ワールドエース

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ワールドエース
2014年マイラーズカップ
欧字表記 World Ace[1]
香港表記 世界王牌[2]
品種 サラブレッド
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2009年2月22日(15歳)[1]
登録日 2011年11月3日
抹消日 2015年12月18日[3]
ディープインパクト[1]
マンデラ[1]
母の父 Acatenango[1]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 (有)サンデーレーシング[1]
調教師 池江泰寿栗東[1]
調教助手 森澤光晴[4]
競走成績
生涯成績 17戦4勝
(日本)14戦4勝[1]
(日本国外)3戦0勝[1]
獲得賞金 2億5344万6100円
(日本)2億2842万3000円
(日本国外)2502万3100円
勝ち鞍
GII マイラーズカップ 2014年
GIII きさらぎ賞 2012年
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ワールドエース(欧字名:World Ace2009年2月22日 - )は、日本競走馬。主な勝ち鞍は2012年きさらぎ賞2014年マイラーズカップ

馬名の意味は「世界のエース」。名付けたのは本馬の一口馬主でもあり、本馬の全弟2019年菊花賞、2021年天皇賞(春)優勝馬ワールドプレミアなどを所有する税理士の大塚亮一である。

経歴[編集]

2歳(2011年)[編集]

12月17日に阪神競馬場の芝1800mの新馬戦福永祐一を鞍上にデビューし、単勝1番人気に応えて優勝した[5]

3歳(2012年)[編集]

この年初戦の若駒ステークスは、5頭立てのレースとなり、再び1番人気に支持された[6]。レースではスローペースを最後方から追走したが、逃げた勝ち馬を捕らえきれず2着に敗れた[6]

次走のきさらぎ賞では、鞍上が小牧太に変更になった[7]。中団追走の展開から最後の直線で脚を伸ばし、後続の追い上げを振り切り重賞初制覇を達成した[7]。この競走ではディープインパクト産駒が上位3頭を独占した[7]

続く若葉ステークスではスタートで後手を踏んだものの、道中後方からレースを進め直線で大外に持ち出すと、脚を伸ばして内で粘る2頭を捕え、2着以下に2馬身差をつけ快勝した[8]

次走は4月15日の3歳牡馬クラシック初戦の皐月賞に2番人気で出走[9]。スタート直後に前の馬に触れたため本馬は躓き、騎手が落馬寸前となる不利を受け道中後方からの競馬となった[10]。そのまま3コーナーでは後方追走となり[10]、4コーナーから直線で大外に進路を取り追い込むも、内を通って抜けたゴールドシップに届かず2馬身半差の2着に敗れた[9]。そして迎えた東京優駿(日本ダービー)は1番人気に推され、ゴールドシップと同じ出走馬中上がり最速タイの脚で追い込んだが[11]ディープブリランテの4着に敗れた[12]

東京優駿の後、左前球節炎と診断されノーザンファームしがらきにて放牧休養していたが[13]、後に左前脚屈腱炎を発症した為、秋競馬を断念し、故障箇所の回復へ向けて休養に入ることになった[14]

5歳(2014年)[編集]

2月の白富士ステークスで約1年8ヶ月ぶりに復帰[15]。休養明けにもかかわらず単勝1番人気に支持されたが、5着に敗れた[15]。続くマイラーズカップをコースレコードで優勝し、2012年のきさらぎ賞以来となる重賞2勝目を挙げた[16]。続く安田記念では3番人気での出走だったが、不良馬場も影響したのかジャスタウェイの5着に敗れた[17][18]

放牧を挟んで[19]迎えた秋初戦の毎日王冠は、1番人気に推されるも13着に惨敗[20]マイルチャンピオンシップも8着と精彩を欠いた[21]。その後、香港マイル(G1)にザカリー・パートンの騎乗で出走し、4着[22][23]

6歳(2015年)[編集]

陣営は、オーストラリアに遠征しジョージライダーステークスを経てドンカスターマイルに出走するプランを立て、鞍上は現地のニコラス・ホールに依頼した[24]。ジョージライダーステークスは同じく日本から遠征したリアルインパクトが優勝する一方、ワールドエースは11着[25][26]。ドンカスターマイルは8着に終わった[27][28]

帰国後は3戦するが未勝利に終わり[21]、2015年12月18日付けで競走馬登録を抹消[3]。引退後はアロースタッドで種牡馬となった[3][29]

競走成績[編集]

以下の情報のうち、国内の競走はnetkeiba.comの成績欄[21]、海外の競走については各競走名に示した出典を参照。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬)
2011.12.17 阪神 2歳新馬 芝1800m(良) 13 7 11 01.4(01人) 01着 1:49.5 (34.5) -0.1 福永祐一 55kg (レッドブレイゾン)
2012.01.21 京都 若駒S OP 芝2000m(重) 5 2 2 01.2(01人) 02着 2:05.7 (33.6) -0.4 福永祐一 56kg ゼロス
0000.02.05 京都 きさらぎ賞 GIII 芝1800m(良) 13 6 9 02.1(01人) 01着 1:47.0 (33.0) -0.2 小牧太 56kg ヒストリカル
0000.03.17 阪神 若葉S OP 芝2000m(稍) 16 6 11 01.3(01人) 01着 2:04.4 (35.3) -0.3 福永祐一 56kg (メイショウカドマツ)
0000.04.15 中山 皐月賞 GI 芝2000m(稍) 18 5 9 03.2(02人) 02着 2:01.7 (34.9) -0.4 福永祐一 57kg ゴールドシップ
0000.05.27 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 4 8 02.5(01人) 04着 2:24.0 (33.8) -0.2 福永祐一 57kg ディープブリランテ
2014.02.01 東京 白富士S OP 芝2000m(良) 14 7 12 03.1(01人) 05着 2:00.2 (33.7) -0.4 武豊 56kg エアソミュール
0000.04.27 京都 マイラーズC GII 芝1600m(良) 16 2 4 06.4(03人) 01着 R1:31.4 (33.2) -0.2 A.シュタルケ 56kg フィエロ
0000.06.08 東京 安田記念 GI 芝1600m(不) 17 8 17 09.6(03人) 05着 1:37.4 (37.8) -0.6 C.ウィリアムズ 58kg ジャスタウェイ
0000.10.12 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 15 8 15 03.2(01人) 13着 1:45.8 (33.5) -0.6 小牧太 57kg エアソミュール
0000.11.23 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 17 5 9 05.6(04人) 08着 1:32.1 (34.7) -0.6 P.ブドー 57kg ダノンシャーク
0000.12.14 沙田 香港マイル[23] G1 芝1600m(良[注 1] 10 9 26(05人) 04着 1:34.27 -0.78 Z.パートン 126lb[注 2] Able Friend
2015.03.21 ローズヒル
ガーデンズ
ジョージライダーS[26] G1 芝1500m(稍[注 3] 14 3 06.5(04人) 11着 5.1馬身 N.ホール 59kg Real Impact
0000.04.06 ロイヤル
ランドウィック
ドンカスターマイル[28] G1 芝1600m(重[注 4] 20 3 21(10人) 08着 4.9馬身 N.ホール 55.5kg Kermadec
0000.10.24 東京 富士S GIII 芝1600m(良) 16 7 13 30.8(11人) 09着 1:33.3 (34.0) -0.6 北村宏司 57kg ダノンプラチナ
0000.11.28 東京 キャピタルS OP 芝1600m(良) 18 3 5 07.0(04人) 02着 1:33.2 (33.8) -0.0 H.ボウマン 57kg サンライズメジャー
0000.12.12 阪神 チャレンジC GIII 芝1800m(良) 18 7 14 05.1(03人) 04着 1:46.6 (34.6) -0.5 H.ボウマン 57.5kg フルーキー
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す

種牡馬時代[編集]

2016年から種牡馬生活を始める。初年度から131頭の種付け数を集め、その後は108頭、87頭、68頭と年々数を減らしたが4年目の2020年は131頭と数を増やした。初年度産駒のオータムレッドが2019年6月17日の新馬戦を勝利し、産駒初勝利を挙げた。

2023年7月19日、種牡馬を引退する事をジェイエスがTwitter投稿で発表した。同月31日にアロースタッドを退厩し、ノーザンホースパークで余生を過ごす[31]

主な産駒[編集]

地方重賞優勝馬[編集]

血統表[編集]

ワールドエース血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ディープインパクト
2002 鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*ウインドインハーヘア
1991 鹿毛
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere

*マンデラ
Mandela
2000 栗毛
Acatenango
1982
Surumu Literat
Surama
Aggravate Aggressor
Raven Locks
母の母
Mandellicht
1994
Be My Guest Northern Dancer
What a Treat
Mandelauge Elektrant
Mandriale
母系(F-No.) (FN:3-d) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×4 [§ 4]
出典
  1. ^ [33]
  2. ^ [34]
  3. ^ [33]
  4. ^ [33]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 公式発表は"Good to Firm"で、日本では良に相当。
  2. ^ 約57キログラム[30]
  3. ^ 公式発表は"Good 3"で[26]、日本では稍重に相当。
  4. ^ 公式発表は"Soft 7"で[28]、日本では重に相当。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m ワールドエース”. JBIS Search. 2016年2月29日閲覧。
  2. ^ 世界王牌 (T612) - 馬匹資料 - 賽馬資訊” (中国語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2016年2月24日閲覧。
  3. ^ a b c ワールドエースが引退、種牡馬へ”. netkeiba.com (2015年12月16日). 2016年3月14日閲覧。
  4. ^ 世代屈指の末脚が唸る!ワールドエース”. 競馬ラボ. 2022年7月10日閲覧。
  5. ^ ワールドエース余裕のVに福永騎手「走るね」/阪神新馬”. netkeiba.com(提供:デイリースポーツ) (2011年12月18日). 2016年2月29日閲覧。
  6. ^ a b ゼロスが逃げ切り、ワールドエースは2着/若駒S”. netkeiba.com (2012年1月21日). 2016年2月29日閲覧。
  7. ^ a b c 「強いのひと言」ワールドエースに小牧脱帽/きさらぎ賞”. netkeiba.com(提供:デイリースポーツ) (2012年2月6日). 2016年2月29日閲覧。
  8. ^ ワールドエース豪脚V、王道ローテ歩む/若葉S”. netkeiba.com(提供:デイリースポーツ) (2012年3月18日). 2016年2月29日閲覧。
  9. ^ a b ゴールドシップ、内から伸びて1冠目制す/皐月賞”. netkeiba.com (2012年4月15日). 2016年2月29日閲覧。
  10. ^ a b ワールドエース“飛んだ”が2着まで/皐月賞関係者コメント”. netkeiba.com(提供:デイリースポーツ) (2012年4月16日). 2016年2月29日閲覧。
  11. ^ 4着ワールドエース福永「最後もジリジリとしか…」/日本ダービー”. netkeiba.com(提供:デイリースポーツ) (2012年5月28日). 2016年2月29日閲覧。
  12. ^ ディープブリランテがハナ差V、岩田は涙の初制覇/日本ダービー”. netkeiba.com (2012年5月27日). 2016年2月29日閲覧。
  13. ^ ワールドエース左前球節炎で放牧、秋のローテは未定”. netkeiba.com(提供:デイリースポーツ) (2012年6月3日). 2016年2月29日閲覧。
  14. ^ ワールドエース、アダムスピークが屈腱炎発症、復帰は未定”. netkeiba.com(提供:デイリースポーツ) (2012年9月1日). 2016年2月29日閲覧。
  15. ^ a b エアソミュールが完勝、角居師は「きょうのレースぶりなら重賞でも」/白富士S”. netkeiba.com(提供:デイリースポーツ) (2014年2月2日). 2016年2月29日閲覧。
  16. ^ ワールドエース復活V!約2年1ヶ月ぶりの勝利/マイラーズカップ netkeiba.com 2014年4月27日閲覧
  17. ^ これが「世界一」の底力!ジャスタウェイがゴール寸前の差し切りV!/安田記念”. netkeiba.com (2014年6月8日). 2016年2月29日閲覧。
  18. ^ ワールドエースは5着、ウィリアムズ「この馬もすごいと思ったよ」/安田記念”. netkeiba.com(提供:デイリースポーツ) (2014年6月9日). 2016年2月29日閲覧。
  19. ^ ワールドエースは放牧、ラブリーデイは七夕賞、レッドレイヴンは巴賞へ”. netkeiba.com(提供:デイリースポーツ) (2014年6月13日). 2016年2月29日閲覧。
  20. ^ 8番人気エアソミュールがゴール寸前の差し切りV!/毎日王冠”. netkeiba.com (2014年10月12日). 2016年2月29日閲覧。
  21. ^ a b c ワールドエース 競走馬データ”. netkeiba.com. 2016年3月14日閲覧。
  22. ^ グランプリボス3着・ワールドエース4着 断然人気のエイブルフレンドが圧勝/香港マイル”. netkeiba.com (2014年12月14日). 2016年3月14日閲覧。
  23. ^ a b THE LONGINES HONG KONG MILE” (英語). The Hong Kong Jocky Club (2014年12月14日). 2016年3月14日閲覧。
  24. ^ 池江厩舎エース&ワールド 豪州遠征の鞍上にホール騎手」『スポーツニッポン』、2015年1月21日。2016年3月14日閲覧。
  25. ^ リアルインパクトが叩き合いを制し海外GI制覇!/豪・ジョージライダーS”. netkeiba.com (2015年3月21日). 2016年3月14日閲覧。
  26. ^ a b c Race 8 GEORGE RYDER STAKES” (英語). Racing Australia. 2016年3月14日閲覧。
  27. ^ リアルインパクトは2着 勝ったのはカーマデック/豪・ドンカスターマイル”. netkeiba.com (2015年4月6日). 2016年3月14日閲覧。
  28. ^ a b c Race 9 THE STAR 150TH DONCASTER MILE” (英語). Racing Australia. 2016年3月14日閲覧。
  29. ^ アロースタッドが種牡馬展示会を開催、ワンダーアキュートなど展示”. netkeiba.com (2016年2月16日). 2016年3月14日閲覧。
  30. ^ 126ポンド”. google. 2016年3月14日閲覧。
  31. ^ ワールドエースが種牡馬引退 道営最強馬シルトプレなどを輩出 - netkeiba.com 2023年7月19日
  32. ^ シルトプレ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ. 公益財団法人日本軽種馬協会. 2023年11月9日閲覧。
  33. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ワールドエース、JBISサーチ. 2016年3月14日閲覧。
  34. ^ ワールドエースの種牡馬情報”. 競馬ラボ. 2021年10月13日閲覧。
  35. ^ マンデラ(GER)”. JBIS Search. 2016年2月29日閲覧。
  36. ^ Manduro(GER)”. JBIS Search. 2016年2月29日閲覧。

外部リンク[編集]