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久保ミツロウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
くぼ ミツロウ
久保 ミツロウ
(旧:久保 美津子)
本名 久保 美津子[1]
生誕 (1975-09-19) 1975年9月19日(50歳)
日本の旗 長崎県佐世保市[2][3]
国籍 日本の旗 日本
職業 漫画家
活動期間 1999年[4] -
ジャンル 少女漫画(旧筆名時)
少年漫画
青年漫画
代表作3.3.7ビョーシ!!
トッキュー!!
モテキ
アゲイン!!
受賞 1993年 『なかよし』まんがスクール期待賞
1994年 『なかよし』まんがスクールギャグ部門銀賞[5]
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久保 ミツロウ(くぼ ミツロウ、本名:久保美津子、1975年昭和50年〉9月19日 - )は、日本漫画家長崎県佐世保市出身。女性。血液型はA型[3]

経歴

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幼い頃から絵を描くことが好きで、保育園時代からイラストを描き始める[6]

小学生の時、兄が購入していた雑誌『New Type』でアニメや漫画の情報を仕入れたり、『週刊少年ジャンプ』『りぼん』『なかよし』『花とゆめ』など月40冊くらいの漫画雑誌を読んだりしていた[4]。特に好きだった漫画は室山まゆみの『あさりちゃん』や新沢基栄の『ハイスクール!奇面組[4]。小学1年生の時に「将来、漫画家になりたい」と思う様になり[4]、「瞳の中の星は5つ入れる」「必ずハイヒールを履かせる」といった独自のルールを確立していた[6]。4年生の時にはペン描きや他愛のないストーリーを作っては描いていたという[4]。中学生の頃には、お年玉を全て画材につぎ込むほど熱中し、セル画も制作していた[6]。絵を描くことに関して、他人から怒られた経験は一度もなく、周囲からは「佐世保でいちばん絵がうまい」と褒められていた[6]

高校生の時に地元の小さな同人誌即売会があり、そこでオリジナル作品を出品していた[4]。3年生の時に『なかよし』の漫画賞に投稿し、シルバー賞を受賞[4]。卒業後、アルバイトをしながら漫画家を目指していた時に福岡県で行われた『なかよし』の漫画スクールに参加、そこに来ていた編集者に久保の投稿作品がある漫画家に賞賛されたことを伝えられ、その1ヶ月後に漫画家の田中政志から直接電話がかかり、田中の誘いで上京[4]。田中が原作、久保が作画を担当する漫画を描く事になったが、『少女フレンド』『mimi』に持ち込んだもののボツになり[4]、力不足を感じた久保は編集者に頼み吉田まゆみアシスタントをすることになった[4]

1996年、アシスタント1年目に『mimi』から3話限定作の依頼を受けて描いた『しあわせ5はん』でデビュー[7][4][2]。当時のペンネームは本名の「久保美津子」[1][5]。しかし同誌が直後に廃刊になり、その後『Kiss』に移ったものの、恋愛もののネームが上手くいかず苦悩していた[4]。そんな中、『mimi』の元編集者から『週刊少年マガジン』でホストを題材にした漫画の執筆を依頼され、「久保ミツロウ」名義で『3.3.7ビョーシ!!』を連載し、これが少年誌デビューとなる[4]。以降は「久保ミツロウ」のペンネームで作品を発表し続け、いずれの連載も長期連載のヒット作としている。

2008年からイブニングにて連載していた『モテキ』が、2010年にテレビドラマ化[8]。好評を得て2011年には映画化された。

漫画家業のほかメディア出演も行っており、主に能町みね子との共演が数多い。

2017年、画業20周年を記念して原画展『久保ミツロウ展』を開催した[9]

人物

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  • 『週刊少年マガジン』で連載されている西本英雄のルポ漫画『もう、しませんから。』に何度か登場しているが、顔出しNGで、自画像は本人の希望で常にヒゲもじゃに描かれている。しかし、2012年5月18日には「生のタモリに逢えるのなら」と今まで断り続けていたテレビ出演のオファーを受け、同年5月21日放送の『笑っていいとも!』のコーナー「ちょっと怪しい課外授業」へ顔出しでのテレビ初出演を果たした[10]。7月30日には同番組の「テレフォンショッキング」に出演している[11]
  • かなりの遅筆で、山本航暉の『ゴッドハンド輝』と、自身の『トッキュー!!』のコラボレーション企画を行った時、山本の筆の速さに驚いたという。
  • Perfumeの大ファンであり、彼女らが『ポリリズム』でブレイクする遥か前のメジャーデビューイベントの握手会に参加している。『モテキ』ドラマ化の際にはPerfumeの曲起用を要望し、映画化においてはPerfumeが出演するに至った。完成試写会では握手会以来の握手を交わし涙した事を漫画コラムに記している。
  • かつて入居していたマンションは過去に伊集院光が住んでいたものであり、本人が忘れ物を取りに来たことがある[12]
  • 高校時代の部活は演劇部[13]。最初は美術部に入ろうと思っていたものの、漫画以外の経験を積むために、自分とは正反対の「舞台に立つ」ことを選び、入部したという。強豪校ではなかったが、部長を務め、人前に出る経験を通して鍛えられた[13]。また、発声練習も行っていたため、声が通るようになったのはこの時期の経験が影響している可能性があると語っている[13]

作品リスト

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連載

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  • しあわせ5はん(原作:美春羽里) - 『mimi』(1996年11月号 - 1997年1月号、『久保ミツロウ 初期作品集 しあわせ5はん/くらげ』に収録)- デビュー作
  • やすらぎタレント安藤君物語 くらげ(原作:森浩美) - 『Kiss』(1997年No.14 - 1998年No.1 1998年No.13、『久保ミツロウ 初期作品集 しあわせ5はん/くらげ』に収録)
  • 3.3.7ビョーシ!! - 『週刊少年マガジン』(2001年34号 - 2003年28号、全10巻、文庫版全5巻)
  • トッキュー!!(原作:小森陽一) - 『週刊少年マガジン』(2004年6号 - 2008年33号、全20巻、文庫版全7巻)
  • モテキ - 『イブニング』(2008年23号 - 2010年9号、全4巻+別冊1巻(4.5巻))
  • アゲイン!! - 『週刊少年マガジン』(2011年19号 - 2014年19号、全12巻)

読切

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  • 幸子の夢はいつひらく?(Kiss)
  • リンダリンダ(週刊ヤングマガジン、2003年35号、『モテキ』1巻に収録)
  • モテキ ガールズサイド(イブニング、2010年15号・16号、『モテキ』4.5巻に収録)

イラスト

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  • FNS27時間テレビ(フジテレビ)
  • ヨルタモリ(フジテレビ)
  • 優しい人なら解ける クイズやさしいね(フジテレビ)
  • 矢野顕子『Soft Landing』アルバムカバーイラスト(SPEEDSTAR RECORDS
  • 岡村靖幸『あの娘と、遅刻と、勉強と』 (2015年4月24日、TOKYO NEWS MOOK 479号)ISBN 978-4-86336-467-7
    2015年4月26日から開催された岡村靖幸ライブツアー「This is my life」の会場物販での購入者特典として久保の限定イラストと岡村による題字がデザインされた「きせかえカバー」がプレゼントされた。
  • Perfume「たちまち、語リンピックせん?」題字・イラスト(TVブロス、2013年 - )
  • マルタイラーメン「家族の真ん中にいつもマルタイ」(2017年、電車広告)

アニメ

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作詞

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  • U-zhaan「俺の小宇宙」(2014年)[15]

出演

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バラエティ番組

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  • 森田一義アワー 笑っていいとも!(フジテレビ)
    • ちょっと怪しい課外授業(2012年5月21日、2014年3月3日)[16]
    • テレフォンショッキング(2012年7月30日)[11]
  • 笑っていいとも!増刊号(フジテレビ)
    • しんご×ミツロウの妄想マンガ描いていいとも!(2014年3月10日 - 24日、コーナー出演)[17]
  • こじらせナイト シリーズ(フジテレビ)
    • 久保ヒャダこじらせナイト(2012年12月2日〈1日深夜〉[18]、2013年4月5日〈4日深夜〉[19]・6月2日〈1日深夜〉[20]
    番組終了後、能町がレギュラーに加わる後続番組「久保みねヒャダこじらせナイト」へ。
    • 久保ヒャダ 久保×みね こじらせ女子旅 2013(2013年8月10日〈9日深夜〉) - スピンオフ番組。沖縄[21]
    • 久保みねヒャダこじらせナイト(2013年10月20日〈19日深夜〉[22] - 2017年9月23日、2018年4月29日 -)
    • 久保みね こじらせぶらり旅(2014年9月6日) スピンオフ番組。函館。

ラジオ

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イベント

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  • トークイベント「久保みねヒャダこじらせライブ」(2017年10月 - )

漫画以外の連載

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  • 久保ミツロウの ああ成長痛!! 〜すべての不安や悩みは成長痛〜 (月刊ニュースがわかる毎日新聞社〉、2014年10月号[24] - 2017年3月号)
  • 久保みねヒャダこじらせブロス(2018年 - 2023年[25]、TVブロス)

アシスタント経験者

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脚注

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出典

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  1. ^ a b 会議テーマ「スカロケ社会人の主張3日目!案件 〜男と女、得なのはどっち?〜」」『Skyrocket Company』(インタビュー)(インタビュアー:マンボウやしろ、浜崎美保)、TOKYO FM、2017年2月22日。
  2. ^ a b 久保ミツロウのプロフィール・作品情報」『コミックナタリー』ナターシャ。 {{cite web ja}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  3. ^ a b “著者紹介”. イブニングCK (講談社). オリジナルの2014年4月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140426234127/http://kc.kodansha.co.jp/author/list.php/1000004546 2010年9月21日閲覧。 
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m 久保ミツロウ先生インタビュー」(インタビュー)、日本漫画学院、2008年4月。2012年1月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年9月21日閲覧
  5. ^ a b プロフィール」ほぼ日、2010年。2025年8月11日閲覧
  6. ^ a b c d 今回は全部出し!「ユザーンの川越コンピューター学園」 その6」『ASCII』(インタビュー)(インタビュアー:U-zhaan)、角川アスキー総合研究所、2012年5月29日。
  7. ^ 『mimi』(講談社)1996年11月号 原作:美春羽里
  8. ^ 『モテキ』TVドラマ化、7月から放映!フジ役は森山未來」ナターシャ、2010年5月21日。
  9. ^ 「久保ミツロウ展」明日から! 「生原稿を見てもらうには最後のタイミング」」『コミックナタリー』ナターシャ、2017年6月30日。
  10. ^ 久保ミツロウが『笑っていいとも!』の1コーナーに出演」『コミックナタリー』ナターシャ、2012年5月18日。
  11. ^ a b 久保ミツロウ、週明け「テレフォンショッキング」に出演」『コミックナタリー』ナターシャ、2012年7月27日。
  12. ^ TBSラジオ『伊集院光 深夜の馬鹿力』2002年1月21日・28日深夜放送分。概要としては、番組リスナーだった久保が新居のクローゼットから「伊集院光の忘れ物」とメモのついた金具を発見し、そのことを「ここに住んでいましたか?」と番組へFAXを送ったために発覚した(1月21日)。伊集院が翌週(1月28日)に詳細を語った際、久保の名前は直接は明らかにされていないが、「『マガジン』で『3.3.7ビョーシ』を連載している漫画家さん」と紹介されている。また、伊集院が部屋へ訪問した際、久保は性別を明らかにしていなかったため、ラジオでは性別を言わないよう釘を差した。しかしその後、久保自身がマスメディアに露出し女性であるということも明らかにするようになったため、伊集院は自分に何のことわりもないことをぼやいていた。
  13. ^ a b c 2020年はどんな年だったんですか?【連載 久保みねヒャダこじらせブロス】」『TV Bros. WEB』(インタビュー)(インタビュアー:前田隆弘)、東京ニュース通信社、2021年6月23日。
  14. ^ ユーリ!!! on ICE : 作品情報 : 作品情報”. アニメハック. 2020年9月25日閲覧。
  15. ^ 久保ミツロウ、U-zhaan×ハナレグミ曲を作詞」『コミックナタリー』ナターシャ、2014年8月28日。
  16. ^ 本日放送「笑っていいとも!」に久保ミツロウが出演」『コミックナタリー』ナターシャ、2014年3月3日。
  17. ^ 「いいとも」に久保ミツロウの冠コーナー、本日より3週限り」『コミックナタリー』ナターシャ、2014年3月10日。
  18. ^ 久保ミツロウ、ヒャダインと冠TV番組「こじらせナイト」」『コミックナタリー』ナターシャ、2012年11月26日。
  19. ^ 久保ヒャダの冠番組「こじらせナイト2」で暴走トーク再び」『コミックナタリー』ナターシャ、2013年3月22日。
  20. ^ 「久保ヒャダこじらせナイト」3回目は能町みね子も登場」『コミックナタリー』ナターシャ、2013年5月21日。
  21. ^ 久保ミツロウと能町みね子、TVで旅番組「こじらせ女子旅」」『コミックナタリー』ナターシャ、2013年8月6日。
  22. ^ 久保ヒャダこじらせナイト、能町みね子加えレギュラー化」『コミックナタリー』ナターシャ、2013年10月10日。
  23. ^ 久保ミツロウ&能町みね子のANN復活! 「GOLD」の木曜日レギュラーに」『コミックナタリー』ナターシャ、2015年3月6日。
  24. ^ 久保ミツロウ、子供向けの人生相談を新連載」『コミックナタリー』ナターシャ、2014年9月13日。
  25. ^ 自分のために生きていますか?【連載 久保みねヒャダこじらせブロス/最終回】”. TV Bros. WEB. 東京ニュース通信社 (2023年7月3日). 2024年1月12日閲覧。
  26. ^ “米林昇輝”. 漫画レビュー.com. http://www.manngareview.com/authers/show/952 2010年9月21日閲覧。 
  27. ^ “棚橋なもしろのプロフィール”. マンガ家・雑誌 (コミックナタリー). https://natalie.mu/comic/artist/2230 2010年9月21日閲覧。 
  28. ^ “卒業生が「マガジンスペシャル(講談社)」で堂々デビュー!”. SDG News (札幌デザイナー学院). (2007年1月20日). http://www.sdg.ac.jp/news/entry/20070120m.html 2010年9月21日閲覧。 
  29. ^ 久保ミツロウ [@kubomitsurou]「11月18日発売で元アシの野田君の初単行本が出ます。私が帯描いてます。アホみたいにウマイんで読んでみて下さい!→スピナマラダ!1 (ヤングジャンプコミックス)野田 サトル」2011年11月10日。X(旧Twitter)より2025年8月11日閲覧。
  30. ^ 『ゴールデンカムイ』野田サトルインタビュー 「もっと変態を描かせてくれ!」複雑なキャラクターが作品をおもしろくする!!」『このマンガがすごい! WEB』(インタビュー)(インタビュアー:加山竜司)、宝島社、2016年1月11日。
  31. ^ 鶴ゆみか、金田淳子「もはや私は貴腐人です」特集 作者・鶴ゆみか×BL研究家・金田淳子対談」『コミックナタリー』(インタビュー)(インタビュアー:平松梨沙)、ナターシャ、2015年11月6日。

外部リンク

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