下田治美

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下田 治美(しもだ はるみ、1947年7月25日 - 2011年9月5日[1])は、日本の作家エッセイスト

人物・来歴[編集]

東京都生まれ[2]。結婚したが夫に愛想を尽かし、離婚ののち出産、一人で子育てをしつつ執筆活動を始め、1984年、37歳で最初の著作『離婚聖書』を上梓する。以後離婚や子育てに関するエッセイを年一冊ずつ刊行、小説にも手を染め、1992年の『愛を乞うひと』で、実母の虐待を受ける少女を描いて衝撃を与え、1998年には映画化された。その後、子供の自立や医者批判をテーマにした本などを上梓している。

2003年、長男がヨドバシカメラに派遣社員としてDDIポケット経由で二重派遣されている時、自宅に押しかけた派遣会社の上司が下田の目前で長男を暴行し重傷を負わせる事件が起こった(ヨドバシカメラ違法派遣暴行事件)。下田と長男は派遣会社とヨドバシカメラを告訴し勝訴した。

著書[編集]

  • 『離婚聖書』山手書房 1984 『離婚バイブル』と改題、新潮文庫
  • 『さ・よ・う・な・ら あなたの離婚は損か得か!?』主婦の友社 1985
  • 『妻菌病 こんな女が家族を破滅させる』日本経済通信社 1986
  • 『単親家庭の呪い 亭主おらずとも子は笑う』情報センター出版局 1987 『ぼくんち熱血母主家庭』と改題、講談社文庫、学陽文庫、角川文庫
  • 『2DKの呪い ニッポン家庭のタブーに歯向かう』情報センター出版局 1988 『ぼくんち熱血2DK』と改題、講談社文庫、学陽文庫
  • 『マドンナの呪い 四十女の秘密とその攻防』情報センター出版局 1989 『おにぎりの具は真珠の指輪』と改題、講談社文庫
  • 『同級生』情報センター出版局 1991 のち角川文庫
  • 『夫のレンアイ』情報センター出版局 1991 『だれだって、純愛上手』と改題、角川文庫
  • 愛を乞うひと』情報センター出版局 1992 のち角川文庫
  • 『蛸のイボイボ伝説講座』角川書店 1993
  • 『わたし母親失格です ハルさんちの2DK事情』文藝春秋 1996 『びっくりするじゃないの』と改題、文庫
  • 『母親ってやつは…』角川文庫 1996
  • 『ショーネン記 カアちゃんも18年間かんがえた』三五館 1996 『ハルさんちの母子ケンカ日記』と改題、新潮文庫
  • 『息子に三下り半 ハルさんちの卒業式』文藝春秋 1997 『ハルさんちの母親卒業宣言』とし『びっくりするじゃないの』と再編集して新潮文庫
  • 『ユキの伝言』角川書店 1998 のち文庫
  • 『やっと名医をつかまえた 脳外科手術までの七十七日』新潮社 1999 のち文庫
  • 『精神科医はいらない』角川書店 2001 のち文庫

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  1. ^ 『文藝年鑑 2012』新潮社、2012年、185頁。ISBN 978-4-10-750038-0 
  2. ^ 精神科医はいらない / 下田 治美【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア