タンジン
| タンジン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1. 花期の株 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| Salvia miltiorrhiza Bunge (1833)[1][2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| タンジン(丹参)[3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| red sage[4], Chinese sage[4], tan shen[4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 下位分類群 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
タンジン(丹参、学名: Salvia miltiorrhiza)は、シソ科アキギリ属の多年草の一種、またはその根に由来する生薬のことである。「丹参」は、「赤く肥大した根」を意味する。茎は直立して高さ40–80 cmになり、根は赤褐色で肥厚する。葉は対生し、ふつう羽状複葉、毛で覆われる。花期は春から夏、白色か青紫色の唇形花が茎頂に数段につく(図1)。中国に自生する。根を日干ししたものは中国で古くから生薬として利用され、活血、調経、消腫、鎮痛などの作用があるとされる。
特徴
[編集]高さ40–80 cmになる多年草であり、根は赤褐色で多肉質に肥厚する[1]。茎は直立し、よく分枝し、横断面は四角形、軟毛が生えている[1][5]。葉は対生し、単葉または奇数羽状複葉、葉柄は長さ1.3–7.5 cm、複葉の場合は小葉柄は長さ2–14 mm、側小葉は1–3対、大きさは1.5-8 × 1-4 cm(頂小葉が最も大きい[6])、葉身または小葉は円形から広披針形、先端は鋭形から漸尖形、葉縁に鋸歯があり、全体に密に軟毛がある[1][5](図1)。
花期は4–8月、6個から多数の花からなる輪散花序が茎頂に(基部では広い間隔で、先端では密に)集まり長さ4.5–17 cmの総状の花序を形成する[1][5](図1, 2)。花序軸は密に軟毛や腺毛で覆われている[1][5]。苞は披針形、花柄は長さ3–4 mm[1]。萼は鐘形、紫色、長さ8–10 mm、まばらに軟毛と腺毛があり、唇形、縁には繊毛があり、上唇は約4 × 8 mm、3歯があり、下唇は上唇とほぼ同長、2歯がある[1][5](図2)。花冠は白色か青紫色、二唇形、長さ2–2.7 cm、花筒内面に細毛からなる環があり、上唇には腺毛が密生、長さ1.2–1.5 cm、鎌形、下唇は短く、3裂し、側裂片は幅約3 mm、中央裂片は約5 × 10 mm、先端は浅く2裂し、細かい歯牙がある[1][5](図1, 2)。雄蕊は2個、長さ3.5–4 mm、葯隔は長さ1.2–2 cm[1]。雌蕊は1個、花柱は長く突き出ている[1](図2)。果実は4分果からなる分離果、分果は楕円形、約3.2 × 1.5 mm[1]。
分布
[編集]中国(河北省、山西省、山東省、江蘇省、安徽省、浙江省、河南省、湖北省、湖南省、陝西省、四川省)、ベトナムに分布する[1][2][7]。日本などで栽培されることもある[5][7]。
利用
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肥大した根が生薬として用いられ、タンジン(丹参)とよばれる[8](図3)。「丹参」は、朱紅色(丹)の太い根(参)を意味する[9]。 赤参や血参ともよばれる[8]。
生薬としての丹参は根を掘り上げて茎葉やひげ根を除いて日干ししたものであり、直径0.3–1.5 cm、長さ5–25 cmの円柱形、外面は赤褐色から黒褐色で縦じわがあり、皮部は灰黄白色から赤褐色、匂いはわずかであり、味ははじめは甘く、のちにわずかに苦く渋い[10]。成分としてはフェナントラキノン系の色素であるタンシノンI、タンシノンII、クリプトタンシノン、カフェ酸誘導体であるリソスペルミン酸B、サルビアノール酸Bなどを含む[10][9][4]。
中国では古くから使用されており、最も古い本草書である『神農本草経』において、上品(無毒で長期服用が可能なもの)に収載されている[8][9]。活血、調経、消腫、鎮痛などの作用があるとされ、月経不順、腹満、経閉、産後の悪阻腹痛、リウマチなどに対して用いられる[9][10]。また、血管拡張、血流増加、血圧降下、抗血栓、血液粘度低下、動脈硬化の予防・改善、抗酸化、鎮痛、抗炎症、抗菌、精神安定作用があるともされる[11]。狭心症などの心疾患に用いる中成薬の「冠心II号方」は、タンジンを主要な生薬としている[9]。日本薬局方では、第17改正(2016年)から新たに収載されている[9]。日本の医療用漢方処方でタンジンを配剤したものはないが、冠心II号方をベースにした頭痛・めまい、どうきなどの改善を目的とした医薬品が販売されている[9]。
分類
[編集]タンジンの中には、以下の2変種が認識されている[1][2][12]。
脚注
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 WFO (2026年). “Salvia chamelaeagnea Berg.”. World Flora Online. 2026年8月15日閲覧。
- 1 2 3 4 “Salvia miltiorrhiza”. Plants of the World Online. Royal Botanical Gardens Kew. 2026年8月15日閲覧。
- ↑ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Salvia miltiorrhiza Bunge”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年8月22日閲覧。
- 1 2 3 4 “タンジン”. 植物データベース. 熊本大学薬学部薬用植物園. 2026年8月15日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 牧野富太郎 (1989). “タンジン”. In 小野幹雄・大場秀章・西田誠. 牧野新日本植物圖鑑 改訂増補. 北隆館. p. 646. ISBN 978-4832600102
- ↑ 「タンジン」『日本大百科全書(ニッポニカ)』。コトバンクより2026年8月15日閲覧。
- 1 2 3 “タンジン”. 山科植物資料館 (2017年4月30日). 2026年8月15日閲覧。
- 1 2 3 川添和義、小池佑果、栗本慎一郎、磯田進. “タンジン”. 生薬の花. 日本薬学会. 2026年8月15日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 “タンジン”. 東京生薬協会. 2026年8月15日閲覧。
- 1 2 3 “タンジン”. 新常用和漢薬集. 東京生薬協会 (2022年5月16日). 2026年8月15日閲覧。
- ↑ 阿部博幸 路京華『脳と心臓の血管は丹参で蘇る』(リヨン社、2000年)、pp.104-108
- 1 2 “Salvia miltiorrhiza”. Flora of China. 2026年8月15日閲覧。