ロード (メタリカのアルバム)

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ロード
メタリカスタジオ・アルバム
リリース
録音 1995年5月1日 – 1996年2月1日
ジャンル HR/HM
オルタナティヴ・メタル
時間
レーベル エレクトラ・レコード, ヴァーティゴ
プロデュース ボブ・ロック, ジェイムズ・ヘットフィールド, ラーズ・ウルリッヒ
チャート最高順位
  • 1位(アメリカ/ビルボード、イギリス、オーストラリア、フィンランド)
  • 3位 (日本/オリコン)
メタリカ 年表
Metallica
(1991年)
Load
(1996年)
Reload
(1997年)
『Load』収録のシングル
  1. Until It Sleeps
    リリース: 1996年5月21日[1]
  2. Hero of the Day
    リリース: 1996年9月9日[2]
  3. Mama Said
    リリース: 1996年11月25日[3]
  4. King Nothing
    リリース: 1997年1月7日[4]
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ロード』 (Load) は、アメリカのヘヴィメタルバンド、メタリカのスタジオ・アルバム。

概要[編集]

初週に自身最高の68万枚を売り上げ、Billboard 200の4週連続1位を記録した。アメリカにおいて500万枚以上売り上げ、アメリカレコード協会 (RIAA) 5xプラチナに認定された。アルバムのマーケティングをかねて事前に"Until It Sleeps"、"Hero of the Day"、"Mama Said"、"King Nothing"の4枚のシングルがリリースされている。 ブルース的でありカントリー・ミュージックの特徴をもつ本作は、従来のバンドのヘヴィメタル・スラッシュメタル的なサウンドから脱したことで、一部のファンからは批判を集めることとなった。ラーズ・ウルリッヒ曰く「このアルバム、そして俺たちがこのアルバムを通じてやりたかったことは、俺にとってはメタリカの全てであり、すなわち異なることを探求することなんだ。探求することをやめたら、その時点でくたばっちまうってことなのさ。」

音楽様式[編集]

商業的な成功を得た前作『ブラック・アルバム』から約5年を経てリリースされた本作は、バンドのルーツであるスラッシュメタルとは異なる、むしろ伝統的なヘヴィメタルに近い特徴や集合的なサウンドを含むものであることを表していた。前作リリース時点で、最終的にアルバムに収録されることになる14曲が作曲の軸であるジェイムズ・ヘットフィールドとラーズ・ウルリッヒの手により、ラーズのスタジオ”The Dungeon”にてデモ作成まで始まっていた。バンドは1995年春、約1年作業することになるレコード・プラント・スタジオ (The Plant Studio) で30ものデモを作成し、ブラック・アルバムのレコーディングにも参加したボブ・ロックと再びチームを組むことになった。

1980年代のバンドサウンドを特徴づけるスラッシュメタルの様式はほとんどなくなり、リズムギターの刻みリフの録音においてもジェイムズだけでなくカーク・ハメットがよりブルージーな音とプレイで参加している。加えて、ラーズはこれまでのアルバムに見られた速く複雑なツーバスを廃し、よりシンプルなテクニックとスタイルで最小限のアプローチに留めた。その上、ジェイムズの作詞にも変化が見られ、多くの人が最も個人的であり内観的だと感じるような詞を書いた。アルバムの代表曲である"Until It Sleep"は彼の母の癌闘病の末迎えた死を取り扱っており、"Mama Said"もまた母との関係をテーマとしている。これら全ては『メタル・ジャスティス』や『メタル・マスター』に見られる政治的、社会的なニュアンスからの出発を示していた。

今作は78分59秒と、メタリカのスタジオ・アルバムで収録時間が最も長い作品となった。初版には単に「78:59」とだけ書かれたその長い収録時間を豪語するステッカーが添付されていた。結果として、"The Outlaw Torn"がアルバムに合わせて約1分短縮しなければならなくなり、フルバージョンはシングル"The Memory Remains"に"The Outlaw Torn (Unencumbered by Manufacturing Restrictions Version)"として10分48秒で収録されている。シングルのバックカバーには次のように説明がなされている。「『ロード』の最終作業をしていた時、レコード会社が俺たちに『78分59秒より1秒として長くできないし、そうでなければ根本的に曲を飛ばさない限りCDが鳴ることはないだろう』と言った。14曲でだいたい30秒ほど超過していて何らかの対処がなされなければならなかったから、"Outlaw"のイカした最後のジャムをカットしたんだ。」

また、全曲半音下げチューニングとなっている最初のアルバムである。また、オーストラリア盤には他では見られないボーナスインタビューCDが付属している。

アートワーク[編集]

アートワークは、"Semen and Blood Ⅲ"と名付けられたオリジナルのものだった。1990年に、アンドレス・セラーノがアクリルシートに牛の血液と自身の精液を混ぜたものを挟んで撮られたものである。ライナーノーツには作品名ではなく単に"cover art by Andres Serrano"と添えられている。しかしジェイムズは、このアートワークを気に入っていないという[5]

カークも出席していたインタビューで、アートワークのアイデアがどこで得られたのか尋ねられると、カークはセラーノによって撮られたゴッドフレッシュの"Crush My Soul"のビデオを見てそれがアイデアの源だと語ったが、ゴッドフレッシュについてはクレジットに記載されていない。それについてゴッドフレッシュのフロントマンであるジャスティン・ブロードリックは「セラーノに著作権はない。まずそれは認めるよ。だが俺たちは種を蒔いた、そして不幸なことだが俺たちはクレジットを得てはいないんだ。」ジャスティンがツアーでギターを盗まれた後、カークは彼にフェンダーストラトキャスターを贈り、ゴッドフレッシュは現在最もヘヴィなバンドだと賞賛した。

『ロード』では、1980年代前半のロゴの最初と最後の文字の鋭い角を丸くして、平易にした新しいロゴが用いられた。オリジナルロゴのMは、"ninja star"として知られ今作およびそれ以降の作品だけでなく、他の関連アートワークにおける代わりのロゴとして用いられた手裏剣のようなシンボルマークを形作るのに使われた。また今作は、U2デペッシュ・モードとの作品で最もよく知られるアントン・コービンによる写真を含むブックレットを製作した。これらの写真ではサスペンダー付きのランニングシャツやキューバンスーツ、ゴシックファッションなど様々な衣装を纏ったメンバーを描写した。前述の2009年のインタビューにて、ジェイムズは『ロード』のブックレットに見られたようなファッションを通じたバンドの方向転換に不快感を表した。

これまでのアルバムのブックレットには全曲の歌詞が記載されているが、『ロード』には各曲の歌詞の一部のみである。加えて、中のアートワークはロールシャッハ法を中心題材とし、それは次作『リロード』やこれら2作のリカット・シングルのアート・ワークにも引き継がれた。

評価[編集]

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典 評価
AllMusic 2.5/5stars[6]
Robert Christgau C+[7]
Drowned in Sound 9/10[8]
Entertainment Weekly B[9]
Los Angeles Times 3.5/4stars[10]
NME 7/10[11]
Q 4/5stars[11]
Rolling Stone 4/5stars[12]
Sputnikmusic 4/5stars[13]

一部のファンは批判していたものの、今作は多くの評論家から良い評価を受けている。ローリング・ストーンは4つ星を与え、Qマガジンもまた好評価を下した。

しかし全体的に見れば好評価となったとはいえ、メロディーメーカーは今作以前のアルバムと比較して落ち着いてしまった今作にいくつかの疑念を表している。オールミュージックは、『ロード』が冗長で、薄く、注目されないアルバムであるとみなした。

トラックリスト[編集]

全作詞: ジェイムズ・ヘットフィールド
# タイトル 作詞 作曲 時間
1. 「Ain't My Bitch」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ・ヘットフィールド, ラーズ・ウルリッヒ
2. 「2 X 4」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ, カーク・ハメット
3. 「The House Jack Built」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ, カーク
4. 「Until It Sleeps」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ
5. 「King Nothing」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ, カーク
6. 「Hero of the Day」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ, カーク
7. 「Bleeding Me」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ, カーク
8. 「Cure」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ
9. 「Poor Twisted Me」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ
10. 「Wasting My Hate」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ, カーク
11. 「Mama Said」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ
12. 「Thorn Within」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ, カーク
13. 「Ronnie」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ
14. 「The Outlaw Torn」 ジェイムズ・ヘットフィールド ジェイムズ, ラーズ
合計時間:

関係者[編集]

メタリカ[編集]

プロダクション[編集]

チャート[編集]

アルバム[編集]

チャート 順位
1996 Billboard 200 1
UK Album Charts
Australian ARIA Albums Chart
Finnish Albums Chart[14]

10年間のチャート[編集]

Chart (1990–1999) Position
U.S. Billboard 200[15] 81

シングル[編集]

シングル チャート 順位
1996 "Ain't My Bitch" Mainstream Rock Tracks 15
"Hero of the Day" Mainstream Rock Tracks 1
UK Singles Chart 17
The Billboard Hot 100 60
"Until It Sleeps" Mainstream Rock Tracks 1
Modern Rock Tracks 27
The Billboard Hot 100 10
UK Singles Chart 5
"Mama Said" ARIA Singles Chart 24
1997 "Ain't My Bitch" Mainstream Rock Tracks 40
"Bleeding Me" Mainstream Rock Tracks 6
"Hero of the Day" Canadian Singles Chart 17
"King Nothing" Canadian Singles Chart 14
Mainstream Rock Tracks 6
The Billboard Hot 100 90

賞歴[編集]

国/地域 認定 認定/売上枚数
カナダ (Music Canada)[16] 4× Platinum 400,000^
フィンランド (Musiikkituottajat)[17] Platinum 94,384[17]
ドイツ (BVMI)[18] Platinum 500,000^
ポーランド (ZPAV)[19] Platinum 100,000*
イギリス (BPI)[20] Gold 100,000^
アメリカ合衆国 (RIAA)[21] 5× Platinum 5,889,000[22]

^認定のみに基づく出荷枚数

販売歴[編集]

地域 データ
日本 1996年6月1日
世界 (北米を除く) 1996年6月3日
アメリカ 1996年6月4日

参考文献[編集]

  1. ^ Until it Sleeps”. Metallica.com. 2013年6月17日閲覧。
  2. ^ Hero of the Day”. Metallica.com. 2013年6月17日閲覧。
  3. ^ Mama Said”. Metallica.com. 2013年6月17日閲覧。
  4. ^ King Nothing”. Metallica.com. 2013年6月17日閲覧。
  5. ^ 2009年のClassic Rockでのインタビューにおいて。
  6. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Metallica: Load”. Review. AllMusic. 2013年6月17日閲覧。
  7. ^ Christgau, Robert. “Metallica: Load”. Review. Robert Christgau. 2013年6月17日閲覧。
  8. ^ Lancaster, Nick. “Metallica: Load”. Review. Drowned in Sound. 2013年6月17日閲覧。
  9. ^ Browne, David. “Metallica; Load”. Review. Entertainment Weekly. 2013年6月17日閲覧。
  10. ^ Masuo, Sandy (1996年6月2日). “Album Review: Metallica: Load”. Los Angeles Times. http://articles.latimes.com/1996-06-02/entertainment/ca-10929_1_album-review 2014年1月27日閲覧。 
  11. ^ a b Metallica - Load CD Album”. Q. CD Universe. 2013年6月17日閲覧。
  12. ^ Fricke, David (1996年12月4日). “Metallica: Load”. Rolling Stone. http://www.rollingstone.com/music/albumreviews/load-19961204 2013年6月16日閲覧。 
  13. ^ Schroer, Brendan (2013年3月11日). “Metallica: Load”. Sputnikmusic. 2014年3月2日閲覧。
  14. ^ Finnish Albums Chart - Search. Retrieved on 2009-07-08.
  15. ^ Geoff Mayfield (December 25, 1999). 1999 The Year in Music Totally '90s: Diary of a Decade - The listing of Top Pop Albums of the '90s & Hot 100 Singles of the '90s. Billboard. http://books.google.co.kr/books?id=9w0EAAAAMBAJ&lpg=PP1&lr&rview=1&pg=RA1-PA4#v=onepage&q&f=false 2010年10月15日閲覧。. 
  16. ^ "Canadian album certifications – Metallica – Load". Music Canada. 
  17. ^ a b "Metallica" (Finnish). Musiikkituottajat – IFPI Finland. 
  18. ^ "Gold-/Platin-Datenbank (Metallica; 'Load')" (German). Bundesverband Musikindustrie. 
  19. ^ "Polish album certifications – Metallica – Load" (Polish). Polish Society of the Phonographic Industry. 
  20. ^ "British album certifications – Metallica – Load". British Phonographic Industry.  Enter Load in the field Keywords. Select Title in the field Search by. Select album in the field By Format. Select Gold in the field By Award. Click Search
  21. ^ "American album certifications – Metallica – Load". Recording Industry Association of America.  If necessary, click Advanced, then click Format, then select Album, then click SEARCH
  22. ^ Metallica's 'Black' Album Remains Top-Selling LP Of SoundScan Era”. roadrunnerrecords.com (2011年1月7日). 2011年1月31日閲覧。