ロマン・アブラモヴィッチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
ロマン・アブラモヴィッチ

ロマン・アルカディエヴィッチ・アブラモヴィッチアブラモーヴィチロシア語: Рома́н Арка́диевич Абрамо́вич、ラテン文字転写の例:Roman Arkadievich Abramovich1966年10月24日- )は、ユダヤロシア人の実業家石油王)。個人的な投資会社ミルハウス・キャピタルのオーナーであり、寡頭資本家(オリガルヒ)の一人。また、チュクチ自治管区知事を務めた政治家でもある。『フォーブス』によれば、187億ドルの純資産を持っている。また、プレミアリーグチェルシーFCのオーナーも務めている。

経歴[編集]

1966年10月24日サラトフに生まれる。彼の母イリーナは彼が1歳のときに、彼の父アルカーディは3歳のときに死んだため、彼は孤児として育った。1992年から商売を始め、特に石油取引業で手腕を振るい巨万の富を得る。ボリス・ベレゾフスキーが設立した石油企業シブネフチや自動車販売を中心とする複合企業ロゴヴァスの管理を任せられる。1995年にベレゾフスキーと協同でP.K.トラストを設立。1996年9月からシブネフチ取締役。その他、アルミニウム企業最大手のルサールも掌握していた。2002年から2005年にかけて、資産の大半をかなりの利益で売った。特に、ミルハウス・キャピタルはシブネフチの株を130億ドルでガスプロムに、ルサールの株を20億ドルでオレグ・デリパスカに売った。

1999年12月の下院選挙でチュクチから立候補し当選した。翌2000年12月にはチュクチ自治管区知事選に立候補し当選した。

2001年5月、シブネフチの重役が関与した汚職事件に関連して検察当局から取り調べを受ける。ベレゾフスキーに対しプーチン政権は対立姿勢を見せ始め、ベレゾフスキーは国外に逃亡した。アブラモヴィッチはプーチン政権に対しては沈黙を守り、プーチン政権との関係は比較的良好と言われていたが、次第に彼に対しても圧力が掛かり始めていると噂されている時に、ロシア最大手の石油会社だったユコスミハイル・ホドルコフスキー社長が逮捕された。

チェルシーの試合を観戦するアブラモヴィッチ

直後の2003年7月イングランドサッカークラブのチェルシーを買収。約160億円ともいわれる負債を返済し、ポケットマネーで次々と有力選手を獲得する。それまで一部の政治・経済人等にしか認知されていなかった人物が、一夜にして世界中から注目を集めた。当時、オリガルヒに対するプーチン政権側の強攻策には、欧米側による批判があった上、オリガルヒの資産国外流出を招くと懸念されていた。しかしアブラモヴィッチはその後もプーチン政権と良好な関係を維持し、2005年10月にプーチン大統領よりチュクチ自治管区知事に再任された。

アブラモヴィッチは2006年からチュクチ自治管区知事辞任を請願し、2008年7月3日ドミトリー・メドヴェージェフ大統領によってそれが承認されたため知事の座を退いた。しかし今度はチュクチ自治管区の地方議員に就任するよう地元から強く要請されたため、チュクチ自治管区地方議員選挙に立候補し、同年10月13日、96.99%の高得票率で当選して、議長に就任した。2013年5月7日、高級公務員(大統領、地方首長、国会・地方議会議員等の被選挙職を含む)のロシア国外での金融資産保有を禁ずる連邦法(N 79-ФЗ)が成立し、同法の遵守を理由に施行前の7月2日に議員辞職した。

2007年からの世界的な金融危機では203億ドルを失ったとされ、『フォーブス』の億万長者ランキングでは2008年度は15位(187億ドル)だったが、2009年度は51位(85億ドル)と大幅にランクを下げた。

私生活[編集]

社用機のボーイング767

アブラモヴィッチは2回結婚しており、最初の妻オリガとは1987年12月に結婚するも1990年に離婚、2番目の妻イリーナ(旧姓マランディーナ)と1991年10月に結婚するも2007年に離婚した。

2006年10月15日、『ニュース・オブ・ザ・ワールド』は、イリーナが夫アブラモヴィッチとテニス選手マラト・サフィンの元恋人であるダリア・ズコワが親しい関係にあるという報道を受けて、イギリスの2人の離婚弁護士を雇ったと報道した。彼らは2007年3月に世界最高額の60億ポンド(日本円で1兆3,500億円)の慰謝料で離婚したと、大衆紙などが報じている。アブラモヴィッチ自身は、3月13日に代理人の声明により、離婚した事実のみを明らかにしたが、離婚の条件などは公表していない。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

先代:
アレクサンドル・ナザロフ
チュクチ自治管区知事
2000年 - 2008年
次代:
ロマン・コピン