ローテク

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ローテク: low-tec)あるいはロー・テクノロジー: low-technology)とは、ハイテクの対義語であり、(漠とした用語で、使う人によっていささかニュアンスが異なる傾向があるが)、「最先端のものではないテクノロジー[1]」。あるいは「シンプルで、洗練されていないテクノロジー。しばしば数世紀以上に渡り使われており、不可欠のものを生産するために用いられているもの」[2]

概要[編集]

ローテクとは、ハイテクと対比的に使われている概念であり、最近使われるようになったばかりのテクノロジーではなく、すでに使われてきた実績のあるテクノロジーである。一言で「ローテク」と言っても、数世紀、あるいは数千年前から使われ続けている技術もあるわけで、使われてきた年月の長さはさまざまである。人によっては、また分野によっては、数十年程度前に登場した技術でも「ローテク」に含めることがある。

なお、ローテク / ハイテクというのは、一種の、時間を意識したラベリングであり、時間とともに変化しうるラベリングである。ある技術に着目した時、それが見出された時点では「先端」のものであるので「ハイテク」であるが、それが長年に渡り使われると、「先端」ではなく、人類にとっては「なじみ」のテクノロジー、ありきたりのテクノロジー、「ローテク」という扱いになってゆく傾向がある。

人類のテクノロジーの歴史は非常に長いので、人類が開発し蓄積してきた技術のほとんどは、現時点から見ればほとんどが「ローテク」である。

一言で「ローテク」と言っても、現在でも使われて続けている評価の高いテクノロジーも含み、人類にとって非常に重要な、必要不可欠のテクノロジーも含む。一方で、新しいテクノロジーの登場により、最近では相対的に評価が下がりあまり使われなくなったテクノロジーも含みうる。したがって、ローテクを乱暴にひとくくりにして、一般論として評価することは困難である。

なお人類の基本的な生活のほとんどはこの「ローテク」によって支えられている。 たとえば、寒い時には、自分の肌の上に布でできた衣服をまとい体温を保つ、動・植物の繊維から糸をつむぎそれを材料にして布を織る、などということは太古の昔から人類が行ってきたテクノロジーであり、ローテクであり、現代でも通常の生活をする上で不可欠である。また、植物を意図的に育てること、農業というのもテクノロジーのひとつに数えられることがあるが、地面を耕し、種をまき、水をやり、植物を育てて、実や葉や根 等々を収穫し、それを食したり備蓄する、食材を得たら食べる前にまずで加熱し滅菌し食の安全を確保しつつ味や香りも良くする、ということも太古の昔から現代まで人類が行っているテクノロジーであり、人類の生活にとって必要不可欠のテクノロジーである。また車輪は、一体いつ誰によって着想されたか判らないほど古くからあるテクノロジーであり、やはりローテクであり、この車輪なくしては現代の社会は成立させられない。

現代人でも「もしも 食卓に農作物が全く並ばなかったらどうなる?」「もし食べ物が全て加熱調理されず暖かいものを食べられなかったら?」「もしも糸が作られず、服が全く作られず、自分が服を着られなかったら?」 「もしも車輪が全くなかったら?」と想像してみれば、ローテクの重要性を再認識することができる。

新規事業や新商品とローテク

ローテクノロジーは、ハイテクのような「おもしろさ」(目新しさ)はないが、長年に渡り使われており、技術の完成度が高い、という傾向がある[3]。新規事業や新商品を考案する者にとっては、しばしばローテクとハイテクをいかに組み合わせるか、というところが腕の見せどころとなる[3]


脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ [1]
  2. ^ [2]
  3. ^ a b 出川通『実践図解最強のMOT戦略チャート: 技術を新規事業・新商品につなげる方法』秀和システム、2010年

関連項目[編集]