ワロチリ文書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

ワロチリ文書(わろちりぶんしょ。英語:Huarochirí Manuscript、ドイツ語:Huarochirí-Manuskript、現代ケチュア語:Waruchiri qillqasqa)は、南アメリカワロチリ地方のインディオ神話宗教伝説を報告した、16世紀の終わり頃にケチュア語で書かれたテキストである。

概要[編集]

テキストに記録された神話において主導的な役割を果たすのが、アプ[1]あるいはワカ英語版である。 ワロチリ地方においては、ワカであるパリアカカ (Paryaqaqa) とワリャリョ・カルウィンチョ (Wallallu Qarwinchu) が対抗するが、彼らは民族(ワロチリ、ワンカ)を象徴し、それら民族の守護神となっている。

現地のインディオの昔ながらの信仰を綿密に記述したテキストが独特のものであるため、過去に植民地であったケチュア語圏の文学の重要な記念物の象徴となっている。 しかし、インディオである本来の記録者の名は知られていない。 スペイン人司祭フランシスコ・デ・アビラが詳細を記録させているが、キリスト教と異なる宗教を根絶するために記録されたものであり、注釈もつけられて信頼性がある。

文書は、スペインの首都マドリードの王立図書館に、気付かれないまま何世紀もしまわれていた。 1939年ヘルマン・トリムボルンドイツ語版によるドイツ語訳が発表された。 1966年ペルーの人類学者ホセ・マリア・アルゲダスは初めてテキストをスペイン語に翻訳し、2ヵ国語併記(ケチュア語とスペイン語)で発表した。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 他言語版ウィキペディアにおいては、ドイツ語版:de:Apu (Berggottheit)、ケチュア語版:qu:Urqup apun

参考文献[編集]

以下は翻訳元のドイツ語版での参考文献であるが、翻訳にあたり直接参照していない。

  • Hermann Trimborn: Dämonen und Zauber im Inkareich. ライプツィヒ:民族学の歴史の情報源と研究(1939年)
  • José María Arguedas: Dioses y Hombres de Huarochiri ケチュア語のテキストとスペイン語訳(1966年)
  • Huarochiri - An Andean Society Under Inca and Spanish Rule.筆者:Karen Spalding (1984年)
  • Gérald Taylor: Rites et Traditions de Huarochiri.(1995年)
  • Frank Salomon, George L. Urioste: Huarochiri Manuscript: A Testament of Ancient and Colonial Andean Religion. (1991年)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

ウィキソースのロゴ ケチュア語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります:Waruchiri qillqasqa