中国野球リーグ
中国野球リーグ | |
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競技 | プロ野球 |
開始年 | 2002年 |
参加チーム | 7 |
国 | ![]() |
最終年 | 2018年 |
最終優勝 | 天津ライオンズ |
最多優勝 | 天津ライオンズ(6回目) |
公式サイト | http://baseball.sport.org.cn/ |
中国野球リーグ | |
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各種表記 | |
繁体字: | 中國棒球聯賽 |
簡体字: | 中国棒球联赛 |
拼音: | Zhōngguó Bàngqiú Liánsài |
発音: | チョングオ バンチュウ リェンサイ |
英文: | China Baseball League(CBL) |
中国野球リーグ(ちゅうごくやきゅうリーグ)は、中国棒球協会の開催する中国の野球リーグ。2010年までは7チームによる1リーグ制でリーグ戦が行われていた。2010年は経済的な理由から、リーグ戦はわずか1か月だけ行われた。2012年、2013年からはリーグ戦そのものが中止されたが、2014年に再開された。しかし、その後も開催規模を縮小していき、2018年シーズンは、6チーム各1試合の総当り戦(全15試合)が行われるだけの規模まで縮小した[1]。
この状況を仕切り直すべく、2019年8月に新たなプロ野球リーグとして、中国プロ野球連盟を発足させたため、中国野球リーグは消滅した[2]。
沿革[編集]
- 中国に野球が伝わったのは100年以上前のことで、アメリカや日本への留学生や、アヘン戦争後にやってきた宣教師によって伝えられたと言われている。1959年の第一回全国運動会では、30以上の省・市のチームが優勝を争った。しかしその後文化大革命によって野球文化は衰退、野球チームも解散となった。
- 1970年代から北京や上海などの都市で再び野球チームが結成され始め、現在では十数の野球チームが存在している。2008年に行われる北京オリンピックに後押しされ、その中でも強豪とされる北京市・天津市・上海市・広東省のチームが新リーグを結成、2002年にCBLとして発足。
- 2003年、中国野球リーグがMLBと提携。
- 2005年シーズンから、新たにCBL新規加入決定戦に勝ち抜いた中国ホープスターズ(現:江蘇ヒュージホーセス)と四川ドラゴンズの2チームがリーグへ加入。中国ホープスターズは首都体育大学管轄の若手主体のチーム、四川ドラゴンズは1979年に発足した歴史あるチームである。
- 2006年、2地区制を採用。
- 2007年1月30日、中国棒球協会がニューヨーク・ヤンキースと協力関係を締結(コーチの派遣など)。ヤンキースは野球アカデミーを設立する。
- 2009年、河南が加盟。
- 2009年、2010年、2011年はスポンサーをしていた日本企業がすべて撤退したため、リーグ戦の規模を縮小し、1チーム10試合弱の小規模リーグとなっていた。
- 2012年、2013年はリーグ戦が行われなかった。
- 2014年からリーグ戦が再開された。
- 2016年シーズンは河南を除く6球団でレギュラー戦が6回ホームアンドアウェーの総当り戦行い、上位2チームが中国シリーズに進出。3か月のレギュラー戦を経って天津ライオンズ(21勝9敗)と北京タイガース(20勝10敗)は中国シリーズに進出した。
構成球団[編集]
甲組(1部)[編集]
乙組(2部)[編集]
- 河南エレファンツ
- 解放軍棒球隊
- 山東棒球隊(山東商業職業技術学院)
- 遼寧大連棒球隊
試合形式[編集]
- 2002年 発足初年度の2002年は総試合数は25試合で期間は1か月。変則的なホーム・アンド・アウェー方式による4チームの総当たり戦を行い、勝ち点上位2チームによって決勝が行われた。
- 2003年~2005年 2003年は大幅な試合数増とオールスター戦を導入。5月のオールスターを挟んだ3月から6月にかけて、72試合のレギュラーシーズンを戦い、上位2チームによるチャンピオンシップによって優勝が決定される方式となった。
- 2006年~2008年 2006年から2地区制になり、レギュラーシーズンは各チームとも同地区のチームと6試合、他地区のチームとは各々3試合、計21試合を行う。そしてプレーオフは、両地区の1・2位チームがたすきがけ方式で3戦先勝の試合を行ない、勝ったチームが3戦先勝の最終シリーズで戦う。
- リーグ戦の他に全国体育大会(国体)への都市代表としてのプロチーム参加が認められており、香港などを含めた12の都市代表チームによって勝敗を争う。またチームの積極的な海外遠征も行っており、キャンプや交流戦などを主目的としてアメリカ、台湾、日本などに遠征している。
- 中国野球ではユニークなことに、野球のルールを知らない観客のために試合中に今のプレーはどういうことなのかという実況が会場内に放送される。またもうひとつの特徴として、多くの日系企業がスポンサーについていることが挙げられる。リーグ全体のスポンサーはCANON中国、サプライヤーはミズノ中国である。2004年の野球アジア選手権で中国代表のスポンサーに日立建機がついていたことが代表的である。
- 球場への入場料は無料だが観客は少ない(プロ用として一定の水準を満たすような球場自体がないためだが、それでも球場を埋めるほどの観客は集まらない)。
アジアシリーズ[編集]
2005年から東アジア各国のプロ野球リーグ戦の優勝チームによるアジアシリーズ・KONAMIカップが行われているが、中国野球リーグについては、第1回(2005年)~第3回(2007年)大会はリーグ優勝チームではなく、ジム・ラフィーバー監督率いる中国野球リーグ選抜が出場した。第4回(2008年)はリーグ優勝チームの天津ライオンズが出場した。(第1回から4回まで会場は日本・東京ドーム)
2011年にアジアシリーズは台湾で再開されたものの、中国野球リーグからの参戦は見送りとなった。2012年のアジアシリーズ(韓国開催)には5年ぶりにチャイナスターズとして参戦した。
選手の待遇[編集]
- CBLは抜き打ちで体力測定を行っており、これに合格しなければ出場資格が与えられない。(3200メートルを14分20秒以内、ベースランニング1周16秒50以内など)不合格者を出したチームは罰金として1万元(10万円強)をCBLに収める必要がある。
- 選手の給料は月給制で、選手の能力やチームの経済力によってその額は異なるが、大体1000~4000元の間。これは中国の一般の会社員の平均所得並である。
日系企業と中国の野球[編集]
- 「筑紫哲也 NEWS23」(TBS系)によると、中国野球リーグでは前項で触れた日立建機のように著名な日系企業の支援が比較的目立っている。これは2008年の北京オリンピックを目指した地域再開発事業を進めるに当たって、国家的イベントに対する整備が待ったなしの状態にあることから生まれた「中国特需」を利用したこと、そしてそれに関連して企業イメージを全面的に打ち出すには成長著しい中国の野球が絶好のマーケティング媒体だといわれる。リーグ運営の相談を行っているのもDSM(ダイナスティ スポーツマーケティング)という日系企業であったが、2005年でギブアップし、2006年よりソフトバンクグループの中国棒球企画株式会社が、マーケティング活動を行なっていたが2008年をもって撤退した。
- CBL本体:ミズノ・キヤノン
- 北京タイガース:全日空
- 天津ライオンズ:日立建機
CBLの担う中国での野球普及への役割[編集]
- CBLではMLBやNPBなど海外リーグの協力のもと、「野球」への認知を深めようと「歓楽棒球」と呼ばれる野球体験教室の各都市での開催や、児童施設への訪問などを積極的に行っている。
- 現在、多くの台湾野球コーチたちが中国野球リーグで在籍し交流している。
今後の中国野球の展望[編集]
- 中国棒球協会では、将来的にリーグを南部と北部に分けた合計8チームへと大幅な拡大を予定している。2004年のアテネ五輪のアジア予選で代表チームはフィリピン、インドネシア、パキスタンと争った予選リーグを勝ち進み、決勝リーグへ進出。ただ、日本、韓国、台湾と戦い結果は全敗。また、2006年のアジア大会(ドーハ)では連敗。日本の大学生にもコールド負けとなった。2008年の北京五輪では予選リーグでタイブレーク方式で台湾にサヨナラ勝ちしたものの、その1勝だけで予選リーグ最下位に終わった。2009年WBC1次ラウンドでは4-1で台湾に勝利した。
- しかし、サッカーや卓球、バスケットボールなど中国国内の先発の人気スポーツに対抗するために、日本の大学野球水準と言われる実力の底上げと、より一層の宣伝活動が必要だと考えられている。ただ、中日ドラゴンズやメジャーリーグベースボール(マイナー契約)に選手を送り出している。
- MLBは北京オリンピック後にアメリカ資本のプロ野球チームを中国につくる構想も計画中である。現にニューヨーク・ヤンキースのように中国協会と提携を結んでいる球団も存在する。
中国棒球協会(CBA)[編集]
CBL歴代優勝チーム[編集]
CBLでは、チャンピオンシップシリーズで中国野球リーグ優勝を争う。決賽とも呼ばれる。2005年まではリーグ戦の1位と2位が対戦していた。2006年より2地区制になり、両地区の1位、2位チームのたすきがけ方式による5戦3勝制のプレーオフを行い、それぞれの勝利チームが3戦先勝のチャンピオンシップシリーズを戦う。ここではチャンピオンシップシリーズの結果を記す。
- 星取表は勝利チームから見た結果。○は勝利、●は敗戦、△は引き分け。
回数 | 年度 | 優勝チーム |
成績 | 星取表 | 相手チーム |
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1 | 2002年 | 天津ライオンズ(1位) | 1勝0敗 | ○ | 北京タイガース(2位) |
2 | 2003年 | 北京タイガース(2位) | 3勝2敗 | ○○●●○ | 天津ライオンズ(1位) |
3 | 2004年 | 北京タイガース(2位) | 3勝2敗 | ●●○○○ | 天津ライオンズ(1位) |
4 | 2005年 | 北京タイガース(1位) | 3勝0敗 | ○○○ | 天津ライオンズ(2位) |
5 | 2006年 | 天津ライオンズ(西南華北1位) | 3勝0敗 | ○○○ | 広東レパーズ(東南華東1位) |
6 | 2007年 | 天津ライオンズ(西南華北1位) | 3勝1敗 | ○●○○ | 広東レパーズ(東南華東1位) |
7 | 2008年 | 天津ライオンズ(西南華北1位) | 3勝0敗 | ○○○ | 北京タイガース(西南華北2位) |
8 | 2009年 | 北京タイガース(西北1位) | 1勝0敗 | ○ | 広東レパーズ(東南1位) |
9 | 2010年 | 広東レパーズ(2位) | 2勝0敗 | ○○ | 北京タイガース(1位) |
10 | 2011年 | 天津ライオンズ(1位) | 3勝1敗 | ●○○○ | 広東レパーズ(2位) |
- | 2012年 | - | リーグ中断 | - | - |
- | 2013年 | - | リーグ中断 | - | - |
11 | 2014年 | 北京タイガース(1位) | 2勝1敗 | ○●○ | 天津ライオンズ(2位) |
12 | 2015年 | 江蘇ペガサス | 2勝 | ○○ | 北京タイガース |
13 | 2016年 | 天津ライオンズ(1位) | 3勝0敗 | ○○○ | 北京タイガース(2位) |
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ 仕切りなおした中国プロ野球、第1回CNPBシリーズは強豪・北京タイガースが優勝Yahooニュース 2019年10月23日
- ^ 中国プロ野球連盟が発足、MLBと戦略的提携AFP通信 2019年8月16日