三ヨウ化物

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三ヨウ化物(さんヨウかぶつ、: triiodide)は、主に3つのヨウ素原子による多原子アニオン三ヨウ化物イオン (I3-) を含むを意味する。例えば三ヨウ化ナトリウム三ヨウ化アンモニウムがこれに含まれ、これらにはそれぞれ対応する(モノ)ヨウ化物が存在する。この他の化合物、三ヨウ化窒素三ヨウ化リン三ヨウ化アンチモン、そして三ヨウ化ガリウムなどは、ヨウ素原子同士が結合しておらず、三ヨウ化物イオンを形成しない。タリウムはヨウ化タリウム(III)が発見されないため三ヨウ化タリウム(I)と表される。

三ヨウ化物イオン[編集]

三ヨウ化物イオンはいくつか存在するものの中で最もシンプルなポリヨウ化物である。溶液中では低濃度だと黄色、高濃度だと茶色を呈する。三ヨウ化物イオンは、そのヨウ素デンプン反応の青紫色の呈色の原因でもある。ヨウ化物はデンプンと反応しないし、ヨウ素の無極性溶媒溶液とも反応しない。

複方ヨード・グリセリンにはより多くのヨウ素を溶解させるためにヨウ化カリウムを含んでいる。また、ヨードチンキにもかなりの量の三ヨウ化物イオンが含まれている。

構造[編集]

三ヨウ化物イオンのおおよその構造。化合物によって結合長と結合角は僅かに変化する。

三ヨウ化物イオンは以下の平衡によって生成する。

I2 + I- \rightleftharpoons I3-

この反応では、ヨウ化物イオンはルイス塩基、ヨウ素はルイス酸と考えられる。この過程は、分岐構造を持つポリヨウ化物を除いて、硫黄 (S8) と硫化ナトリウムとの反応に類似している[1]

VSEPR理論によってこのイオンは直線形であると予想されている。一般に超原子価結合の中心原子は三中心四電子結合で説明される。三ヨウ化物イオンの結合長および結合角の変化は化合物に依存する。主な三ヨウ化物結合 (Ia-Ib-Ic) の値は以下の通り。

化合物 Ia - Ib (pm) Ib - Ic (pm) 結合角 (°)
TlI3 306.3 282.6 177.9
RbI3 305.1 283.3 178.11
CsI3 303.8 284.2 178.00
NH4I3 311.4 279.7 178.55

脚注[編集]

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  1. ^ Wells, A.F. (1984) Structural Inorganic Chemistry, Oxford: Clarendon Press. ISBN 0-19-855370-6.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]