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ヴィルヘルム・ブルクドルフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヴィルヘルム・ブルクドルフ
Wilhelm Burgdorf
生誕 1895年2月15日
ドイツの旗 ドイツ帝国
プロイセンの旗 プロイセン王国 ヒュルステンヴァルデドイツ語版
死没 (1945-05-02) 1945年5月2日(50歳没)
ナチス・ドイツの旗 ドイツ国
プロイセン州 ベルリン
所属組織 ドイツ帝国陸軍
ヴァイマル共和国軍
ドイツ国防軍陸軍
軍歴 1915年 - 1945年
最終階級 歩兵大将
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ヴィルヘルム・ブルクドルフWilhelm Burgdorf, 1895年2月14日 - 1945年5月2日)は、ドイツ軍人。陸軍大将。第一次世界大戦に従軍し、第二次世界大戦では陸軍人事局長を務める。1945年5月2日に陸軍参謀総長のハンス・クレープス大将と共に、総統地下壕に留まり自決

来歴

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第二次世界大戦

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第一次世界大戦勃発後の1915年に士官候補生としてドイツ陸軍第12擲弾兵連隊に配属された。戦間期は主に副官として務め、1930年に大尉に昇進する。1935年に陸軍士官学校の戦術教官を務め、1937年にアドルフ・ヒトラーの信任を得て第9軍団副官に任命される。1938年に中佐に昇進し、1940年5月から1942年の4月まで第529歩兵連隊長を務め独ソ戦にも従軍、騎士十字章を授与される。同月にドイツ陸軍人事局ドイツ語版第2部長に任命され、10月に少将に昇進し人事局次長に任命される。1944年10月に陸軍人事局長兼総統副官に任命され、11月には中将に昇進した[1]

ブルクドルフは忠実にヒトラーに仕え、7月20日事件ではエルンスト・マイゼルドイツ語版と共に、容疑者として疑われたエルヴィン・ロンメル元帥に自殺を強要する使者として派遣された。ロンメルは家族の安全を保証させて自殺を承諾し、二人から受け取った毒を飲んで自殺した。国防軍最高司令部総長ヴィルヘルム・カイテル元帥の証言によると、これは国民の人気が高いロンメルを人民法廷で見世物にすることで国民の士気が下がることを危惧しての処置だったという。

ベルリン市街戦

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1945年4月24日に総統地下壕で行われた作戦会議ではヒトラーに対し、フェリックス・シュタイナーの進撃を断念するように言ったが断られた。また、ソ連軍と単独で降伏交渉を行なおうとしたハンス・フリッチェを「総統の命令に違反した」として国民啓蒙・宣伝省まで押しかけ、フリッチェを殺害しようとしたが未遂に終わっている。

4月28日にハインリヒ・ヒムラー連合国と独断で和平交渉を行うとしていたことが発覚し、ヒトラーはヒムラーの側近であるヘルマン・フェーゲラインを裁くため、ブルクドルフ、ハンス・クレープスヨハン・ラッテンフーバーヴィルヘルム・モーンケを臨時軍事法廷の判事に任命した。しかし、フェーゲラインは泥酔状態で泣き喚き嘔吐するなどしたため、モーンケの主張を受けて裁判は中止され、フェーゲラインはラッテンフーバーに引き渡された[2]。その後、フェーゲラインはペーター・ヘーグルにより処刑された。

4月29日、ヒトラーの政治的遺書の立会人として、クレープス、ヨーゼフ・ゲッベルスマルティン・ボルマンと共に署名した[3]。ヒトラーの自殺後、地下壕からは脱出者が相次いだが、ブルクドルフは地下壕に残り、5月2日に地下壕の倉庫でクレープスと共に自殺した[4]。二人の遺体は地下壕に突入したソ連軍により発見された[5]。 

人物

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ユンカー出身ではなく、最後までヒトラーとナチズムに忠実な将軍であり、自らもそれを誇りにしていた。しかし、地下壕で最後の日々を送る中、ナチ党官房長のボルマンに向かって「若き将兵は総統と国家のために死んだのか?いや、あなたのためにだ」と今までの鬱積した感情を爆発させ、特に私腹を肥やすナチス幹部の腐敗を非難した。酒乱癖が激しかったらしく、総統地下壕でも暇を見ては酒を飲んで酔い潰れていたという。

登場作品

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ヒトラー 〜最期の12日間〜』(ドイツ映画2004年) - ユストゥス・フォン・ドホナーニが演じた。劇中に上述の酒に酔った彼の姿も散見され、激高するヒトラーに唯一堂々と言い返すなど気性の激しい描写も存在した。上述のボルマンを批判するシーンも撮影されており、映画本編では使われなかったもののメイキング映像として収録されている。

参考文献

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  • Beevor, Antony (2002). BerlinThe Downfall 1945. London: Viking-Penguin Books. ISBN 978-0-670-03041-5 
  • von Boeselager, Philipp Freiherr (2009). Valkyrie: The Story of the Plot to Kill Hitler by its Last Member. Vintage. ISBN 0-307-45497-5 
  • Bullock, Alan (1962). Hitler: A Study in Tyranny英語版. Penguin. ISBN 0-14-013564-2 
  • Fellgiebel, Walther-Peer (2000) [1986] (German). Die Träger des Ritterkreuzes des Eisernen Kreuzes 1939–1945 — Die Inhaber der höchsten Auszeichnung des Zweiten Weltkrieges aller Wehrmachtteile [The Bearers of the Knight's Cross of the Iron Cross 1939–1945 — The Owners of the Highest Award of the Second World War of all Wehrmacht Branches]. Friedberg, Germany: Podzun-Pallas. ISBN 978-3-7909-0284-6 
  • Joachimsthaler, Anton (1999) [1995]. The Last Days of Hitler: The Legends, the Evidence, the Truth. Trans. Helmut Bögler. London: Brockhampton Press. ISBN 978-1-86019-902-8 
  • Kershaw, Ian (2008). Hitler: A Biography. New York: W. W. Norton & Company. ISBN 978-0-393-06757-6 
  • O'Donnell, James (1978). The Bunker. Houghton Mifflin. ISBN 978-0-395-25719-7 
  • Ryan, Cornelius (1966). The Last Battle. London: Collins. ISBN 0-00-613267-7 
  • Scherzer, Veit (2007) (German). Die Ritterkreuzträger 1939–1945 Die Inhaber des Ritterkreuzes des Eisernen Kreuzes 1939 von Heer, Luftwaffe, Kriegsmarine, Waffen-SS, Volkssturm sowie mit Deutschland verbündeter Streitkräfte nach den Unterlagen des Bundesarchives [The Knight's Cross Bearers 1939–1945 The Holders of the Knight's Cross of the Iron Cross 1939 by Army, Air Force, Navy, Waffen-SS, Volkssturm and Allied Forces with Germany According to the Documents of the Federal Archives]. Jena, Germany: Scherzers Miltaer-Verlag. ISBN 978-3-938845-17-2 
  • Thomas, Franz; Wegmann, Günter (1993) (German). Die Ritterkreuzträger der Deutschen Wehrmacht 1939–1945 Teil III: Infanterie Band 3: Br–Bu [The Knight's Cross Bearers of the German Wehrmacht 1939–1945 Part III: Infantry Volume 3: Br–Bu]. Osnabrück, Germany: Biblio-Verlag. ISBN 978-3-7648-1734-3 

脚注

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  1. ^ Joachimsthaler 1999, p. 286.
  2. ^ O'Donnell 1978, pp. 182–183.
  3. ^ Bullock 1962, p. 795.
  4. ^ Beevor 2002, p. 387.
  5. ^ Ryan 1966, p. 398.
軍職
先代
ルドルフ・シュムント
ドイツ陸軍人事局ドイツ語版局長
1944年 - 1945年
次代
解体