ロンガローネ
ロンガローネ Longarone | |
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![]() 集落中心部 | |
行政 | |
国 |
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州 |
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県/大都市 |
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CAP(郵便番号) | 32013 |
市外局番 | 0437 |
ISTATコード | 025071 |
識別コード | M342 |
分離集落 | #分離集落参照 |
隣接コムーネ | #隣接コムーネ参照 |
地震分類 | zona 2 (sismicità media) |
気候分類 | zona F, 3331 GG |
公式サイト | リンク |
人口 | |
人口 | 5,201 [1] 人 (2019-01-01) |
人口密度 | 42.6 人/km2 |
文化 | |
住民の呼称 | Longaronesi |
守護聖人 | 無原罪の御宿り (Santa Maria Immacolata) |
祝祭日 | 12月8日 |
地理 | |
座標 | 北緯46度16分 東経12度18分 / 北緯46.267度 東経12.300度座標: 北緯46度16分 東経12度18分 / 北緯46.267度 東経12.300度 |
標高 | 473 (400 - 2542) [2] m |
面積 | 122.18 [3] km2 |
![]() ベッルーノ県におけるコムーネの領域 | |
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ロンガローネ(イタリア語: Longarone)は、イタリア共和国ヴェネト州ベッルーノ県にある、人口約5,200人の基礎自治体(コムーネ)である。1963年10月9日、バイオントダム災害による大惨事を経験した。 2014年2月22日、カステッラヴァッツォを編入した。
地理[編集]
位置・広がり・地勢[編集]
ベッルーノ県の東部に位置し、東にポルデノーネ県(フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州)と境を接する。アルプスに源を発しアドリア海に注ぐピアーヴェ川の上流に開けた小盆地に築かれた町である。県都ベッルーノから北北東15km、マニアーゴから西北西へ38km、州都ヴェネツィアから北へ93kmの距離にある。
隣接コムーネ[編集]
隣接するコムーネは以下の通り。括弧内のPNはポルデノーネ県所属を示す。
- オスピターレ・ディ・カドーレ - 北
- エルト・エ・カッソ (PN) - 東
- ソヴェルゼネ - 南東
- ポンテ・ネッレ・アルピ - 南
- セーディコ - 南西
- ベッルーノ - 南西
- ラ・ヴァッレ・アゴルディーナ - 西
- ヴァル・ディ・ゾルド - 北西
歴史[編集]
古代・中世[編集]
ロンガローネの歴史はローマ時代まで遡ることができ、墓地や街道など当時の遺跡が残されている。地名の起源ははっきりしないが、「細長い土地」を意味する longus から派生した Longara との関連が推測される[4]。
町の中心部にある聖クリストフォロ教会は、1300年頃に建設された。中世の歴史はベッルーノとともに歩んでおり、1420年以降はヴェネツィア共和国の領域に入った。
近代[編集]
ロンガローネの町は長らくカステッラヴァッツォに属する地位にあったが、ナポレオン統治下の1806年に独立した都市となった。ウィーン会議後はオーストリアの勢力下に入り、1866年、イタリアに編入された。18世紀、ロンガローネは流通の拠点として経済的な繁栄を見せた。
第一次世界大戦中の1917年11月には、カポレットの戦いに関連したロンガローネの戦い (it:Battaglia di Longarone) の舞台となった。ドイツ軍のエルヴィン・ロンメル中尉は、ロンガローネに置かれたイタリア軍の駐屯地を占領し、多数の捕虜を得て名を高めた。
第二次世界大戦後[編集]
1960年、この町の東にバイオントダムが完成した。262mという堤高は、当時世界で最も高いものであった。
1963年10月9日夜、バイオントダム災害 (it:Disastro del Vajont) が発生した。トック山から崩落した土砂がダム湖になだれ込んだ結果、ダムに湛えられていた5000万立方メートルの水は津波となり、堤を乗り越えてあふれ出した。堤の真西にあったロンガローネの町はその直撃を受け、泥水に飲み込まれた。この災害による1909人の死者のうち、ロンガローネのコムーネは1450人の犠牲を出している[5]。
この災害のあと町は再建され、復興を遂げている。
2003年10月、災害の40周年を迎えての追悼行事がロンガローネで行われ、チャンピ大統領が出席した。
行政[編集]
分離集落[編集]
ロンガローネには以下の分離集落(フラツィオーネ)がある。
- Castellavazzo, Codissago, Dogna, Faè, Fortogna, Igne, Olantreghe, Pirago, Muda, Maè, Podenzoi, Provagna, Rivalta, Roggia, Soffranco
経済・産業[編集]
ロンガローネに仕事を持っている人は4,642人にのぼり、これは居住人口の112.62%にあたる。住人の多くはコムーネの中で働いている。
眼鏡[編集]
ベッルーノ県北東部(ロンガローネからコメーリコ・スペリオーレにかけてのカドーレ谷一帯)は、イタリアにおける眼鏡産業の集積地であり、ロンガローネはその中心地の一つである[6][7]。ロンガローネ集落の南にはピアーヴェ川に沿って工業団地が造成されており[6]、2000年代におけるイタリアの眼鏡大手4社うち、デ・リーゴ (it:De Rigo) とマルコリン社 (it:Marcolin) は、ロンガローネに本社を構えている[7]。
ジェラート[編集]
ロンガローネは、隣接するゾルド谷・カドーレ谷の村(ゾルド・アルト、フォルノ・ディ・ゾルド、ゾッペ・ディ・カドーレ)とともに、ジェラートの町としても知られている。ロンガローネでは毎年冬に「国際ジェラート展示会」(Mostra Internazionale del Gelato Artigianale, 略称:MIG)が開かれている[8]。「国際ジェラート展示会」は1959年12月に第1回が開かれた。
人口[編集]
人口推移[編集]
人口推移 | ||
---|---|---|
年 | 人口 | ±% |
1871 | 3,814 | — |
1881 | 3,530 | −7.4% |
1901 | 3,688 | +4.5% |
1911 | 4,302 | +16.6% |
1921 | 4,312 | +0.2% |
1931 | 4,147 | −3.8% |
1936 | 4,019 | −3.1% |
1951 | 4,742 | +18.0% |
1961 | 4,688 | −1.1% |
1971 | 4,036 | −13.9% |
1981 | 4,481 | +11.0% |
1991 | 4,234 | −5.5% |
2001 | 4,122 | −2.6% |
2011 | 3,945 | −4.3% |

交通[編集]
国道 SS51 がピアーヴェ川に沿ってコムーネを南北に縦貫しており、北はカステッラヴァッツォを経てピエーヴェ・ディ・カドーレに、南はポンテ・ネッレ・アルピに至る。また、コムーネを東西に貫く県道 SP251 は、西にゾルド谷を遡ってラ・ヴァッレ・アゴルディーナとを結び、東にフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州との州境を越えヴァイオント谷に入り、エルト・エ・カッソとを結ぶ。
姉妹都市[編集]
Urussanga (Urussanga) (ブラジル)
バーニ・ディ・ルッカ(トスカーナ州)
註[編集]
- ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Total Resident Population on 1st January 2019 by sex and marital status” (英語). 2019年11月25日閲覧。
- ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Popolazione residente - Belluno (dettaglio loc. abitate) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2019年11月25日閲覧。よりカステッラヴァッツォとロンガローネの数値を合算
- ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Superficie territoriale (Kmq) - Belluno (dettaglio comunale) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2019年11月25日閲覧。よりカステッラヴァッツォとロンガローネの数値を合算
- ^ La tragedia del Vajont, Il sito ufficiale del comune di Longarone
- ^ Francesco Niccolini,Vajont, una frana annunciata, e riferimenti ivi citati.
- ^ a b 遠山恭司「イタリアものづくりの都市を訪ねて 第8回 眼鏡枠のまち ベッルーノ(Belluno、ヴェネト州)」 - イタリアの産業・地域・中小企業
- ^ a b 加藤明「眼鏡産地の盛衰 -福井県・鯖江市とイタリア・ベッルーノ産地比較のケース- (PDF) 」, JAIST Press, 2009
- ^ Mostra Internazionale del Gelato Artigianale
関連項目[編集]
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ヴァル・ディ・ゾルド | オスピターレ・ディ・カドーレ | ![]() | |
ラ・ヴァッレ・アゴルディーナ | ![]() |
エルト・エ・カッソ (PN) | ||
![]() ![]() | ||||
![]() | ||||
セーディコ ベッルーノ |
ポンテ・ネッレ・アルピ | ソヴェルゼネ |