三菱・ジープ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
三菱・ジープ CJ3B-J11
三菱オートギャラリー

三菱・ジープ(Mitsubishi Jeep)は、中日本重工業(現:三菱重工業)・東洋工機(現:パジェロ製造)が生産、中日本重工業・新三菱重工業・三菱重工業・三菱自動車工業が販売していた四輪駆動車である。

概要[編集]

太平洋戦争終了後、誕生したばかりの警察予備隊アメリカ軍から供与された兵器武装していた。

小型トラックの増備については、トヨタ・ジープBJ型日産・4W60型、ウイリスとの提携による三菱・ジープによる競争入札の結果、三菱・ジープを採用することとなり、1953年からCJ3A型のノックダウン生産が始まった。全てウイリスの部品を用いるコンプリートノックダウンであるため、初期モデルにはスリーダイヤがない。

その後は日本で生まれたモデルを加えて防衛庁(当時)以外にも販路を広げ、独自の進化を遂げながら1998年まで生産された。

歴史[編集]

  • 1949年 - ウイリスオーバーランドは戦後の民需転換を図るべく、ジープ民生用とした「シビリアンジープ」(CJ)の売り込みに注力していた。日本での販売のため、三菱水島製作所にも程近い、倉敷レイヨンとの共同出資による倉敷フレイザーモータースが設立された。
  • 1950年 - 米国政府は、朝鮮戦争に必要となるジープを安価に調達するため、補給基地となる日本でのノックダウン生産を決定した。同年12月、ウイリス社の極東地区担当マネージャーが来日し、提携先とする自動車メーカーの検討を開始した。倉敷フレイザーモータースの尽力や警察予備隊の要望などから、政府間協議の結果、中日本重工業(後の三菱重工業)に白羽の矢が立った。
  • 1952年7月 - ノックダウンによる組立下請契約が成立。組み立ては名古屋製作所の大江工場が担当し、販売は倉敷フレーザーモータースが行うこととなった。
  • 1953年 - 生産開始。本家のウイリスではIOEエンジン米国などでは「Fヘッド」と呼称)となったハリケーン4エンジンを搭載した新型であるCJ3Bの生産がすでに始まっていたが、三菱製ジープは一世代前のサイドバルブ式ゴーデビルエンジンを搭載するCJ3Aからのスタートとなった。当初は左ハンドルであったが、のちに通商産業省の指導で右ハンドル化され、CJ3B-J3Rとなる。
  • 7月18日 - ウイリス・オーバーランド輸出会社との間に、ジープを中心とする四輪駆動車に関するライセンス生産、および販売契約が締結され、同年9月1日、正式に両国政府の認可が降り、ここに国産化の運びとなる。当時、ウイリス社ではジープの生産に関し、9ヶ国にわたる各企業と提携があったが、いずれも下請としての契約であり、製造と販売の権利を共に供与する契約が締結されたのは日本の事例のみである。米国政府が日本を防共と位置付け、重視していたことが伺える。同時にエンジンがハリケーン4に切り替わり、型式もCJ3Bとなる。
  • 1954年12月10日 - エンジンの国産化を達成。日本製ハリケーン4の意味でJH4型と名付けられた。
  • 1955年 - JH4型エンジンの量産を開始。生産は京都製作所が担当した。
  • 1973年 - 防衛庁の指示で、それまでのJ54-Aに代わり、ミドルホイールベースのJ24をベースとしたJ24-A(73式小型トラック)が登場する。
  • 1982年 - パジェロ登場に伴い、車種を大幅に整理。
  • 1996年 - 防衛庁が長らく73式小型トラックとしてジープを採用していたが、最新の排ガス規制・衝突安全への対応や、操縦安定性・居住性の向上には採算面をはじめ、ジープのアップデートでは不合理な点が多いため、2代目パジェロベースの新73式小型トラックが採用された。この際、複数メーカーによる競争入札は行われておらず、ジープとは異なる車であるにもかかわらず、「73式」の呼称も受け継がれている。
  • 1998年 - 生産終了が決定し、最終記念限定生産車として300台が限定で生産される。車体色はこれまでの生産車にはないサンドベージュで、助手席側に1/300を示すプラークが備わる。

生産拠点[編集]

バリエーション[編集]

車型[編集]

乗車定員=前席/前+後席

ショート[編集]

三菱・ジープ J55
ゴールデンブラック仕様
  • J1 (CJ3A-J1) - 左ハンドル 6V電装 林野庁向け 生産数53台。
  • J2 (CJ3A-J2) - 左ハンドル 12V電装 保安隊向け 生産数500台。
  • J3 (CJ3B-J3) - 左ハンドル。
  • J3R (CJ3B-J3R)
  • J4 (CJ3B-J4) - 12V電装 アメリカ軍自衛隊向け。
  • J5 (CJ3B-J5)
  • J6 (CJ3B-J6)
  • J7 (CJ3B-J7)
  • J8 (CJ3B-J8)
  • J9 (CJ3B-J9)
  • J10 (CJ3B-J10) - ホイールベースはJ3のままフレームとボディを後方へ延長した6人乗り。
  • J10A (CJ3B-J10A) - J10をメタルドアにしたもの。
  • J52 - 自衛隊/民生向け KE47型ガソリンエンジン 前期型はJ3Rボディ。
  • J53L - J52を左ハンドル化した輸出専用仕様。後のJ53とは別モデル。
  • J56
  • J57
  • J58 - 2.0L
  • J59 - 2.0L
  • JC3 (CJ3B-JC3) - 左ハンドル。
  • J3RD (CJ3B-J3RD) - 右ハンドル化。

ミドル[編集]

  • J10 (CJ3B-J10) フロアシフト - 2/6人乗り。
  • J20
  • J22
  • J26
  • J26 B フロアシフト - 2/6人乗り。
  • J27
三菱・ジープ J24H
  • ガソリン
  • J20 H
  • J22 H
  • J26 H
  • J26 HB フロアシフト - 2/6人乗り。
  • J27 H
  • ディーゼル
  • J20 HD
  • J24 H

ロング[編集]

  • J32
  • J42
  • J46
  • J47
  • J32D
  • J44
三菱・ジープ デリバリワゴン J37
  • デリバリワゴン
  • 3/6人乗り フロントベンチシート、乗用仕様 3列 3/6/8人乗り。
  • B - 2/5人乗り フロントセパレートシート+フロアシフト、乗用仕様 3列 /5/7人乗り。
  • ガソリン
  • J11 (CJ3B-J11) 2ドア
  • J30
  • J34
  • J38
  • J37
  • J37 B - セパレートシート+フロアシフト
  • ディーゼル
  • J30D
  • J36
  • J36 B - セパレートシート+フロアシフト

エンジン[編集]

ガソリンエンジン
エンジン型式 通称 排気量cc 弁形式 圧縮比 最大出力PS(hp) / 回転数 最大トルク kg-m / 回転数
L4 ライトニング4型
(ゴーデビル)
2,199 Lヘッド
SV
6.48 60(HP) / 3,600 14.5 / 2,000
JH4 ジャパン
ハリケーン4型
2,199 Fヘッド
(吸気OHV・排気SV)
前期 6.9
後期 7.4
前期 70hp / 4,000
後期 76 / 4,000
前期 15.0 / 2,400
後期 16.4 / 2,400
KE47 - 2,315 OHV 8.0 95 / 4,500 17.5 / 2,800
4G53 Astron 2,384 SOHC 8.0 110 / 5,000 20.0 / 3,000
4G52 Astron 1,995 SOHC 8.5 100 / 5,000 17.0 / 3,000
G54B Astron 2,555 SOHC 8.2 120 / 5,000 21.3 / 3,000
G52B Astron 1,995 SOHC 8.5 100 / 5,000 16.5 / 3,000
ディーゼルエンジン
エンジン型式 排気量 弁形式 燃焼室形式 圧縮比 最大出力PS(hp) / 回転数 最大トルク kg-m / 回転数
KE31 2,199 OHV 予燃焼室式 19.0 61(hp) / 3,600 14.0 / 2,200
4DR1 2,384 OHV ? ? 75(HP) / ? ? / ?
4DR5 2,659 OHV 過流室式 20.0 前期 75 / 3,700
後期 80 / 3,700
前期 16.5 / 2,200
後期 18.0 / 2,200
4DR6
ターボ
2,659 OHV 直噴式 17.5 94 / 3,500 21.0 / 2,000
4DR5
インタークーラーターボ
2,659 OHV 過流室式 21.5 100 / 3,300 22.5 / 2,000

トランスミッション[編集]

  • T90
  • 4速MT
  • KM140

関連項目[編集]

外部リンク[編集]