上野賢一

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上野 賢一(うえの けんいち、英文はKenichi Uyeno 、1927年 - 2012年4月4日)は、日本の医学者エッセイスト筑波大学初代皮膚科教授

英文表記がUyenoであるわけ[編集]

父親が英国留学した際に、ケンブリッジ大学の教授に勧められUyenoと書くようになったが、それに準じた。本人の今まで6枚あるパスポートサインは調べたらUyenoとUenoもあったが、パスポート上のサインも同様は両者あった。論文はUyeno Kであった。メリットもあるがデメリットもある。[1]

履歴[編集]

1927年金沢市に生まれる。父親は旧制金沢医大、現在金沢大学医学部生理学教授 上野一春。父親は生理学教科書を書いており、賢一はそれをみていたという。1947年 第四高等学校理科甲類卒業。1951年、東京大学卒業。1952年 東京大学皮膚科に入局。助手となる。皮膚科を選んだ理由は北村包彦(かねひこ)主任教授に魅せられたからという。三楽病院皮膚泌尿科に出張した時もある。その後ドイツキール大学にフンボルト奨学生として留学。主に放射線について研究した。(1961-1964年)。留学中にドイツの60位の都市を訪れた。1960年東京大学 医学博士 論文の題は「老人性皮膚変化の研究」[2]。 1966年東京大学医学部講師、1967年 東京医科大学皮膚科助教授。ここではレントゲンや悪性腫瘍を主に勉強した。(この間、ハイデルベルク大学ボン大学留学)(1972年)。1976年 筑波大学皮膚科初代教授。新設大学で、システムを立ち上げるのに苦労した。1991年、定年退職。同大学名誉教授。定年後は再就職は考えなかったが、一時10年程、週に2回勤務していた。脊椎間狭窄症の手術をした後は医師の仕事をやめ、好きなエッセイを書くのをつづけている[3]

主要著書[編集]

  • 小皮膚科学、皮膚科学 金芳堂 1971 より版を重ねる。 医学生に広く読まれた。
  • 老年者の皮膚科診療。近代医学社 1975
  • シュタイン直腸肛門学(翻訳)1990、シュプリンガー社

エッセイ[編集]

初出は日本医事新報、いずみ(薬品会社の広報誌)、皮膚科の臨床誌(この雑誌の編集委員を長くつとめた)、皮膚病診療、など。主に自分の経験、仕事、皮膚科の臨床、雑誌の投稿記事、ドイツ留学に関して興味を覚えたこと:自分の意見をストレートに書いていて、時には抗議があったという。 エッセイ集として

  • 『随想 深海魚』 1991 (90編以上のエッセイから)
  • 『ウェッツラーの坂道から』  2003 文芸社
  • 『めもらんどうむ で でるまとろぎあ 二十世紀の皮膚科を生きて』 2003 金原出版 ISBN 4-307-15058-9
    • 第1章 memorandum de dermatologia 皮膚科学のメモという意味 第1章 ゲーテカルテ 第3章常盤線物語 (新設の筑波大学皮膚科の始まりのドタバタを記述) 第4章 筑波大学皮膚科報から 第5章 座談会 第6章 編集後記拾い読み(編集委員をしていた時代のもの)
  • 『夕映えの甍』  2007 岩波出版サービスセンター 自費出版
    • 第1章 海を眺めながら 第2章 小さい思い出 第3章 ゲーテをめぐって 第4章 皮膚科学の回想 
  • 本になった以外に 皮膚科の臨床誌に数年間にわたりドイツの医師や日本の医師(特に太田正雄)ほか種々の題でエッセイを連載した。没後2013年に終了した。

皮膚科の教科書について[編集]

1957,8年頃皮膚科の問題集を作った。EM選書といい著者名がでていなかったが、自分の文章のくせがでていたらしく、当てられたことがあった。1958年と1970年に発行された。その前に共著で皮膚病診療指針(1962)、皮膚科治療の実際(1969)を書いた。その後、金芳堂から頼まれて教科書を書いた。約1年かかって1971年に第1版を出した。定年直前に第5版を出した。2002年3月に第7版を出した。[4]

業績[編集]

  • Xeroderma pigmentosum patients belonging to complementation group F and efficient liquid-holding recovery of ultraviolet damage. Nishigori C, Fujisawa H, Uyeno K, Kawaguchi T, Takebe H. Photodermatol Photoimmunol Photomed. 1991 Aug;8(4):146-50.
  • Differentiation of the basal cell epithelioma-like changes overlying dermatofibroma. Fujisawa H, Matsushima Y, Hoshino M, Baba T, Uyeno K. Acta Derm Venereol. 1991;71(4):354-6.
  • [Long-term follow-up of pyoderma gangrenosum (PG) associated with aortitis syndrome (AOS)]. Fujisawa H, Ichikawa M, Kawashima T, Takase T, Baba T, Uyeno K. Nihon Hifuka Gakkai Zasshi. 1990 Dec;100(14):1445-51. Japanese.
  • Sporotrichosis with bilateral lesions. A case report. Takase T, Uyeno K. Mycoses. 1990 Jul-Aug;33(7-8):325-34.
  • A monocyte-activation inhibitory factor produced by fibroblasts. Baba T, Naito Y, Uyeno K. J Dermatol. 1990 Jun;17(6):362-9.
  • [A case of hereditary angioneurotic edema associated with systemic lupus erythematosus]. Horiuchi S, Baba T, Uyeno K, Shiraishi S. Nihon Hifuka Gakkai Zasshi. 1989 Jul;99(8):921-5. Japanese.
  • The murine (C3H/He) epidermal Ia+ dendritic cells (Ia+DECs) and Thy-1+ dendritic cells (Thy-1+DECs) in contact hypersensitivity and aging. Gu SQ, Sakuma M, Naito S, Baba T, Uyeno K. Acta Derm Venereol. 1989;69(1):1-5.
  • [Three cases of Sweet's syndrome-like eruption accompanied by myelodysplastic syndrome]. Iijima S, Okubo C, Hoshino M, Sakuma M, Baba T, Uyeno K. Nihon Hifuka Gakkai Zasshi. 1988 Dec;98(14):1483-93. Japanese.
  • Monocyte activating factor originally found in sarcoidosis sera. II. Production of a similar factor by a human acute monocytic leukemia cell line (THP-1). Baba T, Matsushima Y, Baba A, Hanada T, Uyeno K. J Dermatol. 1988 Dec;15(6):503-7.
  • Monocyte activating factor originally found in sarcoidosis sera. I. Production of a similar factor by monocytes pretreated with interleukin 1. Baba T, Matsushima Y, Onozaki K, Baba A, Uyeno K. J Dermatol. 1988 Dec;15(6):497-502.
  • Resolution of cutaneous lesions of granuloma annulare by intralesional injection of human fibroblast interferon. Baba T, Hoshino M, Uyeno K. Arch Dermatol. 1988 Jul;124(7):1015-6.
  • Chromomycosis. A case with a widespread rash, lymph node metastasis and multiple subcutaneous nodules. Takase T, Baba T, Uyeno K. Mycoses. 1988 Jul;31(7):343-52.
  • [Chromomycosis--a case showing many fungal elements in the scales]. Takase T, Baba T, Uyeno K. Nihon Hifuka Gakkai Zasshi. 1988 Jun;98(7):683-8. Japanese.
  • Monocyte-modulating activities in the sera of patients with granuloma annulare. Baba T, Yamaguchi K, Hoshino M, Uyeno K. J Dermatol. 1988 Jun;15(3):248-51.
  • Reticulate hyperpigmentation distributed in a zosteriform fashion: a new clinical type of hyperpigmentation. Iijima S, Naito Y, Naito S, Uyeno K. Br J Dermatol. 1987 Oct;117(4):503-10.

家族[編集]

長男慶一は画家。次男、眞二、三男は秀夫という。

脚注[編集]

  1. ^ 上野[2007:45-54]
  2. ^ 博士論文書誌データベース
  3. ^ 上野[2007:133-138]初出は2005年
  4. ^ 上野[2003:306-311]