中判カメラ

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最初の中判カメラ、No.2ブローニー(1901年)。
マミヤC220英語版(1968年)。

中判カメラ(ちゅうばんカメラ)は、120フィルム、220フィルム(ブローニーフィルム)を使用する写真機の総称である[1][2]。日本においてのみ、ブローニーカメラブローニー判カメラ(ブローニーばんカメラ)とも呼ぶが[3][4][5]コダックの写真機ブローニーのすべてが中判カメラの範疇に入るわけではない。

中判デジタルカメラについても、本項の節「中判デジタルカメラ」で扱う。

概要[編集]

一般的多く使われている35mm幅の135フィルムを使用するカメラに比べると大きく重くなるが、画質の良さからプロハイアマチュアに使われている。また過去には116フィルム620フィルムを使用するカメラなども中判カメラとして扱われていた。135フィルムを使用するカメラと、大判カメラの中間のフィルムサイズのカメラという意味では、127フィルム(ベストフィルム)のカメラもその範囲に入る。ホルガなど120フィルムを使用するトイカメラも、一応は中判カメラとして分類することができる。

集合写真やスタジオでの人物・商品撮影、風景写真、接写による資料複製など大判カメラを使用する程ではない場合や、大判カメラを持ち出せない場所(特に山岳写真)での撮影で高画質を求める用途では幅広く使われており、各種用途に適したカメラが市場に存在する。重くて使いづらいイメージで一般のアマチュア写真家から敬遠されてきたが、最近ではオートフォーカスや自動露出機能を搭載し自動化が進んだ簡便に撮影できるものや、軽量な製品も出てきている。

フィルムカメラ全体の動向と同じくディジタルカメラの普及などにより、中判カメラ(中判写真)も縮小の傾向にある。しかし、ライカ判を代表とする小判と比較すると引き延ばしの倍率が低くて済むことによる高画質があり、一方、大判カメラと比較するとシートフィルムではなくロールフィルムを使えることによる気軽さや、携行性・取り回しの良さがある。このため、ライカ判がディジタルカメラに一掃されたことと比較するとある程度の競争力があり、根強い支持を受け続けている。

120フィルムまたは220フィルムによる、6×4.5cm判、6×6cm判、6×7cm判、6×8cm判、6×9cm判、6×12cm判、6×17cm判等各種のフォーマットがある。またマスクやマガジン等により複数のフォーマットが使用できたり、ごく一部には35mm判と兼用できるカメラもある。135フィルムのパーフォレーション等を無視して、中判カメラでオーバーサイズで撮影するという提案もある。後述するディジタル中判カメラでは、2016年現在、約44mm×約33mm前後の判型が多い。

おもな中判カメラ[編集]

おもな中判カメラ(ブローニー判カメラ)の一覧である。

  • イルフォード
  • ローライ
  • オリンパス
  • ハッセルブラッド
  • マミヤ
  • 富士フイルム
  • 富山製作所
  • プラウベル
  • コーフィールド
  • エルモ
  • リンホフ
  • 八陽光学工業
  • カメラ・ウェルクシュテーテン
  • ホートン
  • アンスコ
  • ウイスタ
  • ノリタ光学
  • パノンカメラ商工
  • ヤシカ
  • アイレス写真機
  • コニカ
  • ナーゲル
  • レオタックス
  • ダースト
  • アルパ
  • メントール
  • リコー
  • ペンタコン
  • ウェルタ
  • キエフ
  • 興和
  • エボニー
  • ペトリ
  • メオプタ
  • 駒村商会
ルビテル英語版2(1955年)。
ダイアナカメラ(1960年代)。
  • コンテッサ・ネッテル
  • パンフレックス
  • ボルシー
  • ローデンシュトック
  • ロモ - ルビテル英語版 - 120フィルム、二眼レフカメラ
    • ルビテル2 - 120フィルム、二眼レフカメラ
    • ルビテル166 - 120フィルム、二眼レフカメラ
    • ルビテル166B - 120フィルム、二眼レフカメラ
    • ルビテル166ユニヴァーサル - 120フィルム、二眼レフカメラ
  • ホルガ
    • ホルガ120S - 120フィルム、6×4.5cm
    • ホルガ120N - 120フィルム、6×4.5cm・追加6×6cm
  • グレートウォール・プラスチック・カンパニー
  • 海鴎
  • ロモグラフィー
    • ダイアナ+ - 120フィルム、4.2x4.2cm判16枚撮り(5.2x5.2cm判も許容、ダイアナカメラの復刻版)
    • ルビテル166+ - 120フィルム(ルビテル166の復刻版)

中判ディジタルカメラ[編集]

中判ディジタルカメラとしては、中判フィルムカメラのシステムをそのままデジタルバック(中判デジタルバック)等で継承するもの、システムのうち、レンズ交換式中判フィルムカメラなどのマウント等のインタフェースを継承していくつかの部分は新設計としたもの、全く新しく設計されたもの、などがある。

中判ディジタルカメラのイメージセンサーのサイズは、2016年現在、フィルムカメラにおける120(及び220)フィルムの撮影幅をベースとした60mm系列よりも小さいものがほとんどであり、約44mm×約33mmのものが多く、その意味では「中判」の語は、イメージセンサーのサイズがライカ判(ディジタル時代の俗語ではいわゆる「フルサイズ」)より大きい、といったような意味になっている。これが一時的なもので、今後フィルムのそれと同程度のサイズまで拡大されたもの(両者の中間程度のものも含め、2016年現在、いくつか存在している)がメジャーとなるのか、約44mm×約33mmが(APS-Cサイズなどのように)新しいデファクトスタンダードとして定着するのか、は未来のことで不明瞭である。ともあれ、いわゆる「フルサイズ」より大きくかつ画素数も多く(あるいは同一画素数であれば感度や対ノイズ特性に優れるはずで)、それゆえ価格も相応に高価だが、高画質・高詳細・大きなイメージセンサーによるボケ効果などを求めた需要に対し供給されているものとみられる。

主な中判ディジタルカメラ[編集]

ペンタックス645D

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ デジタル大辞泉『中判カメラ』 - コトバンク、2011年12月21日閲覧。
  2. ^ カメラマン写真用語辞典『中判カメラ』 - コトバンク、2011年12月21日閲覧。
  3. ^ デジタル大辞泉『ブローニー』 - コトバンク、2011年12月21日閲覧。
  4. ^ デジタル大辞泉『ブローニーカメラ』 - コトバンク、2011年12月21日閲覧。
  5. ^ デジタル大辞泉『ブローニー判カメラ』 - コトバンク、2011年12月21日閲覧。

外部リンク[編集]