亀山郁夫
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亀山 郁夫 (かめやま いくお) | |
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誕生 |
1949年2月10日(74歳)![]() |
職業 | ロシア文学者[1]、翻訳家[1]、作家 |
最終学歴 |
東京外国語大学外国語学部卒業 東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学 |
ジャンル | ロシア文学、ロシア文化 |
主題 | ドストエフスキー[1]、マヤコフスキー、ショスタコーヴィチ |
代表作 |
『破滅のマヤコフスキー』(1998年) 『磔のロシア』(2002年) 『謎とき「悪霊」』(2012年) |
主な受賞歴 |
木村彰一賞(1998年) 大佛次郎賞(2002年) 毎日出版文化賞特別賞(2007年) プーシキン・メダル(2008年) 読売文学賞研究・翻訳賞(2013年) |
亀山 郁夫(かめやま いくお、1949年2月10日 - )は、日本のロシア文学者。名古屋外国語大学学長[1]、東京外国語大学名誉教授。日本藝術院会員。専門はロシア文化・ロシア文学。栃木県宇都宮市出身。
来歴[編集]
- 栃木県宇都宮市に生まれる。
- 栃木県立宇都宮高等学校を経て[2]、東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業、同大学大学院外国語学研究科修士課程修了、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。
- 1977年 - 日本学術振興会奨励研究員。
- 1978年 - 天理大学外国語学部助手、講師、助教授。
- 1984年 - ソ連科学アカデミー世界文学研究所で在外研究(日本学術振興会派遣)
- 1987年 - 同志社大学法学部助教授。
- 1990年 - 東京外国語大学外国語学部助教授、教授。
- 1994-95年 - ロシア科学アカデミー世界文学研究所で在外研究(国際交流基金派遣)
- 2005年 - 東京外国語大学附属図書館長。
- 2007年9月-2013年3月 - 国立大学法人東京外国語大学学長。
- 2013年4月 - 名古屋外国語大学学長に着任(現職)。
- 2017年4月1日、「日本ドストエフスキー協会」を設立し、初代会長に就任[1]。
- 2021年4月 - 世田谷文学館館長(第3代)。
出演・受賞[編集]
出演
- ソ連時代の芸術や文化、特にドストエフスキーについて論評・訳書を多く著しており、1991年から2000年にかけ、NHKでテレビ『ロシア語会話』の講師を務めた。
- 退任後も、ハイビジョンスペシャル「知られざるロシア・アバンギャルドの遺産」、ハイビジョン特集「ロシア芸術 自由への道標」、『視点・論点』「ドストエフスキーと現代」、ETV特集「21世紀のドストエフスキー~テロの時代を読み解く~」「ロシア・歴史は繰り返すのか~亀山郁夫“帝国”を読み解く~」、NHK・Eテレ 100分de名著「罪と罰」「ドストエフスキー カラマーゾフの兄弟」、知るを楽しむ この人この世界「亀山郁夫 悲劇のロシア」、ザ・プロファイラー「~夢と野望の人生~2000万人を死に追いやった男 スターリン」、NHKラジオ カルチャーアワー 文学の世界 「新訳“カラマーゾフの兄弟”を読む」、NHKカルチャーラジオ「ドストエフスキー 現代へのメッセージ」等に番組出演。
- 2008年〜2016年 - 朝日賞選考委員。
- 2016年 - ドゥマゴ文学賞選考委員。
- 2017年 - 大伴家持文学賞選考委員。
受賞・受章
- 1998年、木村彰一賞 (『破滅のマヤコフスキー』)
- 2002年、第29回大佛次郎賞 (『磔のロシア スターリンと芸術家たち』)
- 2007年、毎日出版文化賞特別賞 (翻訳ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』)
- 2008年、「プーシキン・メダル」 (翻訳ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』)
- 2013年、読売文学賞研究・翻訳賞 (『謎とき「悪霊」』)、2012年度(第64回)
- 2019年、日本藝術院会員[3]
- 2021年、「ドストエフスキーの星」勲章
著書[編集]
単著[編集]
- 『甦えるフレーブニコフ』(晶文社、1989年/平凡社ライブラリー[4]、2009年)
- 『終末と革命のロシア・ルネサンス』(岩波書店、1993年/岩波現代文庫、2009年)- 文庫は増訂版
- 『ロシア・アヴァンギャルド』(岩波新書、1996年)
- 『破滅のマヤコフスキー』(筑摩書房、1998年)
- 『あまりにロシア的な。』(青土社、1999年/文春文庫、2013年)- 留学体験記
- 『磔のロシア―スターリンと芸術家たち』(岩波書店、2002年/岩波現代文庫、2010年)
- 『熱狂とユーフォリア―スターリン学のための序章』(平凡社、2003年)
- 『ドストエフスキー 父殺しの文学』(日本放送出版協会〈NHKブックス〉(上・下)、2004年)
- 『「悪霊」 神になりたかった男』 (みすず書房〈理想の教室〉、2005年)
- 『大審問官スターリン』(小学館、2006年/岩波現代文庫、2019年)
- 『「カラマーゾフの兄弟」続編を空想する』(光文社新書、2007年)
- 『ドストエフスキー 謎とちから』(文春新書、2007年)
- 『ドストエフスキー 共苦する力』(東京外国語大学出版会、2009年)
- 『「罪と罰」ノート』(平凡社新書、2009年)
- 『増補「罪と罰」ノート』(平凡社ライブラリー、2023年)
- 『ドストエフスキーとの59の旅』(日本経済新聞出版社、2010年)- 自伝エッセイ
- 『偏愛記 ドストエフスキーをめぐる旅』新潮文庫、2013年
- 『ドストエフスキーとの旅』岩波現代文庫、2021年。増補版
- 『チャイコフスキーがなぜか好き』(PHP新書、2012年)
- 『謎解き 『悪霊』』(新潮社〈新潮選書〉、2012年)
- 『そうか、君はカラマーゾフを読んだのか』(小学館、2014年)
- 『新カラマーゾフの兄弟』(河出書房新社(上・下)、2015年)[5]
- 『世界が終わる夢を見る』(名古屋外国語大学出版会、2015年)
- 『ゴルバチョフに会いに行く』(集英社、2016年)
- 『ショスタコーヴィチ 引き裂かれた栄光』(岩波書店、2018年)
- 『ドストエフスキー 黒い言葉』(集英社新書、2021年)
- 『人生百年の教養』(講談社現代新書、2022年)
放送テキスト[編集]
- 『NHKスタンダード40 ロシア語』(日本放送出版協会、2000年、普及版2008年)- CDブック
- 『悲劇のロシア NHK「知るを楽しむ」』(日本放送出版協会、2008年)[注釈 1]
- 『新訳「カラマーゾフの兄弟」-「父殺し」の深層 「NHKカルチャーアワー」』(日本放送出版協会、2008年)[注釈 2]
- 『罪と罰 ドストエフスキー NHK「100分de名著」』(NHK出版、2013年)[注釈 3]
- 『カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー NHK「100分de名著」』(NHK出版、2019年、再版2021年)
- 『集中講義ドストエフスキー 五大長編を解読する 別冊NHK「100分de名著」』(NHK出版、2021年)
編著、共著、共編[編集]
- (江川卓)『ドストエフスキーの現在』(JCA出版、1985年)
- (大石雅彦)『ロシア・アヴァンギャルド5 ポエジア―言葉の復活』(国書刊行会、1995年)
- (小岸昭ほか)『ファシズムの想像力』(人文書院、1997年)
- 『詩女神の娘たち』(未知谷、2000年)。沓掛良彦・和田忠彦・沼野充義・牛島信明 ほか
- 『現代ロシア文化』(国書刊行会、2000年)。望月哲男・鈴木正美・貝澤哉・桑野隆・沼野充義・井桁貞義・西中村浩共著
- (佐藤優との対話)『ロシア-闇と魂の国家』(文春新書、2008年)
- (リュドミラ・サラスキナとの対話)『ドストエフスキー「悪霊」の衝撃』(光文社新書、2012年)
- (菅野昭正編)『村上春樹の読みかた』(平凡社、2012年)、石原千秋、三浦雅士、藤井省三、加藤典洋共著
- (沼野充義との対話)『ロシア革命100年の謎』(河出書房新社、2017年)。新書判
- (中西進編)『万葉集の詩性』(角川新書、2019年)。「万葉集とわたし」を寄稿
- (望月哲男ほか共編)『ドストエフスキー 表象とカタストロフィ』(名古屋外国語大学出版会、2021年)
- (望月哲男ほか責任編集)『総特集ドストエフスキー 生誕二〇〇年 現代思想』(2021年12月臨時増刊号、青土社)
- (エリス俊子共編)『愛、もしくは別れの夜に』(名古屋外国語大学出版会 (Artes MUNDI 叢書) 、2023年)訳詩集
訳書・共訳[編集]
- アントン・チェーホフ『短編集』(『キリスト教文学の世界』、第16巻所収、主婦の友社、1978年)
- チンギス・アイトマートフ『チンギス・ハンの白い雲』 飯田規和共訳(潮出版社、1991年)
- アレクサンドル・ドーリン『約束の地の奴隷――終焉のソビエトから』(中央公論社、1991年)
- サイモン・カーリンスキー『知られざるマリーナ・ツヴェターエワ』(晶文社、1992年)
- コンスタンチン・ケドロフ『星の書物――東方的・詩的宇宙のヴィジョン』 渡辺雅司共訳(岩波書店、1994年)
- アンドレイ・プラトーノフ『土台穴』(国書刊行会、1997年)
- ユーリイ・ボーレフ『スターリンという神話』(岩波書店、1997年)
- ソフィヤ・ヘーントワ『驚くべきショスタコーヴィチ』(筑摩書房、1997年)
- スヴェトラーナ・セミョーノヴァ『フョードロフ伝』 安岡治子共訳(水声社、1998年)
- ウラジーミル・ソローキン『愛』(国書刊行会、1999年、新装版2023年)
- ボリス・グロイス『全体芸術様式 スターリン』 古賀義顕共訳(現代思潮新社、2000年)
- ジョン・アードイン『ゲルギエフとサンクトペテルブルグの奇蹟』[6](音楽之友社、2006年)
- ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(全5巻、光文社古典新訳文庫[1]、2006-2007年[1])- ※最終巻はエピローグと作品論・解説
- ドストエフスキー『罪と罰』(全3巻、光文社古典新訳文庫、2008-2009年)
- ドストエフスキー『悪霊』(全3巻、光文社古典新訳文庫、2010-2011年)
- ドストエフスキー『悪霊 別巻「スタヴローギンの告白」異稿』(光文社古典新訳文庫、2012年)
- ドストエフスキー『新訳 地下室の記録』(集英社、2013年)
- ドストエフスキー『白痴』(全4巻、光文社古典新訳文庫、2015-2018年)
- ソロモン・ヴォルコフ『ショスタコーヴィチとスターリン』 梅津紀雄、前田和泉ほかと共訳(慶應義塾大学出版会、2018年)
- アントン・チェーホフ他『悪魔にもらった眼鏡』 野谷文昭と共編訳(名古屋外国語大学出版会、2019年)
- ドストエフスキー『賭博者』(光文社古典新訳文庫、2019年)
- ドストエフスキー『未成年』(全3巻、光文社古典新訳文庫、2021年-2023年)
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ NHK教育テレビテキスト、2月-3月の月曜日「この人この世界」を担当。
- ^ NHKラジオテキスト、10月-12月の木曜日「文学の世界」を担当。
- ^ 各・教育テレビテキスト、12月を担当。なお2011年度より日本放送出版協会→NHK出版に社名変更。
出典[編集]
- 2019/11/30下野新聞
外部リンク[編集]
- 名古屋外国語大学長 プロフィール - 名古屋外国語大学
- デジタル版 日本人名大辞典+Plus『亀山郁夫』 - コトバンク
- 亀山郁夫 かめやま・いくお - みすず書房