ワンズワース区

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ワンズワース・ロンドン特別区
London Borough of Wandsworth
Wandsworth
グレーター・ロンドン内における位置
地理
行政上の地位 ロンドン特別区
面積
— 総面積
303位 (326地区中)
34.26 km²
ONSコード 00BJ
人口統計
人口
— 合計 (2010年推定)
— 人口密度
32位 (326地区中)
28,9600人
8,453人 / km²
民族構成 79.3% 白人
(66.2% 英国人
2.6% アイルランド人
10.5% その他)
1.0% カリブ系混血
0.5% アフリカ系混血
0.9% アジア系混血
0.8% その他 混血
3.1% インド人
1.9% パキスタン人
0.7% バングラデシュ人
1.4% その他のアジア系人
3.9% カリブ系黒人
3.1% アフリカ系黒人
0.8% その他の黒人
1.0% 中国人
1.5% その他
政治
行政府 Leader & Cabinet
首長 ニコラ・ナーデリ (Nicola Nardelli)
英国議会下院
選出議員
ジャスティン・グリーニング保守党
サディク・ハーン英語版労働党
ジェーン・エリソン英語版(保守党)
ロンドン議会
選出議会議員
Merton and Wandsworth
リチャード・トレイシー英語版(保守党)
ポストコード
警察
SW
ロンドン警視庁
公式サイト www.wandsworth.gov.uk

ワンズワース・ロンドン特別区 (ワンズワース・ロンドンとくべつく、: London Borough of Wandsworth聞くi[ˈwɒndzwɜrθ]) は、イングランドロンドンの南西部にある特別区の一つで、インナー・ロンドンの一部を構成する。ワンズワース・ロンドン自治区カウンシル英語版が自治を担当している。

歴史[編集]

1889年まで、現在のワンズワース区はサリーの一部だった。1855年にワンズワース地区 (Wandsworth District (Metropolis)が形成され、ペンジを除くバタシークラパム英語版パトニー英語版ストレタム英語版トゥーティング英語版ワンズワースがこの地区に含まれた。バタシーは1888年にこの地区から除かれている。1900年には残った地区が「メトロポリタン・バラ・オブ・ワンズワース」 (Metropolitan Borough of Wandsworthとなり、バタシーは同じく「メトロポリタン・バラ・オブ・バタシー」 (Metropolitan Borough of Batterseaを形成した。ワンズワース区は、1965年に以前の「メトロポリタン・バラ・オブ・ワンズワース」と「メトロポリタン・バラ・オブ・バタシー」を合わせて形成されたが、クラパムとストレタムの大半は地区から除かれ、ランベス区に組み込まれている。

地理[編集]

ワンズワース区は、東端でランベス区、南端でマートン区キングストン・アポン・テムズ王室特別区、西端でリッチモンド・アポン・テムズ区に接している。また、北端ではテムズ川を挟んで、ハマースミス・アンド・フラム区ケンジントン・アンド・チェルシー王室特別区シティ・オブ・ウェストミンスターと接している。

人口統計[編集]

2011年の国勢調査によると、ワンズワース区の人口は306,995人だった[1]2001年の調査では、住民の78%が白人、9.6%が黒人、そして6.9%が南アジア出身者だった。

史跡[編集]

クラパムジャンクション駅は、クラパム英語版というよりは、この区内のバタシーに位置する。活気のある川沿いには、巨大なチェルシー橋埠頭をはじめ、新しい建物や改装された建物が多数建ち並ぶ。世界中にある平和パゴダの一つ「ピース・パゴダ」 (Peace Pagodaは、テムズ川沿いに広がる長方形の公園で、サーカスの興行もよく行われるバタシー・パークの中に位置する。ロンドンで最も忙しい主要ヘリポートであるロンドン・ヘリポート英語版は、バタシー・パークのすぐ側にあり、南側にはニュー・コヴェント・ガーデン市場英語版が存在する。規模の点では、サウス・テムズ・カレッジ英語版、サウスサイド・ショッピング・センター、ワンズワース、エクスチェンジ・ショッピング・センター、パトニー英語版は最大の世俗的地区[訳語疑問点]に含まれる。

近代建築学上の文化財として高く評価されている建物として、バタシー・アーツ・センター英語版(旧区役所)、王立神経障害病院 (Royal Hospital for Neuro-disability、ワンズワース区役所、ガラ・ビンゴ・クラブ英語版(旧グラナダ・シアター英語版)の豪華な内装、聖ヨハネの丘、セオドア・コミサルジェフスキー英語版が手掛けたクラパム・ジャンクション、そして現在全く異なる公共利用をされている、クイーン・メアリー病院英語版内外の石造・レンガ造りの5つの華麗な大邸宅群などが挙げられ、いずれもグレードII* かそれ以上に指定されている[2]。オールド・バタシーにある2つの見事な石細工の大邸宅はロンドン大空襲をくぐり抜け、オールド・バタシー・ハウス[3]とダウンシャー・ハウス[4]として、どちらも数少ないグレードII* クラスに指定されている。

区政[編集]

首長[編集]

ワンズワース区の最初の区長はジョン・リディアード(: John Lidiard)で、1900年11月のメトロポリタン・バラ・オブ・ワンズワース (enでの選挙で選出された[5][6]。リディアードの存在は、執務室に置かれた「区長の鎖」(: the Mayor's chain)の中心に置かれた複数のダイヤモンドで強調されている[7]。次の区長はサー・ウィリアム・ランカスター英語版だった[8]

現在の区長はニコラ・ナーデリ(: Cllr Nicola Nardelli)である[9]

紋章[編集]

画像外部リンク
en:File:Wandsworth LB arms.png
? 紋章
en:File:Lb wandsworth logo.svg
? カウンシルのロゴ

区章は、以前のメトロポリタン・バラ・オブ・バタシー (Metropolitan Borough of Batterseaとメトロポリタン・バラ・オブ・ワンズワース (Metropolitan Borough of Wandsworthの紋章をおおよそ引き継いでいる。

フェス、クロッシング、盾は青と金の格子模様で、ウィリアム2世によって、最初のサリー伯爵に叙されたウィリアム・ド・ウォレン(: William de Warren)の権力を象徴している。紋章内の金色の正方形には、1685年からワンズワースの地に定住した、フランス人ユグノーたちの涙を象徴する涙滴が描き込まれている。

頂上の船は大陸からやって来た海賊集団ウェンデル族(: Wendels)を指すとされている。ウェンデル族の名前はこの地域名の元になったと考えられ、実際に古い文献には、ワンズワースを指す言葉としてウェンデルスワース(: Wendelsworth)との用例が見られる。船の上に描き込まれた4つの盾とオールは、バタシー、パトニー、トゥーティング、ワンズワースの4地区を象徴している。

左側のハトはバタシー地区の、右側の黒い竜はワンズワース地区の以前の紋章からそれぞれ引用されたものである。また後者は、シティ・オブ・ロンドンの紋章[10]に似ていることから、ロンドンそのものを象徴していると考えられている。

政治[編集]

ワンズワース・ロンドン特別区カウンシル[編集]

2002年から採用されたワンズワース区の区割り

ワンズワース区では、20地区から3人ずつ60人の区議会議員が選出されている。2014年のワンズワース・カウンシル選挙 (Wandsworth Council election, 2014以来、41人の議員が保守党、19人の議員が労働党となっている。保守党は、1978年の選挙以来このカウンシルで過半数を占め続けており、区閣議のメンバー9人全員を輩出している。地区の保守党代表者はラヴィ・ゴヴィンダ(: Ravi Govindia)が務めている。

区議会の選挙結果概要[編集]

過半数 保守党
Conservative
労働党
Labour
自民党 (Lib Dem, 1988 - ) または
社民党 (Social Democrat, 1981 - 1988)
その他
2014 (en 保守党 41 19
2010 (en 保守党 47 13
2006 (en 保守党 51 9
2002 (en 保守党 50 10
1998 (en 保守党 50 11
1994 保守党 45 16
1990 保守党 48 13
1986 保守党 31 30
1982 保守党 33 27 1
1978 保守党 36 25
1974 労働党 12 48
1971 労働党 7 53
1968 保守党 48 12
1964 労働党 13 47

国会議員選挙区[編集]

この地区にはバタシー選挙区 (Battersea (UK Parliament constituency)、パトニー選挙区 (Putney (UK Parliament constituency)、トゥーティング選挙区 (Tooting (UK Parliament constituency)の3つの選挙区がある。

交通機関[編集]

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テムズ川の北側に位置する3つのロンドン特別区から、ワンズワースにつながる5つの橋が架けられている。下流から順に列挙する。

ワンズワースの中央を走り、地区を2つに分けるワンドル川にも多数の橋が架けられている。

路線事情[編集]

ナショナル・レールサウスウェスト・トレインズで、ウォータールー駅からこの地区内の5つの駅に接続している。5つの駅とはアールスフィールド駅英語版パトニー駅クイーンズタウン・ロード駅 (バタシー)英語版ワンズワース・タウン駅英語版クラパムジャンクション駅で、中でもクラパムジャンクション駅はワンズワース区1番の主要駅である。クラパムジャンクション駅からはロンドン・ヴィクトリア駅を通るサザンの電車に乗ることもできる。この路線ではバラム駅英語版バタシー・パーク駅英語版ワンズワース・コモン駅英語版に行くことができる。

ロンドン・オーバーグラウンドは主にクラパムジャンクション駅から発車するが、この駅はシェパーズ・ブッシュ駅英語版経由でストラトフォード駅まで繋がるウェストロンドン線の南側終点となっている。一部の列車はウェストロンドン線北端のウィルズデン・ジャンクション駅を終点としている。イーストロンドン線の西側終点も同じくクラパムジャンクション駅で、デンマーク・ヒル駅英語版経由でハイベリー&イズリントン駅英語版に繋がる。1日に1本だけは、議会列車がクラパムジャンクション駅ではなくバタシー・パーク駅を終点として運行している。

ロンドン地下鉄イースト・パトニー駅サウスフィールズ駅に乗り入れるディストリクト線、バラム駅、クラパム・サウス地下鉄駅英語版トゥーティング・ベク地下鉄駅英語版トゥーティング・ブロードウェイ地下鉄駅英語版に乗り入れるノーザン線が運行されている。

ナショナル・レールの駅[編集]

ロンドン・オーバーグラウンド[編集]

  • クラパムジャンクション駅(先述)

地下鉄駅[編集]

ノーザン線
ディストリクト線

通勤手段[編集]

2011年3月、16歳から74歳まで全ての住民を対象に、主な通勤手段の調査が行われた。結果は以下の通り[11]

  • 地下鉄、ライトレール、路面電車:20.7%
  • 電車:10.6%
  • 自家用車:10.6%
  • バス、ミニバス、長距離バス:9.7%
  • 徒歩:5.6%
  • 自転車:5.4%
  • 自宅で仕事をする[注 1]:4.0%

教育[編集]

ワンズワースには、専門的なラングウェッジ・カレッジ英語版の1つで著名なエリオット・スクール英語版があり、同校はピアース・ブロスナンの出身校である。1842年には、イングランド国教会チェルシーに「ホワイトランズ・カレッジ」(: Whitelands College)を設立し、学校はジョン・ラスキンの影響力下に置かれた。1930年1931年には、学校はワンズワース区ウェスト・ヒル英語版に移転し、ジャイルズ・ギルバート・スコット英語版の設計した巨大な特設エリアを占有することになった。現在指定文化財に含まれているこれらの建物は、2005年にカレッジがローハンプトン英語版に再移転するまでは、ワンズワース区最大の教育施設だった。なおカレッジは移転後ローハンプトン大学の一部になっている。ワンズワース区には、他にもサウスフィールズ・アカデミー英語版アシュクロフト・テクノロジー・アカデミー英語版などの学校が存在する。

宗教[編集]

この地区ではキリスト教信者が多数を占めるが、他宗教の信仰者も一定数存在する。シク教徒ユダヤ教徒ムスリム仏教徒ヒンドゥー教徒なども居住している[要出典]

2001年の国勢調査では、住民のおよそ29%が無宗教と回答、もしくは信仰を記入しなかった[12]

名所・旧跡[編集]

公園・オープンスペース[編集]

ワンズワース区には3つのメトロポリタン・オープン・スペース(: Metropolitan Open Spaces)が存在する。

小さな公園や遊び場(一例:ワンズワース・パーク英語版)を内包している、これら3つの大きな緑地施設は、2012年3月末までワンズワース・パークス・ポリス英語版として知られた、ワンズワース区の公園自警警察によってパトロールされていた。2012年4月からは、23人いたパーク・ポリスに代わり、ロンドン警視庁の警官12人が、セーファー・パークス・チーム(: the Safer Parks Team; SPT)としてパトロールに当たっている。

ワンズワース区内には、パトニー・ヘルス (Putney Heathや、パトニー・ロウアー・コモンの一部が含まれ、ウィンブルドン・コモン英語版クラパム・コモン英語版の一部として管理されている。なおクラパム・コモンは、西半分がワンズワース区に含まれるが、全体をランベス区で管理している。

劇場[編集]

内包地区[編集]

郵便番号区域[編集]

London SW4(一部)、London SW8(一部)、London SW11(全域)、London SW12(一部)、London SW15(一部)、London SW16(一部)、London SW17(一部)、London SW18(全域)、London SW19(一部)

関連項目[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 原文 "work mainly at or from home." 自営業で店を開設している場合や、インターネットを使って自宅から会議に参加するなどの形態を指すと考えられる。

出典[編集]

  1. ^ 2011 Census: Ethnic group, local authorities in England and Wales, Office for National Statistics (2012). 2011年の国勢調査に使われた設問などについては、英語版Classification of ethnicity in the United Kingdom(英語)を参照のこと。
  2. ^ [1] Ordnance Survey (en map of listed buildings (en courtesy of English Heritage.
  3. ^ Historic England. "Details from listed building database (1065500)". National Heritage List for England. 
  4. ^ Historic England. "Details from listed building database (1357666)". National Heritage List for England. 
  5. ^ “The London Borough Councils. Election of Mayors and Aldermen.”. The Times: p. 14. (1900年11月10日) 
  6. ^ Local History Publications 1955–2011. Index for Researchers. Wandsworth Historical Society. p. 12. 
  7. ^ The Mayors of Wandsworth”. Wandsworth Council. 2013年5月9日閲覧。
  8. ^ Blue Plaques Scheme”. Putney Society. 2014年3月30日閲覧。
  9. ^ Mayor of Wandsworth”. 2015年3月15日閲覧。
  10. ^ コモンズに掲載された、シティ・オブ・ロンドンの紋章:commons:File:Coat of Arms of The City of London.svg
  11. ^ 2011 Census: QS701EW Method of travel to work, local authorities in England and Wales”. Office for National Statistics. 2013年11月23日閲覧。 対象は16歳から74歳までの全ての住民で、失業者も数字に含む。回答者は、通勤に使う手段の中で、使う距離が最も長いものを1つだけ選んで回答した。
  12. ^ Wandsworth Council – Downloads. Wandsworth.gov.uk (2005-04-01). Retrieved on 2013-07-17.

外部リンク[編集]

以下は全て英語サイト。

座標: 北緯51度27分26.3秒 西経0度11分41.5秒 / 北緯51.457306度 西経0.194861度 / 51.457306; -0.194861