上には上がある

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上には上がある
Puss Gets the Boot
監督 ジョセフ・バーベラ
ウィリアム・ハンナ
製作 ルドルフ・アイジング
フレッド・クインビー(初公開版にはクレジット無し)
出演者 リリアン・ランドルフ
音楽 スコット・ブラッドリー
配給 メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
公開 アメリカ合衆国の旗 1940年2月10日
上映時間 約9分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
前作 (本作がシリーズ第1作)
次作 夜中のつまみ食い
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上には上がある』(うえにはうえがある、原題:Puss Gets the Boot)は、1940年に公開されたアメリカ合衆国アニメーション短編映画カートゥーン)である。トムとジェリーのデビュー作である。1940年アカデミー短編アニメ賞ノミネート作品。

トムとジェリーシリーズの第1作であるが、トムとジェリーという名前は無い。また、この話は、監督を担当していたハンナ=バーベラの名前はクレジットに出て来ない。また、1940年代前半に製作されたトムとジェリー作品の中で再公開がなされなかった珍しい作品である。冒頭は「Rudolf Ising Production 」とだけ書かれたカードと「Puss Gets the Boot」と書かれたタイトルカードのみ、エンドカードも1枚のみ。オープニング・エンディングの背景色は濃い紫色で、実写映画と同様にMGMの社章が入っている。

あらすじ[編集]

とある広い屋敷。そこでペットとして飼われている1匹の猫・トム(ジャスパー)である。そして、茶色い鼠・ジェリー(ジンクス)もいた。

トムは本来餌である、ジェリーを食べようとせず、遊び道具としてからかっていた。ジェリーはトムの手から抜けると、逃げ出そうとしていた。しかし、そこにはすでにトムが待ち構えており、指にインクをつけて、壁に穴を描いて本物と見せかける。ジェリーはそれが偽物と知らず、壁にぶつかり続け、そして結果はグッタリと気絶してしまう。それを見たトムは金魚鉢の水を手につけ、グッタリ顔のジェリーにかけた。目を覚ましたジェリーはようやく穴が偽物だと気づき、その場を離れようとしていたが、目の前にトムが現れて、大ピンチに。そこでジェリーはトムの目を思いっきり殴り飛ばすと、トムはその痛みに悲鳴をあげる。

怒ったトムはジェリーを追いかけるも、うっかりして植木鉢を壊してしまう。それを聞いて駆け付けたのは、トムの飼い主・お手伝いさんだった。カンカンに怒ったお手伝いさんは「今度何か壊したら、お前を家から追い出すから!」と警告した。トムは警告を聞き終えその場を離れようとすると、誤って花瓶を落としてしまう。しかし、なんとかギリギリで受け止めた。先ほどの話を聞いたジェリーはそんなトムを見て大笑い。それをトムは黙って見過ごすわけがない。再びジェリーを捕まえようとすると、ジェリーがワイングラスを床へ落そうと待ち構えていた。先ほどのお手伝いさんの話を思い出してトムは後ずさりすることに。それと同時にジェリーも落とすのをやめた。チャンスと見たトムは後ずさりをやめて、ジェリーに襲い掛かるが、ジェリーは再びグラスを落とそうとして、トムを殴り飛ばす。そこで富は再び後ずさりする。ジェリーは今度は落とすのをやめず、本当に落としてしまう。それを見たトムは慌ててグラスをキャッチ。さらにジェリーはグラスをお盆ごと落とし、それを受け止めるトム。

一方、ジェリーは自衛隊のごとく、ワイングラスを片手に見栄を張っていた。頭に来たトムはソファに置かれていた大量のクッションを見て何か思いついた。そして、ジェリーの前に現れるとジェリーは持っていたグラスを落とそうとした。しかし、トムは「落とせばいいだろ」と言わんばかりの表情。それを見たジェリーはお言葉に甘えて落とすことにした。ところが、落としたはずのグラスがなんの音さたもなく、静かだった。それもそのはず、トムが床にクッションを置いていたのだ。勝ち目がなくなったジェリーは命乞いをするが、既に手遅れだった。トムはジェリーを高く放り投げると、口を大きく開けてそのままジェリーを食べようとした。ところが、天井近くの棚からジェリーは棚の上に置いてあったをトムの頭の上に落とした。それを面白がったジェリーは次々と棚に置いてある皿やコップを落として、トムがそれをキャッチした。皿は山のようにどんどん高くなり、ついにはトムには持ちきれないほどの高さになっていた。ジェリーは最後の一枚を床へ放り投げてしまう。その音を聞いて2階からお手伝いさんが駆け込んできた。ジェリーは時間稼ぎとして、皿の山から飛び降りると、ミルクをトムの顔にかけたり、トムの尻尾で体をゴシゴシしたり、やりたい放題。そして、お手伝いさんの足音が近くなったところで、ジェリーはトムの尻を思いっきり蹴飛ばした。すると、その衝撃でトムの体は揺れ始め、トムが抱えていた食器が次々とトムの頭の上に落ちて、割れていった。結局、トムはお手伝いさんに怒られ、家から追放されてしまった。それを見たジェリーは大笑いし、穴の前に「我が家」と書かれた看板を立てると、中へ入っていった。

キャスト[編集]

ジャスパー(トム) - 八代駿(TBS版)/肝付兼太(新吹き替え版、ヘラルド・ポニー版)/長嶋雄一(コスミック版)
ジンクス(ジェリー) - 藤田淑子/堀絢子/横沢啓子
お手伝いさん - 荘司美代子/片岡富枝/山田栄子
ナレーション - 谷幹一/なし/なし

日本での展開[編集]

テレビではTBS系および他系列で1964年1990年頃まで不定期に放映された。吹き替えではのちのシリーズ作品との統一のため、猫の名前も「トム」に変更され、ナレーションでもジャスパーが「トム」、ジンクスが「ジェリー」と称された。現在発売されているビデオ・DVDも同様である。この話は、地上波初公開の時の第1回目(1964年5月13日)では放送されなかった。

スタッフ[編集]

その他[編集]

原語版では、人間のお手伝いがトム(ジャスパー)に「追い出してやる」と言う際に、「OWD,OUT!」や「OUWD,OUT!」と「OUT」のスペルを間違えて発言している。

外部リンク[編集]