アーカンソー」が登場している。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]