ワールド・シンフォニア

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ワールド・シンフォニア
アル・ディ・メオラスタジオ・アルバム
リリース
録音 1990年10月 ニューヨーク トラッキング・ゾーン[1]
ジャンル ジャズフュージョン、ワールド・フュージョン、タンゴ
時間
レーベル トマト・レコード
プロデュース アル・ディ・メオラ
専門評論家によるレビュー
アル・ディ・メオラ アルバム 年表
幻想都市
(1987年)
ワールド・シンフォニア
(1991年)
キス・マイ・アクス
(1991年)
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ワールド・シンフォニア』(World Sinfonia)は、アメリカ合衆国ギタリストアル・ディ・メオラ1991年に発表したスタジオ・アルバム。ディ・メオラがタンゴからの影響を反映したアコースティック・ユニット、ワールド・シンフォニアとしての初の作品である[2]

背景[編集]

アルト・トゥンクボヤシアン(アルメニア出身)、ガンビ・オーティス(キューバ出身)、クリス・キャリントン(ベネズエラ出身)、ディノ・サルーシアルゼンチン出身)を迎えた多国籍ユニットとなった[3]アストル・ピアソラのカヴァーや、ピアソラに捧げたオリジナル曲も含まれているが、ディ・メオラは『ロサンゼルス・タイムズ』紙のインタビューにおいて、本作の音楽性は伝統的なタンゴとは「リズムが異なる」と説明している[3]

チック・コリア作の「ノー・ミステリー」は、ディ・メオラがかつて在籍していたリターン・トゥ・フォーエヴァーのアルバム『ノー・ミステリー』(1975年)からの曲の再演で、ディ・メオラは前述のインタビューにおいて「'No Mystery'はアップビートだけど、同時にとても感傷的なセクションもあって、バンドネオンがそのムードをうまく伝えてくれている」と語っている[3]

反響・評価[編集]

アメリカの『ビルボード』では、コンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートで10位を記録した[4]。アレックス・ヘンダーソンはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「長年ワールド・ミュージックを愛好してきたディ・メオラは、南米、スパニッシュ、中東の要素を組み込みつつ、アルゼンチン・タンゴを最優先させた」と評している[5]

収録曲[編集]

  1. パペチュアル・エモーション - "Perpetual Emotion" (Al Di Meola) - 3:32
  2. オリエント・ブルー - "Orient Blue" (A. Di Meola) - 2:58
  3. タンゴ組曲 パート1 - "Tango Suite Part I" (Astor Piazzolla) - 8:48
  4. タンゴ組曲 パート3 - "Tango Suite Part III" (A. Piazzolla) - 8:50
  5. フォーリング・グレイス - "Falling Grace" (Steve Swallow) - 4:22
  6. アストル・ピアソラに捧ぐラスト・タンゴ - "Last Tango for Astor" (A. Di Meola) - 6:20
  7. ノー・ミステリー - "No Mystery" (Chick Corea) - 12:37
  8. ラストリン - "Lustrine" (Dino Saluzzi) - 9:12
  9. リトル・カテドラル - "Little Cathedral" (A. Di Meola, Augustin Barrios) - 1:45
  10. ラ・カテドラル - "La Cathedral" (A. Barrios) - 4:37

参加ミュージシャン[編集]

脚注・出典[編集]

  1. ^ CD英文ブックレット内クレジット
  2. ^ Al Di Meola - Biography”. All About Jazz. 2016年1月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月9日閲覧。
  3. ^ a b c Kohlhaase, Bill (1991年10月18日). “It Takes 5 to Tango: Al Di Meola Will Focus on His Acoustic Sound With His World Sinfonia Quintet”. Los Angeles Times. 2016年11月9日閲覧。
  4. ^ Al Di Meola - Awards”. AllMusic. 2015年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月9日閲覧。
  5. ^ Henderson, Alex. “World Sinfonia - Al Di Meola”. AllMusic. 2016年11月9日閲覧。