上塩冶築山古墳
| 上塩冶築山古墳 | |
|---|---|
| 所属 | 築山古墳群 |
| 所在地 | 島根県出雲市上塩冶町 |
| 位置 |
北緯35度20分60.00秒 東経132度45分38.77秒座標: 北緯35度20分60.00秒 東経132度45分38.77秒 |
| 形状 | 円墳 |
| 規模 |
直径46m 高さ6m |
| 埋葬施設 |
両袖式横穴式石室 (内部に家形石棺2基) |
| 出土品 | 副葬品多数・埴輪・須恵器 |
| 築造時期 | 6世紀後半 |
| 史跡 | 国の史跡「上塩冶築山古墳」 |
| 有形文化財 | 出土品(国の重要文化財) |
| 地図 |
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上塩冶築山古墳(かみえんやつきやまこふん)は、島根県出雲市上塩冶町にある古墳。形状は円墳。築山古墳群を構成する古墳の1つ。国の史跡に指定され、出土品は国の重要文化財に指定されている。
概要[編集]
島根県北東部、神戸川北岸の微高地上に築造された古墳である[1]。周辺では中小古墳が取り巻き築山古墳群を形成する[2]。墳丘周囲は削平を受けているが、これまでに1887年(明治20年)に石室が発見され副葬品が出土したほか、1985年度(昭和60年度)以降に墳丘周囲の発掘調査が実施されている[2]。
墳形は円形で(かつては前方後円形とする説もあった)、直径約46メートル・高さ約6メートルを測る[3]。墳丘表面・周囲部では円筒埴輪・須恵器子持壺が検出されている[4][1]。墳丘周囲には周堀(幅約16メートル)が巡らされており、周堀を含めた直径は約77メートルにおよぶ[3]。主体部の埋葬施設は大型の切石積横穴式石室で、玄室内に家形石棺2基が据えられる[1]。これらの石棺内からは多数の副葬品が検出されている[1]。
この上塩冶築山古墳は、古墳時代後期の6世紀後半頃の築造と推定される[1]。石室規模および優れた副葬品から、今市大念寺古墳に続く出雲地方の代表的首長墓(出雲地方では最後の大型首長墓[1])に位置づけられる古墳である[4][5]。
古墳域は 1924年(大正13年)に国の史跡に指定され[6]、出土品は2018年(平成30年)に国の重要文化財に指定されている[7]。
来歴[編集]
- 1887年(明治20年)、石室の発見、副葬品の出土[1][4]。
- 1907年(明治40年)、ウィリアム・ゴーランドが前方後円墳として報告[3]。
- 1919年(大正8年)、梅原末治が円墳として報告[3]。
- 1924年(大正13年)12月9日、国の史跡に指定[6]。
- 1961年(昭和36年)6月13日、出土品が島根県指定有形文化財に指定[8]。
- 1985年度(昭和60年度)、遺跡分布調査に伴う発掘調査(出雲市教育委員会、1986年に報告書刊行)[2]。
- 2000-2001年度(平成12-13年度)、範囲確認の発掘調査(出雲市教育委員会、2004年に報告書刊行)[9][2]。
- 2005年度(平成17年度)、範囲確認の発掘調査(出雲市教育委員会、2006年に報告書刊行)[3]。
- 2007年度(平成19年度)、排水設備工事に伴う発掘調査(出雲市教育委員会、2015年に報告書刊行)[2]。
- 2018年(平成30年)10月31日、出土品が国の重要文化財に指定[7]。
埋葬施設[編集]
主体部の埋葬施設としては、大型の両袖式横穴式石室が構築され、西南西方に開口する[1]。石室規模は次の通り[4]。
- 石室全長:14.6メートル
- 玄室:奥行6.6メートル、幅2.8メートル(奥壁部)、高さ2.9メートル
- 羨道
石室は凝灰岩の切石で構築され、奥壁は1枚、側壁は4段積みとする[4]。天井石・楣石は自然石とし、床面には河原石を敷く[4]。羨道部の側壁は切石3段積みで、天井石は自然石とする[4]。
石室内には大小2基の刳抜式家形石棺が据えられる[4]。小棺は玄室最奥において長辺を奥壁に接し、横口を玄門側に設ける[4]。また大棺は、小棺の手前において長辺を西側壁に接し、横口を東側に設ける[4]。この大棺の蓋石には縄掛突起6個が遺存する[4]。これらの石棺2基からは多数の副葬品が検出されている(後述)。
出土品[編集]
古墳からの主な出土品は次の通り[4]。
そのほかの出土品として、墳丘上・周囲部から円筒埴輪・須恵器子持壺が採集されている[4][1]。出土品は国の重要文化財に指定され、出雲弥生の森博物館(出雲市大津町)で保管されている[7]。
文化財[編集]
重要文化財(国指定)[編集]
- 島根県上塩冶築山古墳出土品 一括(考古資料) - 明細は以下。所有者は出雲市。出雲弥生の森博物館保管。2018年(平成30年)10月31日指定[7][10]。
- 石室出土
- 金属製品 66点
- 玉 12点
- (附指定)金属製品残欠 46点
- 墳丘出土
- 須恵器残欠 6点
- 円筒埴輪 4点
- (附指定)円筒埴輪残欠 6点
- 石室出土
国の史跡[編集]
現地情報[編集]
所在地
交通アクセス
関連施設
- 出雲弥生の森博物館(出雲市大津町) - 上塩冶築山古墳の出土品等を保管・展示。
周辺
脚注[編集]
- ^ a b c d e f g h i 上塩冶築山古墳(平凡社) 1995.
- ^ a b c d e f 平成26年度 出雲市文化財調査報告書 2015.
- ^ a b c d e 出雲市埋蔵文化財発掘調査報告書 第16集 2006, pp. 1-8.
- ^ a b c d e f g h i j k l m 上塩冶築山古墳(古墳) 1989.
- ^ a b 上塩冶築山古墳(出雲市ホームページ)。
- ^ a b c 上塩冶築山古墳 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ^ a b c d 平成30年10月31日文部科学省告示第208号。
- ^ a b 出雲市内の指定文化財一覧(出雲市ホームページ)。
- ^ 上塩冶築山古墳 2004.
- ^ 国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定について(文化庁報道発表、2018年3月9日)。
- ^ 上塩冶築山古墳(国指定史跡).
参考文献[編集]
(記事執筆に使用した文献)
- 地方自治体発行
- 『上塩冶築山古墳』 出雲市教育委員会、2004年。 - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
- 「上塩冶築山古墳墳丘の調査」『出雲市埋蔵文化財発掘調査報告書 第16集 -上塩冶築山古墳 角田遺跡 高岡II遺跡 中村I号墳出土装飾大刀-』 出雲市教育委員会、2006年、1-8頁。 - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
- 『平成26年度 出雲市文化財調査報告書 -築山遺跡 上塩冶築山古墳-(出雲市の文化財報告 27)』 出雲市教育委員会、2015年。 - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
- 事典類
関連文献[編集]
(記事執筆に使用していない関連文献)
- 『塩冶地区遺跡分布調査I』 出雲市教育委員会、1986年。
- 『上塩冶築山古墳の研究(島根県古代文化センター調査研究報告書 4)』 島根県古代文化センター、1999年。